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エリュシオンの夜空に想いを馳せて

何かに、迷った。
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シリーズもの14曲目です。
限りなくシンプルな曲を目指しました。目指しましたが、出来上がった曲を聴き直すとシンプルではなくなった気がします。テーマは夜空と、仄暗い望みです。明るく成り切れないメロディがお気に入り。過去に作った曲のメロディをがっつり入れてます。
以下この曲の物語。
「それは晴れた星の綺麗な夜だった。多くの子が窓から外を眺めていたのを覚えている。星を見ていたのかもしれないし、出る事の出来ない外に焦がれていたのかもしれない。
一人、窓際で空を見上げ手を胸の前で合わせて何か呟いている子がいた。その声はとても静かで、まるで何かに語り掛けているように私には聞こえた。声をかけると、その子は笑顔で教えてくれた。
「お空にいる母様に御祈りをしているの。私も早く母様のところに連れて行ってくださいって。」
「母様いつも言ってたの。迷子になっても必ず迎えにいくからねって。」
「だからきっと、母様迎えに来てくれるの。お空のその上から、きっと迎えに来てくれるの。」
他の患者たちが憂いている中で、この子は曇りのない笑顔で夜空のその先にいる母に祈りを捧げている。
気が付くと私も彼女の横で空に祈りを捧げていた。
たとえ町に広がる病が収まらずとも、住人たちのその先が幸せなものでありますように。最期のその先が、今の彼女が見せるような笑顔であふれる場所でありますように。」

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