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宗教や信仰についての雑記 #171

◯迷うということ

先日、「なぜ人はカルトに惹かれるのか 脱会支援の現場から」(瓜生 崇 著 法蔵館)という本を読みました。これは浄土真宗親鸞会を脱会した方が書いた本です。

その中の、「カルトという問題を考えるときに最も大事なのは、自分が『正しい』と思った道を貫き通すことではなく、立ち止まって考え、しっかりとブレることのできる勇気を持つということである。」という記述が興味を引きました。

ブレるということは迷うということです。迷うということは答えを探したり選択したりする自由があることの表れでもあります。自由が全くなければ迷うことすらできないでしょう。

そこで、迷うことの積極的な意義を調べてみたところ、
・深い思考を促進する
・創造性を高める
・主体性を育む
・自己理解を深める
・柔軟な思考を養う
・成長の糧となる
といった事柄が挙げられていました。

これらの事柄は、迷うことにより、
・様々な視点や価値観に触れること
・既成概念や固定観念にとらわれないこと
・自分の頭で深く柔軟に考えること
・自分の価値観を整理する機会となること
・問題解決能力が向上すること
といったことを根拠としているようです。

「人は努力する限り迷う」という言葉かあります(原文は「迷う」ではなく「誤る」だそうですが)。また、「信仰とは90%の疑いと10%の希望である」という言葉もあります。
迷うということと自由であることとは表裏一体であり、それは我々に与えられた特権でもあるのかもしれません。

この本を読んで、迷うことを恐れてそれから逃げると、自由を失うことにつながる危険性もあることを知りました。
それにより、迷うということを幾分肯定的に捉えられるようになりました。

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