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05,愛児の忘れ形見

何かに、迷った。
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シリーズもの5曲目です。少し不穏な雰囲気から始まったと思ったら急に覚悟をきめ出すような、そんなイメージで書いた曲です。雰囲気重視で書いたわりに曲の展開はいつも通り。この流れが自分の中でブームなんでしょうね…(無自覚)
以下この曲の物語。
「彼女から語られた"物語"は、どれこれも現実味を感じられなかった。唐突に突きつけられる情報の多さに思考が回らなくなっただけかもしれない。
まず、私はこの世界の神様の為に生み出されたらしい。神様がかつて愛した"誰か"の遺体から私を作り出したそうだ。目的は暗く心を閉ざした神様を癒し、あるべき場所に神様を帰す事。よくわからないが、とにかく私は神様の為の贄のようなもの、なのだろうか。
もう一つはその神様について。神様はかつて愛した"誰か"を失った後に心を閉ざしてしまい、今は世界のあちこちを放浪しているんだとか。曖昧な意識のままあらゆるものに影響を与える神様は災害でしかなく、それを止めるためにも私は重要なのだそう。
そして最後に私自身について。私は神様の愛した"誰か"の遺体から作り出された訳だが、本来であればその"誰か"の記憶も持っているばずなのに、私には一切の記憶がない。それは彼女ら研究者たちからすると異常であり、それも研究すべきことなのだそうだ。
…とりあえずは、私は彼女らに作られた神様への贄なのだと今は理解することにした。元々何の経験もなく、知識は本で得ただけの私に目的も希望もない。ならば今は教えられたことを受け入れて、それを生きる理由としよう。
生まれて初めて得た目的に、私は戸惑いながらも興奮を覚えていた。」

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