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03,いつか語継がれる物語

何かに、迷った。
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シリーズもの3曲目です。
静かに始まり徐々に激しくなる曲です。現実味のないまるで御伽噺の様な話を延々とされるイメージで書きました。構成はシンプルに、語りを聞いている時に流れるBGMのつもりです。
物語の時系列的に、過去曲の雰囲気を何曲か混ぜております。
以下この曲の物語。
「床と天井のガラス越しに初めて見る魚を眺めなていると、そっと壁際のベンチに座らされる。隣に腰を下ろす彼女の手には一冊の本があった。
"この本にはあなたが知るべきことのすべてが記されております。"
"直接お渡しして、あなた自ら読み進めて頂いてもよいのですが…"
"自身が置かれている状況も分からないまま、ただの記録でしかないこの本を読んでも理解できないでしょう。"
彼女は手にしている本をベンチに置くと、目を瞑り息を吐く。
今まで、あの部屋の中で過ごしていた日々に疑問を抱いたことはなかった。部屋の外を知った今、目につくすべてに興味が向く。彼女が何を言っているのか、きっと聞いても全て理解はできないだろう。
"この施設は元々とあるお方が自身の為に作ったものでした。"
"自身の抱える悩みを解決する為にこの施設を造り、この施設を運営するためのすべてを創りました。"
"そのお方は今は此処におりませんが、定期的に帰ってきます。"
"あなたはあの方にとって特別な存在なのです。"
"それでいながら、どうかかわれば良いのかわからない存在。"
"あなたにはあの方の為に、私たちの為にすべてを知っていただきます。"
"この本について、私が解説を入れますので共に読み進めましょう。"
”どうかあの方の為、私たちの為…、そしてあなた自身の為に、どうか全てを受け入れてください。”」

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