東京配属に拘る人の考察と東京配属を叶えるためには

最近読んだ記事の中で、配属先に関して思い出したことがあったので、ちょっと記事にしてみる。
ダイキっちさんの以下の記事を読んであるあるだなと思った次第である。


配属先、つまり勤務地の話である。特に下記の部分が自分の経験と照らし合わせてみてもしっくりきたので引用させていただく。

さて、しょっぱなから関西帰りたい欲が増し増しになった自分ですが、集合研修で出会う同期と話をしていると自分との考え方の違いに強いカルチャーショックがありました

例えば、勤務地についてです

IT企業だからというのもあったのでしょうが、ほぼ全員が都内勤務希望でした
勤務地なんかどこでもよくね?特に全部地方都市じゃん、大阪帰りて〜って言ってるのは自分くらいでした

特にカルチャーショックだったのは、配属の時期に、博多配属になった女の子がこの世の終わりみたいな表情で辞令を聞いていたところでした
噂によると会社に物申しをするも却下されて会社をすぐに辞めたそうですが、そんなに博多って嫌なんかね?と僕には全く理解できないこだわりだなと思いました

会社も会社でまあ意地悪だったのですが、地方配属の人は都内育ち都内勤務希望を言っていた人ばっかりでした
地方出身者は別に地方ならそれでもまあいいよという立場でしたがほぼ全員都内勤務となりました
そして都内育ちの人たちが地方を見てこいお前ら的な感じで地方に飛ばされていたように思います
偏見かも知れないですが、あとは都内育ちでかつ割と学歴的に下のゾーンの人たちが地方に行っていたイメージがあります
この様子を見ると会社でいいポジションを得るには学歴は一定程度大事なんだなと思ったりするのでした
まあ地方配属が嫌と言うのはあまりに共感できなかったので(配属先は地方主要都市確定なのでむしろ栄転だろと自分は思っている)、そんなワガママ言いたいなら頑張って学歴身につけたらよかったやん?って言いたくなったりするのでした

実は筆者も一応は東京勤務を希望していたのだが、それは東京に拘っていたというよりは支店・支社に行きたくないという気持ちの方が強かった。当時から自分がおかしい・発達障害の傾向が強いことは認識していたので、体育会系の方が多く、人間関係がより密な支店に行くと人生が破滅すると本気で思っていた。
筆者の場合は、どうしても支店に行くのは嫌だったので、証券アナリストの勉強をしたり、英会話学校に通うなどして一応人事部にアピールしたつもりではあったのだが、最悪支店配属になっても文句は言えないなくらいに思っていた。何故なら一応建前上は全国転勤ありの会社に入ってしまっていたのと、自分自身が行ったアピールくらいでは材料としては弱いと考えていたからだ。
結局筆者の場合は、最初から東京配属になり、支店を経験することもなく、ずっと東京にその後もいることになるのだが、東京の人の多さやラットレース感から、果たしてその人生が良かったのかと思うことが多い。

同期と話しているとどうしても東京が良いという学生が結構多かった。ただそれは本店に行きたいという気持ちではなく、支店でも何でも良いから東京に行きたいというものが多かった。後述するが、特に首都圏出身の者は、それが関西であっても福岡であっても札幌であっても、地方に行くと人生おしまいみたいな話をしている者が多かった。(なら何で入ってきたんだよとは内心思ってはいたが)
首都圏出身者は、日本のその他地方を、何か野蛮な日本以外の別の国とでも思っているのだろうか。その辺りの価値観には少し違和感を覚えたりする。
そして実際に配属が分かった後、特に地方(と言っても関西とか福岡とかなのだが)に配属が決まったものはとても暗そうな顔をしていたのを覚えている。だが実際に後から話を聞くとその後地方配属に馴染んだものは、最初の地方配属が一番楽しかったと言ってるものも多いので、あまり悲観する必要はないのかもしれない。

最近の動向としては筆者の頃よりも東京配属に拘るものが多いらしい。そもそも転勤を嫌がる学生が増加しているとのことである。ネットを見ているとどのような会社であれば、東京配属になりやすいかとか、東京配属を勝ち取る方法などのメソッドもよく見る。
転勤そもそもを嫌がるのは良く理解できる。共働きも増加しているので、転勤は色んな面で人生設計に悪影響を及ぼすためだ。
ただ社会人のスタートの段階からそこまで東京に拘る必要はないのでは?とも思ってしまう。

では、まず東京に拘る人の属性について考えてみたい。
そしてその次にどうすれば東京で働くことが出来るのかに関しても考察してみたい。

【東京配属に拘る人】
①首都圏出身の人
これは先ほども述べた通りで、首都圏出身の人はどうしても首都圏強いては東京で働きたいと希望する者が多い。彼らの一部には東京以外は日本ではないと本気で信じているタイプの人間がいる。首都圏以外の配属は罰ゲームくらいに考えているのである。

