どう過ごすかは、「自分で」決める。
集中できない日が続いている。
特に顕著なのが、隙間時間の過ごし方だ。
本を読もうか。
いや、ご飯を作っておこうか。
いやそれとも、寝た方がいいか。
心の声があちらこちらから聞こえてくる。
そして、迷ってしまう。
とりあえずこれと決めてやり始めるも、四方八方から聞こえる心の声は止まることなく。
「やっぱりこっちの方がいいか?」と、やりかけのまま別の道へ向かってしまう。
そして、結局なにもできない。
タイムリミットが来て、気も晴れないまま、次の家事や育児にとりかかりながら、考える。
「さっきの時間、私は何がしたかったんだろう」。
休みたかったのか、遊びたかったのか。
眠りたかったのか、動きたかったのか。
自分の心の声が、わからない。
なにをしたらいいか、決められない。
そういう思考に陥るとき、心の根底には「有意義な時間にしなければ」という、焦りの感情が渦巻いている。
損をしたくない。
せっかくの時間を、無駄にしたくない。
そんなケチくさい思いが強すぎると「じゃあ、最も価値のある過ごし方はなんだ!?」と考えてしまう。
結果、やることをひとつに絞れないまま、時間は無駄に過ぎていく。
もったいないと思っているのに、もったいない時間を過ごしたような気がして、自己嫌悪。
どうやら今、悪循環にハマっているようだ。
こういうとき、よくやってしまうのが「ながら」である。
ご飯を食べながら、イヤホンでラジオを聴く。
それでいて、「note」のアプリも開く。
だけど頭の中では、別のことを考えている。
心ここに在らず。
心どころか、手元すら見てなくて、何がどこにあるのか自分でもよく分からなくなる。
目の前のご飯だってそうだ。
昼食のつもりなのか、おやつのつもりなのかよく分からない、微妙なラインナップを並べてしまう。
ご飯とお茶とおやつとコーヒーを、すべてお盆にのせたりもする。
こういうのって、よくないよなあ。
食べ過ぎにもなるし、お盆の上には欲張りな気持ちが溢れていている。
そんなことをしてしまう自分が情けなくなるし、心も満たされないままだ。
こういうとき大事なのは、「どう過ごすかを自分で決めること」なんだろう。
暮らしの情報発信や商品販売を行う「OURHOME」の主宰Emiさんの著書、『暮らす働く、もっと明るいほうへ。』でも、「自分で能動的に選ぶこと」の大切さが書かれている。
Emiさんの考えでいくと、「なにをするか」という中身は関係ない。
「今日はこれをしよう」と決めて実行できたその選択こそが、自分の気持ちを満たしてくれる。
たしかに、これは分かるなあ。
今の私みたいに、とっかえひっかえ手を出して、何も決めずに過ごす時間は、本当に疲れるし、無駄に終わるもの。
Emiさんは、この「自分で」を軸に、行動されているのがよく分かる。
本書には、Emiさんの提案する「ちょうどいい」暮らしのヒントが39個紹介されている。
本の中ではたびたび、この「自分で」という考えが登場するのだ。
たとえば、「ヒント04」の『「~しておいたほうがいいかな」を、あえてやらない選択」。
Emiさんはこの考えを、人生で一番大事にしているそうだ。
これもまた、「自分で」選択することの重要性を感じておられる話。
専業主婦から仕事復帰される方が、「しておいた方がいいことはありますか?」という質問を投げかけてきた際の答えがこれだったそうだ。
また、娘さんが部活を決める際に悩んでおられるときも、自分で「考える・選ぶ・決める」について話されたそう。
親が「こっちにしたら」と決めるより、子どもの頃から「自分で」選択や決定ができるよう、そばで見守りたいと書いておられた。
これについては先日、わたしも「子どもの選ぶこと」について記事にしたところだったので、共感する部分が大きかった。
ただ、そのあとEmiさんが書いておられた内容に、目から鱗。
それは、『「うまくいった方法は、どうやって自分が導き出したのかな」と考える』という話だ。
つい「あのとき、こっちにしとけばよかった~」など、上手くいかなかった選択のことばかり後悔してしまっていたけど。
これまでの長い人生で、上手くいった選択や決断もあったはずだ。
それは、どういうとき、どんな経緯だっただろう。
そのパターンを知っておけば、次にまた「選択の時」が来ても、自分が納得できるやり方で「考える・選ぶ・決める」ができるかもしれない。
Emiさんは、そのことも娘さんに伝えたいそうだ。
わたしが「うまくいったな~」と思える選択ってなんだろう。
思い返すといろいろあるけど、一番は中学生の頃、将来「この県に住みたい!」と決めて、今の土地で暮らせていることだろうか。
この県に来たから教師になれたし、夫に出会えた。
想定していた都市とは違うけれど、実家を飛び出したことは、間違いなく「うまくいった選択」だった。
Emiさんのことは、本書ではじめて知ったのだが、考え方がとても明るく前向きで、読んでいてたいへんパワーをもらった。
「心」や「気分」に焦点を当てた話も多いはずなのに、怪しいスピリチュアルな感じではなく、論理的で納得するものが多かった。
それは多分、Emiさん自身が何年の「マイノート」をしたためて、自分の暮らしを見直してきた実績があるからだろう。
わたしの暮らしにいかせると感じられる、身近さがあったからだろう。
明日からの隙間時間。
「ながら」で曖昧に過ごすのではなく、「自分で」何をするか決めてみよう。
昼寝でも、noteでも、家事でも、読書でもいいんだ。
そう思うだけで、なんだか心が晴れてきて、明日が楽しみになってくる。
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