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「楽しいことレベル表」を作ってみて。


長男と「楽しいことレベル表」を作った。

他意はない。
遊びながらなんとなく、「この子は今、何が好きなんだろうなあ」と気になって、たずねてみた。

この遊びは、楽しいレベルどのくらい?


0から100で決めよう。
そういうと、長男は真剣に考えて、いろいろ教えてくれた。


まず、一番たくさん持っていてハマっていたLEGO。レベル15。
「低いね」というと、「うん、今はつまんない」と言う。

たしかに、買いすぎて混ざってしまい、パーツを探すのも一苦労だ。
しかも次男が撒き散らすので、部屋の隅のガードの中でしか遊べない。狭い。
そんな自由の聞かない遊び方で、楽しいワケがないか。

もっと楽しくなるように、工夫したいね。
わたしがそう言うと、長男も「パーツごとに分けたい」と教えてくれた。
よし、今度やろう。


では、LEGOではないなら、他は?
ふたたび聞いてみると、最近よくやっている布団遊び、トミカを使った修理工場遊び、お風呂遊びなどのレベルが高かった。

特に、「修理工場遊び」はお気に入り。
楽しいレベルは最高得点の80。

トミカが「患者」となって、積み木でできた簡易な工場にやってくる。
そして、わたしに「お腹が痛い」だの「咳が出る」だの、不調を訴えてくるのだ。
トミカが。

それもう、「病院ごっこ」やん。
とツッコミたくなるのだが、あくまで患者は「車」なので、「修理工場ごっこ」らしい。

わたしは嘔吐症状のあるトミカに吐き気どめを処方したり、食べ物が喉を通らないトミカには点滴を施したりする。

この遊びが、楽しいレベルマックス。
ようは、一人でやるLEGOより、親とのやりとりが楽しいごっこ遊びの方が、満足度は高いというわけだ。
ふーむ、ふむふむ。
お母さん、もっと「ごっこ遊び」がんばる。


そんな感じで、ひととおり現行の遊びの楽しいレベルを聞いていくと、ちゃんと表が出来上がった。
ちなみに、保育園は、レベル10だった。
低い。最低値。
分かってたけど。


じゃあ、レベル100はないのかい?
一番上は80なのかい?

長男にきくと、「いや、レベル100はあるよ」と次のように教えてくれた。

長男ちゃんが、もっと大きくなって、6歳とか8歳になったらね。
LEGOのテクニックで使うモーターを買うねん。
そしたら、モーターを組み立てて、すごい仕組みを作るねん。
それが、レベル100になる予定!


なんと!
レベル100は、まだ見ぬ未来!

長男は、LEGO動画で見たモーターなどの部品を使って、動く橋や建物を作るのを夢見ている。
まだ難しいから、大きくなったら買おうね、と適当なことを言ってごまかしていたのを、彼はちゃんと覚えていた。

そして、まだ体験していない未知の遊びに、胸を高鳴らせ、それがきっと自分にとって、レベル100ほどの楽しい遊びになるだろうと予想しているのだ。


なんか、なんか‥。
グッときてしまった。

そんな答えが出てくると思わなかった。
未来を見据えて、純粋にワクワクしている長男。
かたや、毎日目先のことで、ウロウロ狼狽えているおとなのわたし。

なんか、負けたなあ。
勝ち負けなんか、ないんだけど。

長男の純粋な未来への期待感。
それは、わたしがすっかり忘れてしまった、キラキラ光る宝石だ。
ちょっとだけ、うらやましかった。



その後、「お母さんも作って」と言われたので、わたしも「楽しいことレベル表」を作成。
最低値は「むしとり」にして、最高値に「家族旅行」と書いた。

長男に「そんなにお出かけしたいん?」と呆れ顔で言われてしまったので、「行きたいよ!」と言い返した。


でもほんとうは、豪華な旅行じゃなくてもいい。
ただ家族4人で、のびのびと笑い合いながら、そのへんでピクニックするんだっていいんだ。

わたしにとってレベル100は、家族4人でいっしょに楽しむことなんだよ。
ひとりカフェも書きたかったけど。

◇◇◇

そんなわけで、「楽しいことレベル表」を作ってみたら、長男の気持ちがちょっと分かった。
ついでに、わたしの気持ちも。

こういう数値化やリスト化って、おもしろい。
気づいていなかった自分の本音を、知ることができる。

長男もこういうのが性に合うようで、半年前に作った「行きたいところリスト」は、ボロボロになってもいまだに壁に貼ってある。

長男が楽しい遊びを、なるべくたくさんしてやりたいとおもう。
「行きたいところリスト」だって、可能なら、全部連れて行ってやりたい。

親が「これして遊ぼ!」「ここに行こう!」と決めてしまったら、簡単だ。
でも、我が子の意見にも耳を傾ける時間も、忘れたくないなあと感じる。

ぼくも、意見がある。
ぼくの考えも、聞いてもらえる。

長男がすこしでも、そんなふうにおもってくれたらいい。
自分の考えがうまく整理できないときは、数値化やリスト化をしてみようって、いつかのヒントになればいい。


「楽しいことレベル表」は、「行きたいところリスト」の横に、セロハンテープで貼り付けた。


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