さすがに泣き出すものは周囲で見たことが無いが、裏では泣いていたのかもしれないし、内心は相当へこんでいたであろう。
勿論友達や家族が東京にいるので、そこに拘るのは仕方ないのかもしれない。でもそうであれば、学生時代に出来ることはもう少しあったのではないかと正直思ってしまう次第である。皆入社する前は、まさか自分が地方配属にはなるまいと考えているのである。ただ残念なことに後述する一部の属性以外の者は、全員が地方配属になっての何ら不思議でない。

逆に首都圏以外の地域の出身者はそこまで勤務地に拘っていない印象を受ける。関西出身者や愛知出身者も別に絶対にその地域でないと嫌だというものは見たことが無い。

②高学歴女性
同期に何人も高学歴女性がいたが、彼女たちもこぞって東京勤務を希望していた。何ならどうしても東京配属を叶えたいため、早慶などの学歴を有しており将来の昇給可能性を捨ててでも、エリア総合職などの形で東京配属を叶えるものもいるくらいだからその拘りは相当なものだと考えて良い。
これは以前の記事でも書いたことなので、そちらも参照して欲しい。


女性が東京に拘る要因は複数あると思う。単純に女性の方が恐らく田舎と言うか地方暮らしに対する耐性がない。都会に対する憧れみたいなものも恐らく強い。
表参道や銀座の街に行くと太宗が女性であることからもこれはよく分かる話であろう。
またもっと切実な話として婚活があると思う。結婚適齢期は男性よりも女性の方が早い一方で、地方に行くと高学歴の彼女たちに釣り合う男の絶対数が少ないので、婚活に出遅れてしまうという事情がある。

ただ高学歴の女性には朗報であるが、実際に筆者の同期を見ていてもそうであるし、他の会社でも同様だとは思うが、殆どの高学歴女性は東京に配属にされる。しかも殆どがスタートから本店だったりする。初期スタートで地方配属になるのは、殆どが男である。こういう男性の一部は後に東京に戻ってくることもあるが、割と地方を転々としている者が多い。
これは上記の記事でも述べた通りで、現在どこの企業も女性管理職の育成や女性の総合職の割合を高めるのに必死で、彼女たちに辞められては困るからである。逆に言うと男子は高学歴であっても、多くは数合わせでしかなく、いてもいなくても会社にとってどっちでも良い存在なのである。

ただ少し逆説的なことを言うと、このように考える女性は多く、実際に多くの女性が東京に配属になるので、高学歴女性であっても都内の高学歴男性と結婚するのは決して容易でなく、結局は都内に残れたのに売れ残ってしまうものも一定数存在する一方で、地方に配属になった男子は、大体その地で相手を見つけていたりもするので、人生何が正解なのかは分からないところである。
因みに当たり前の話であるが、①②の学生は重複する部分がある。

③職種に拘りがある人
これは一定程度就きたい職種があり、その職種は東京にしかないというパターンである。このような職種は案外多い。
ある意味一番健全なパターンである一方で、JTCではなかなか自分の希望は通らないので、一番挫折しやすいパターンでもあるかもしれない。
このような場合は、もはや職種別採用で入るのがベストであるし、それが叶わないのであれば、中途採用で頑張った方が良い。中途採用は基本的に将来の出世を捨てて便利屋になる代わりに職種を限定しに行く行為であるからだ。

④東京にコンプレックスがある一部の地方出身者
このパターンは稀だが、たまに見かける人種である。
自分の出身地が嫌いで、どうしても東京にしがみつきたいと考えているタイプである。大学進学と同時に全ての地縁を捨てて、自分の出身地を捨ててきたものや、自分の出身地に対して嫌悪感すら覚えている者である。

また地方国立(旧帝大に多い)にたまにいるが、周囲を見下し、自分は絶対に東京で働きたいと考えているようなタイプの人種である。
彼らのエネルギーは確かに凄まじい。
東京配属のためなら就活の時も何でもするというタイプが多い。

正直このタイプはあまり幸せそうではない。
東京出身者に対して勝手にコンプレックスを抱いたり、都内のタワマンを無理してでも購入しに行くのはこの層である。


それでは、次に東京配属を勝ち取るにはまずどのような対策が取れるだろうか。
その前にそもそもどのような属性であれば、総合職であっても初期配属から東京勤務を勝ち取れるのかに関して述べてみたい。
筆者が見てきた範囲では、以下の属性の学生、社会人は東京配属されやすい。
・高学歴女性
・(金融やITに入社した)理系院卒
・帰国子女、海外留学経験者(複数年以上で実際に英語が話せる)
・超難関資格持ち(公認会計士、弁護士、アクチュアリー等)

この四つである。正直東大であっても、必ずしも東京に残れるわけではない。それよりかは上記の四つの属性の方が強い。ただ東大の場合は、初期配属が地方であっても、その後は東京に戻ってきやすい。それ以外の学歴で、特に学部卒の男性は、別に一生地方でもあまり驚かない。

