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【学級経営】「時を守る」クラスにするためには①

 私が以前のコラムで伝えた「時を守り、場を清め、礼を尽くす」つまり「時・場・礼」について、具体的な方法を書いていこうと思う。

今回は「時を守る」について。

この「時を守る」ということは、集団生活において最優先事項の項目だ。

では、2つのパータンのクラスの状態を出発点として考える。

 1つ目は、クラスが始まったばかりや、休み明けでクラスの状態が定まっていない時。

この場合は、やはり最初から厳格なルールと対応で浸透することを基本とすると比較的定着しやすい。

とまり「時を守る」ということが、「当たり前」であるということを全面に打ち出すのだ。

例えば、ほとんどの生徒が時間通りにいる中で、少数の生徒が遅れたとしよう。

その時に、まずは冷静に理由を聞こう。その時に妥当な理由であれば、「わかりました。次回からはできる限り前もって伝えてくださいね」と言って席に着いてもらうようにしよう。
そして、全体に聞く姿勢をとらせて、「時間に間に合わない場合は、事前に自分か、誰かに伝えて、遅れる旨を担当者に伝えておいてくださいね。それができない場合は席に座れない可能性があります。」と全体にルールを確認する。
こうすることによって、「伝えられるのに伝えていない場合は、遅れとみなす」という注意喚起になる。

妥当な理由でなければ、一旦座らせた上で、そのことを取り上げて全体に知らせておくことが大切だ。「正当な理由なく遅れてきた場合、席に座れない可能性があります。次回はきちんと前もって伝えてください。」と全体にルールの周知を図る。

以上のように、「基本的には遅れることは良くない、そして、正当な理由で遅れる場合は事前に連絡しておく。そしてそれを守れない場合はスムーズにいかない」という共通認識を集団全体でもっておく。

そして、次回に「事前に連絡なく、正当な理由でない遅れ」の場合は、生徒を着席せずに、1~2分ほど起立させておく。この時に怒鳴ったりする必要はない。そして、座らせる時には、大切なことを伝える。
「正当な理由や、事前の連絡なく遅れるということは集団にとっても、そして〇〇さんの習慣にとっても良くないです。だから、今回はこのような対応をしました。そのことを理解したのなら、座ってください」という。

生徒は基本的に座るだろう。そのことをもって、理解したということとする。

ここで、大切なのは、その生徒だけでなく、クラス集団全体にこのことを目の当たりにしてもらうということだ。

そのことによって、クラス全体に「時を守る」という雰囲気ができる。


もし、生徒が毎回「トイレに行ってました」「おなかが痛くて」ということを言って、事前に連絡できないという場合であれば、それが2~3回続くのであれば、「では、そんなにも続くということは、体調面が心配なので、保護者の方に連絡しますね。もし、保護者が気にしないでくださいと言っていたら、次回も遅れたら容赦なく指導します。もし、保護者が本当に体調を崩しやすいので、配慮してあげてくださいと言われたら配慮します。」と伝える。

そうやって、外堀を埋めながら、正当な理由を、単なる言い訳の区別を図っていく。

本当に配慮が必要な生徒の場合、保護者の了解を得たということで、クラスにダブルスタンダード(2つの基準)が生じても、学級経営上の正当な区別として生徒たちにも納得感ができる。

このようにして、適切に、厳格に対応することによって「時を守る」という雰囲気を死守していこう。

この雰囲気がしっかり浸透してきたら、遅れてきたときの対応も少し緩めることもできる。(口頭での指摘などで済ませられる)

次回は、クラス全体が時を守る意識が低い場合の対処法を執筆したい。


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