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13,賢者メターニア

何かに、迷った。
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シリーズもの13曲目です。
特にひねりもなく、純粋に聞きやすいメロディアスな曲を目指しました。
イメージは影のある賢者です。凛と澄んだ聡明さを感じさせる雰囲気を纏いつつも、語るその言葉の端々に感じるものは過去にあった罪を感じさせるものばかり。そんななんとも言えない雰囲気を表現…できているでしょうか。
以下この曲の物語。
「あぁ、こんな所でお会いするなんて…。
お久しぶりです。私がここに来てどのくらいになるのでしょうか、貴方は私を覚えていらっしゃいますか。
…貴方が此処に降りてくる事なんて今まで一度もなかったのに、そんな貴方が何故ここに…。あぁ、なるほど。あの町について調べていらっしゃるのですね。私もあの町の出身です。話せる事は何でもお話しますよ。

そうですね、私について改めて話しましょうか。かつてあの町で医者をやっておりました、私の名前は…忘れました。此処に落ちてから暫くは私も周りの人たちと同じように意識がぼんやりしておりまして…。こうやって会話できるほど自身を意識できるようになったのも最近なんですよ。だからか記憶が少し曖昧でして。
町の話をしましょう。ある日を境に病人が増えたことを覚えております。確か、行方不明者の噂が広まり始めた頃からだったような…。皆同じような病状でした。そうですね、なるべくわかりやすくお伝えするなら…最初は風邪のような症状で、徐々に意識が薄れていくんです。病状が悪化すると完全に意識が無くなって眠り続けるような状態に…最期は静かに息を引き取ります。病気はあっという間に町中に広まって…私の最後の記憶通りだとするならあの町にはもう誰もいないのではないでしょうか。
…私も、きっと病気にかかったから此処にいるのでしょうね。」

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