【超短編集】続・yule【詩集】
僕のことを嫌いになってほしい
Gray
どこまでも灰色なんだ
あちらにもこちらにも行けない
この世界はグラデーションだって言うけど
お前は向こうに行けと白外されたと思えば
お前はこっち側の人間じゃないと黒外追放される
どこまでもボーダー
それならば君たちの橋渡しをするよ
雲とコンクリートを報酬として
Dark
どこまでも無力
結局は独り
何をしてもダメ
降りる夜の帳
広大な安堵
一抹の寂しさ
暗闇が揺らめく?
こんなことってあるのだろうか?
Brown
ほらようやく、だいぶ、固まってきた
包帯には赤茶けた染み
まぁたこっからだな
瘡蓋の上からよ
生傷が入るんだ
慣れたように君は笑う
傷は乾くことがなく
包帯の色が白に戻ることはない
俺が選んだわけじゃあない
だけどもうそれを受け入れた
痛みはどぎつい酒みたいなもんさ
おどけて指でハートを作ってみせた
透明
無力だ
どこにいっても
なにをしても
虚空を彷徨う手
空を切る拳
見えないの?
ふと、ピンクや空色のインクがポタッポタッと
もらってた
ありがとうの言葉たち
ごめんなさい
そしてありがとう
透明の水槽にピンクと空色のオーロラ
今度はそれを涙に変えよう
微力だけど
これからもよろしくね
White
嫌いになんて
なってほしくないよ
だけど全て
僕もみんなも
きっと自由だ
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