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01,橙の魔女の杖

何かに、迷った。
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シリーズもの1曲目です。
たまにやる古の自作曲アレンジです。これは2014年ごろに書いた夢の中で聞いた曲のアレンジになります。曲と共に"魔女の杖"という単語がぼんやり浮かぶ、なんともメリハリのない夢だった気がします。
物語は"青い希望を求めて"の続きとなります。回想、独白です。
以下この曲の物語。
「それはまだ僕が幼い頃の物語。具体的には乳歯が4、5本生え変わった頃。
僕は御伽噺が好きな子供だった。古今東西あらゆる文学集、童話集、絵本に至るまであらゆる本を読み漁り物語を渡り歩くのが日課だった。僕の鞄にはいつも何かの本が入っていたし、手の甲には好きな御伽噺のフレーズが書き込まれていた。僕にとって幻想的な物語の中の世界は憧れで、もう一つの僕が住む世界だったんだ。
そんな僕には宝物がある。どこで手に入れたのか、いつから僕の下にあったのかはわからない。それはいつの間にか鞄に入っていた。橙色に染め上げられた腕の長さくらいの杖。先端にいくにつれ細くなっているそれは指揮棒のようにも見える。まるで御伽噺の魔女が振るう魔法の杖のように僕には見えた。
この杖、振ると先端からキラキラと粉が輝き落ちてくる。最初は細い先端が削れて粉がまっているのかとも考えたが、長さも変わらないし、先も細くとがったままだ。これきっと本当に本物の魔法の杖なのだと心躍らせた。物語の中の本物の魔法使いになった気分だった。
…それがどんなに恐ろしい魔法ともしらずに。」

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