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だって論文読むの高すぎるんだもん

大体何事もそうだが、失った時に気づくありがたみ、というものがある。


大学にいると、論文は無料でいくらでも読めた


大学に所属しているとわからないのが、論文をいくらでも読める環境のありがたさ。

施設として、購読しているものも多いし

購読していないものは、図書館に依頼すると数日で送ってくれていた(費用は図書館もち)。

でもそれって当たり前のことだと思ってた。


留学したスタンフォード大学の図書館はもはやダウンロードできない、という事態になったことがないくらい、どの論文にもアクセスできた。

その後留学期間は修了した後

日本で元いた大学病院も辞めることになり

そう、大学の図書館にアクセスできなくなったのである!

しかし、勉強するには論文を読まなくてはいけないし

なにかをまとめるのに、論文に目を通さなくてはいけない。



いざ無料で読めなくなると、財布が痛い


以前のように無意識に無料でダウンロードできなくなった私は

「この論文40ドルか、全文読む価値があるのか?アブストラクトだけでいいのか?」

と財布と相談し、熟考しないといけなくなったのである。


その後、日本の助産師さん向けに講座を始めた私は

日本の文献も読みたいと思うようになり、久々に医中誌のリンクを開いた。

そして衝撃を受ける。

えっ、検索するだけでお金がかかるのかい。。


医中誌パーソナルWebというものがあり、So-netとm3.comを通じて申し込むことができ

m3.comのアカウントがあった私はそちらから申し込んだ。

ご利用は何故か時間単位。

調べるだけにしては高すぎないかい?

何時間調べるか、予想するのも難しくない?(笑)


医中誌で検索し、「あ、これ読みたい」と思っても

医書.jpやメディカルオンラインでまた数千円課金しなくてはいけない。

「なんやかんや出費がかさむー」とちょっとストレスを感じる日々を過ごしていた。


必殺 お頼み申す!


そして、私は決めた。

「そうだ、医局の秘書さんに大学の図書館使っていいかどうか聞いてみよう!」

助教ではなくなったが、研究員として一応在籍させてもらえることになっていた私。

かくかくしかじか、と事情をメールすると

「使ってもいいのですよ。手続きを進めましょう!」と言ってもらえ

帰国の時に大学にも出向き

またたーくさんの論文を無料で読むことができるようになったのであった。


それから論文を無料でダウンロードするたびに

「ありがたやー、ありがたやー」と感謝でいっぱいになっている。


違法な論文海賊版サイトの記事を読んで


そしてちょうど今朝、このニュースを読んだ。


このサイトのことは知っていた。

数年前に先輩のドクター(アメリカ在住)から

・違法だけど、使っている人が多いこと

・どうしようもこうしようもない時の最終手段であること

と教えてもらっていた。

結局私はなんだか怖くて使わなかったが、使う人の気持ちはよくわかる。

だって、論文読むの高すぎるんだもん。


一方、「勝手にセミナーのスライド、スクショされたらやだ」など

著作権を守りたい気持ちもあるので、私は海賊版には手を出さない。


が、全部自分で払っていたら、お財布が痛すぎる。

今もお金を払わないとアクセスできない立場にいたら

多分数本やっちゃってたでしょうね。。


研究は儲からないというシステム


論文を読んで学んだことは、大抵キャッシュバックできない。

ビジネスの投資のように「元をとるぞ〜」みたいな流れにならないのである。

論文をたくさん書いている人は尊敬されるし、ポジションも上がるかもしれない。

でも研究で、お金持ちになる人はほんの一握りだ。


アカデミックにいる人は、お金のことは気にならないかもしれないが

・論文が高すぎる

・研究が自己研鑽で終わり、キャッシュバックできない

うちは海賊版使用はなくならないであろう。




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