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08,これはきっと夢のはず

何かに、迷った。
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シリーズもの8曲目です。
子供が見た悪夢がテーマの曲です。これも古の自作曲アレンジでして、元曲は2012年頃に書いた曲です。ノリよく可愛らしく、それでいてちょっと不気味な雰囲気がお気に入りです。
以下この曲の物語。
「それから、僕は度々狼頭の彼と会い会話を楽しむようになった。彼は僕が沈めた街の上に作られた集落の住人らしく、小さなログハウスに住んでいるそうだ。
…どうやら、僕はあまりに長い時間を塔の上で過ごしていたらしい。僕がぼんやりしている間に瓶の中の住人達は各々文化を築き、交流しながら集落や街を作っていった。僕が作った遺跡などの造形物は彼らに有効活用されて、集落の所々に僕が作ったものの名残を見つける事が出来た。狼頭が案内してくれる今の瓶の世界は本当に魅力的で、彼と過ごす日々はかつて僕が物語の世界を渡り歩いた日々以上に輝いていた。
こんな日々が、いつまでも続くのだと僕は疑わなかった。

どうやら、瓶の世界の中の時間と僕の時間は流れ方が違うらしい。気が付いた頃には狼頭の彼はベッドの上から動けなくなっていた。驚いた僕は彼に何があったのか問い詰めると、彼は"人は歳を取るものだ"と笑った。彼は静かに、僕と出会った日から共に過ごした日々を語り出す。話の合間、"楽しかった"とか"ありがとう"とか彼が言葉を挿むから、僕は笑顔を保てない。彼の語りが終わる頃には、僕は涙を流し彼に縋りながら謝っていた。
僕は、彼にすべてを話した。彼に出会ってから話すのを避けていた僕の正体と、僕が世界に何をしたかをすべて話した。
世界を壊して、瓶の中に閉じ込めて…その状況を利用して、全ての命を弄んだ。彼と過ごして色々な物を見て、色々な人と接して、僕はこの瓶の世界を愛おしく感じると同時にとても大きな罪悪感に苛まれた。
"ごめんなさい、ごめんなさい"と謝る僕に年老いた狼頭は優しくなでてくれた。
彼は何も言わなかったが、その大きく暖かな手は僕を慰めるのに十分だった。」

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