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あなたの大切な人は誰?星の王子さまからのメッセージ③

今日も星の王子さまシリーズやります。

これまでのお話はこちら☟
良かったらご覧ください。

トゲのある花

王子さまはいきなり僕にこう聞いたー

「小さな木を食べるヒツジは、花も食べるかな?」

「なんでも食べるよ」

「トゲのある花は?」

「トゲがあっても食べるさ」

「じゃあなんでトゲがあるの?」

僕はそんなことを考えている場合じゃなかった。エンジンの修理がうまくいかないので、僕はいらいらしていたんだ。

飲み水だって少ない。飛行機をなおせなかったらふたりとも死んでしまう。

「トゲはなんの役にも立たないよ。花はただ
いじわるしたいだけさ」

王子さまはびっくりした。

「そんなの嘘だよ!」

としばらくしてから王子さまは言った。

「花は弱いから、トゲがあれば大丈夫って思っているんだ。安心したいだけなんだ。」

ぼくの頭にはエンジンのことしかなかった。

「花はいじわるだって、本当にきみはそう思っているの?」

「そんなこと思ってない。今、大事なことで頭がいっぱいだから」

「大事なこと?これが?」

王子さまの目には、僕は油まみれになってごちゃごちゃしたものに頭を突っ込んでいるだけだった。

「きみって、まるで大人みたいだ!」
王子様は本当に怒っていた。

「ぼくの知っている星に、真っ赤な顔の大人がいる。その人は一日中ずっと計算しかしていない。花の匂いも嗅がないし、誰も愛さない。大事なこと、大事なことって、そればっかり。そんなの人間じゃない。キノコだよ!」

「なんだって?」

「キノコ!花は昔々からトゲを生やしているんだ。ヒツジは昔々から花を食べている。それは他の何よりも大事なことだよ。

ぼくの星には世界でたった一輪の花がある。ぼくが大好きな花だよ。ある日、その花をヒツジが食べてしまったら、その花はなくなっちゃう。それが大事なことじゃないの?」

王子さまは怒って顔を真っ赤にしていた。

「星空がきれいなのは、たくさんの星のどれかにぼくの好きな花があるからだよ。もしもヒツジがその花を食べてしまったら、それはぜんぶの星が消えてしまうみたいなものじゃないか。それも大事じゃないの!」

あたりは夜になっていた。
ぼくはエンジンの修理を止めて、王子さまをぎゅっと抱きしめた。

「花は大丈夫だよ。ヒツジの口にはめる口輪を書いてあげるから…花のまわりに柵を書いてあげる…大丈夫だよ…」

それ以上なぐさめる言葉がなかった。
ぼくはその晩ずっと王子さまを抱いていた。
池澤 夏樹氏 訳
絵本 星の王子さまより



どの部分も必要な文脈に思えて、結局まるっと引用してしまった。

私にとっての「」は何だろう。

娘や夫や両親…つまり家族かな。
広義にとらえれば、友人や職場の人にも及ぶかもしれない。(たくさんいるから時々パンクして1人になりたい時がある。笑)

人は一人では生きていけない。
生きていけるかもしれないけど、それではつまらないし、寂しい。

人間関係の悩みは尽きない。
自分と違う価値観に遭遇した時、つい反抗したり、横柄な態度をとってしまったり、逆に殻に閉じこもってしまうことがある。

そのトゲは、相手を傷つけたくて作ったものではなくて、自分の心を保つために必要なことだったりする。

特に近い間柄の人に対しては、自分のことを理解してくれてるはずだから、これくらい言ってもいいでしょと、つい甘えが出てしまう。

でも、もしその人が突然自分の前からいなくなってしまったらと想像したら…
とても寂しいし、悲しい。

日々の忙しさから、その人が自分にとって
かけがえのない大切な人であることを忘れてしまう。つい、適当にその場をやり過ごしてしまう。

自分が幸せなのは、その人が側にいてくれるから。価値観を共有し、一緒に人生を歩んでくれているから。

その人が笑顔でいてくれたら、自分も幸せ。

時にはぶつかることもあるけど、新たな気付きをくれてるんだと、俯瞰してみられる心のゆとりを持ちたい。

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