画像1

09,君はこれを檻と呼ぶ

何かに、迷った。
00:00 | 00:00
シリーズもの9曲目です。
壮大に重く、けれど絵本らしいファンタジー感を消さないようにした曲です。自分の行ったこの重大さをようやく実感して、でも具体的になにをすればいいのかわからない…そんな心情を書いた曲です。これも、ボーカル作ろうとして挫折した曲だったります。作詞センスが欲しい…。
以下この曲の物語。
「優しく頭を撫でてくれていた手から、徐々に力が失われていく。彼の最期を察して、まだお別れをしたくなくて、僕は彼の顔を改めて見た。彼は優しい目で僕を見て、力ない声で言った。"この世界を君は、檻としてしまったんだね"。
その言葉を最後に彼は動かなくなってしまった。僕はまだ熱の残る彼の手を取りると、生まれて初めて声を上げて泣いた。ずっとこの世界でともに旅できると思っていたのに。まだまだ見るところはたくさんあると、彼は言っていたのに。もっと彼の姿を見ていたかったのに。
彼への思いがあふれ出すと同時に、彼の最期の言葉の意味を僕は考えて、今度は後悔で涙を流した。
彼はこの世界を"檻"と呼んだ。僕が作った"檻"だと彼は言ったんだ。僕は、確かに世界のすべてをこの瓶に閉じ込めた。取り返しのつかない事を、僕は世界に、彼にしてしまったんだ。
その言葉の重みに、僕は潰された気がした。」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?