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第九回 『天孫降臨神話』

京都芸術大学 2023年度 公開連続講座


第九回 「海外の視点から見る天孫降臨神話」


講師は第一回と同じく、学習院大学名誉教授の諏訪春雄先生でした。

古事記、風土記、日本書紀のいずれも読んだことのない私は「神話」についてほとんど無知です。そのせいで、神話というものが自分の暮らしとかけ離れすぎていると感じました。ストーリーとして楽しむためには、私はあまりに何も知らないし、学説を聞くにしても疑い深い点が多すぎて、実感を持って神話にむかうことができませんでした。

けれど、たとえば、農村の、豊作のための儀式を見た時、私はそこに、古来からの人々の祈りと神のつながりを否応なく感じるに違いありません。神話、神のものがたり、言い伝えは、それらが宿る様な暮らしをしている人にしか感じられず、わからない事なのだと思います。

歴史も神話も、つまるところは「ものがたり」です。過去の事実を証明することはとても難しいことに違いありません。ですから、その「ものがたり」を自分で読み、自分で飲み込んでしまわなくては、どんな偉い方から説明を受けてもどうにも仕様がないのだと思いました。物語を外から眺めているだけでは、そのものがたりを本当に知ることはできません。

神話そのものだけを勉強するのではなく、伝統工芸の技術にまつわる神話、旅先に伝わる神話、伝統芸能に息づく神話、古くから人々の祈りとつながっている神話を知ることが、私にとっては面白く、楽しく、興味深いことです。

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