ネットでは、人事部に泣きつくとか、介護などの嘘をでっちあげるとか色んな方法が書かれているが、それはあまり効果的でないし、仮に初期配属で東京になったとしても持続性が無いと思うのだ。
なので、今回はもう少し正攻法で、東京配属を勝ち取る方法を考えてみたい。

①東京にしか事務所がない企業を受ける
これが一番簡単かつ一番難しい方法かもしれない。
ベンチャー企業とか中小企業の多くは、全国に拠点を構えているわけでは無い。そのため必然的にこれらの企業に入れば東京配属が叶う。これは一番容易な方法である。
またこれは一部のエリート向けではあるが、外資系の多くも東京にしか勤務地が無く、そもそも外資には本人の同意のない転勤は殆ど無い。
外資金融、外資IT等は大体が六本木とか丸の内に勤務先がある。
問題は、ベンチャーにしろ外資にしろどちらも雇用の安定性が高くないので、その点を重視する人にはあまり向いていない選択肢かもしれない。
ただ日系企業の中にも一部、東京にしか事務所がないところも存在する。
アセマネとかが有名だろう。総合商社とかデベロッパーも多くは東京配属であろう。
ただこれらも外資と同様でとにかく入社するのが難しい。また総合商社の場合は、新興国に駐在で行くリスクも存在する。
他にも大学職員なども良い選択肢ではあると思うが、そのホワイトさが知れ渡ってしまい、今ではかなり人気の就職先となってしまったみたいだ。

②転勤がなく、エリア別で採用している会社を受ける
これは、数としては少ないが、コンサル等が該当する。
Big4や日系のコンサルティングファームは、いずれも関西や九州などにも事務所を抱えているが、基本的にはエリア別の採用を行っており、本人の同意がない転勤は存在しない。
また今は幾分その枠が少なくなってしまったみたいだが、金融等はエリア総合職という形で、女性を採用する枠を設けている。
①で述べた外資金融やIT、アセマネ、デベロッパー、総合商社は東大卒であっても入社するのは難しいので、この辺りが一早慶以上の高学歴層にとっては一番現実的な選択肢かもしれない。

③ジョブ型採用に乗れる学問を修める
これは大学入学時点から進路を意識しないといけないので、なかなか難しい選択肢ではあるが、一つの有力な選択肢ではある。
例えば、経済学部で金融工学や統計学を修める、工学部の情報系に進む等の選択肢が考えられる。
金融専門職、特に金融工学系は全て東京配属しか存在しないし、データサイエンティストに至っては、リモート勤務ゆえに勤務地が限定されない可能性まであるだろう。
他にも東京は難しいかもしれないが、神奈川で良ければ工学部の電気電子で通信系や半導体関連の学問を修めるとか色々と手の打ちようはある。
残念なのは、東京配属に拘る一方で、修めていた学問が材料とか化学とかのハード系の学問である場合である。この場合は、割と僻地の工場とか研究所に配属になってしまう可能性が高いので、首都圏に配属されたいのであれば、ソフト系の学問を修める一択だ。また一旦大学時代の専攻は捨てて、金融やITに入るのも一つの選択肢かもしれない。

④難関資格を取る
これは学生時代であっても、社会人になってからでも対策しようがある方法である。
個人的には申し訳ない言い方になってしまうが、例えば高学歴女性等で、どうしても東京に帰りたいのであれば、人事部に泣きつくよりも公認会計士やUSCPAを取得する方がよっぽど良い選択肢なのではないかと思ってしまうのである。努力の方向が間違っている気がしなくもない。

確かに働きながら取得するのは難しいかもしれないが、地方の工場に配属になって、時間に余裕があるのであれば、少しでも勉強を始めればいいのにって思ってしまう。別に公認会計士に限らず、不動産鑑定士でも何でも良い。
勿論G検定とかITパスポートとかそういう軽量資格では意味はない。

⑤海外留学に無理してでも行く
これもお金はかかるが、有力な選択肢の一つである。
英語が出来ると(ここではあくまで話せるという事に主眼を置いている)、グローバル系の部署に行きやすく、こういうのは大体が東京にしか部署が存在しない。
ただ注意点としては、①~④と比較して、今では留学経験のある学生は結構多く、入社する会社によってはあまり差別化要因にならないかもしれないという事である。またたまに関西でも英語を使う部署があったりするので、必ずしも東京に残れるとは限らない。そのため①~④よりは東京配属の可能性は劣後すると思われる。


いずれも難関であるが、いつか東京にいけるのではないかと無駄な希望を抱いたり、人事部に泣きつく、嘘をでっちあげるよりもよっぽど自分でコントロールできる変数が大きく、またその後の人生の主導権を自分で握れる可能性が高い。①②は中途採用で受ける、③は社会人になってから大学院に通い直す、④は社会人になってからも受験可能、⑤は途中でキャリアブレイクして海外留学に行く等、社会人になってからも色々とやりようがある。
ただこのような選択を取って皆が東京に集まってしまったため、東京は人が増えすぎ、生活の快適さが高いかと言われると結構疑問符が付くため、東京に来れば(戻ってこれば)幸せになれると妄信するのは危険である。