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愛犬メイが椎間板ヘルニア|両脚を引きずる姿に家内が号涙

下品と言われようが、何と言われようが、先ず、叫ばせてください!

「ぎょぇ~!」
「3 0 万 円 っ ?!」

世間からも、自身の良心からも「驚いている場合ではないでしょうが!」と非難の声が聞こえて来そうですが。


愛犬のミニチュアダックスフンド女子7歳。
0.5人目の家族と冗談半分で言いながらも、立派過ぎる家族の一員です。

その愛犬が、11/13(土)の朝、突然動けなくなりました。

いいえ動いてはいました。

ガチャガチャと爪が床を掻き空回りする音が部屋中に響きました。

前足と上半身は元気そのもので、何が起こったかも疑うこともなく、痛みがあっても泣き叫ばない内気さからか、大人し過ぎる性格からか、ただただ不便そうに後ろ両脚を引きずって、愛用のハウスから出て来ようとしていました。


「えっ~?」
「どうしたの?」


と二人で愛犬に走り寄りました(走り切るほど広い部屋ではありません)。

慌てて愛犬を抱きかかえると、後ろ両脚がだらりと伸び切って力が入らない状態です。

愛犬の両目からは(いつもよりも多く)涙が滲んでいたように思うのは、きっと気のせいではなかったと思います。

少し様子を確認しようと、絨毯の上にそっと降ろしてみましたが、きょとんと無表情のまま、一生懸命に前足だけで進もうとする悲しい光景でした。

どちらかと言うと、その状態を見た家内の反応の方が大変でした。

「だいじょうぶ?」と裏変えった嗄声(せいさい)で、

涙がボロボロと零れ落ち、座り込んで抱きかかえ、高級毛皮が全て抜け落ちてしまうのではないかと心配するほどに、頭、背中、脚を撫で続けました。

一緒に感傷的になっても仕方ないと自身に言い聞かせ、誰も見たくないクールさを維持し続けた自分を悲しく思います。

家内は、難病とされる多発性硬化症(他、生活習慣や薬の副作用も含め多数の患いあり)に苛まれ、約20年間もの期間を車椅子に頼って過ごして来ました。

幸いな事に本当に奇跡的に、約1年前に伝い歩きができるようになりました。

(何故?と言う疑問は当然ですが、その答えを表現し説明できるならば、それでご飯を食べれるかも知れません。)

長距離や長時間、早歩きなどは勿論できませんが、それでも車椅子に完全依存だった生活が一変したことには間違いありません。

そんな喜びを振り返りながら日々の有難さを噛み締める矢先だったため、家内にとっては、「驚愕・衝撃」でその辛さが痛いほどに理解できるだけでなく、


「愛犬が身代わりになったのではないか?」、
「不幸を背負ってくれたのではないか?」


と感情を乱してしまったのです。


仕方がありません。

24時間、365日、衣食住、喜怒哀楽を共にしている家族ですし、7年前に命の期限ギリギリのところで、譲渡犬として引き取りを即決した本人でもあるため、思いは複雑過ぎたのでしょう。

愛犬は生まれながら元々全脚の関節が弱く、歩く様子がヒヨコさんの様なヨチヨチ歩きに見えます。
風を切って長い耳をダンボの様に靡かせ、颯爽と走ることはできないのです。

これが原因で、ペットショップでの売物には成れず、生まれた場所で虐待を受け(軽率に扱われ)、ビビリで目を合わせることもできない臆病犬となった挙句、処分対象として命の期限に曝されることになったのです。

家内は事あるごとに、当時の愛犬との出会いと、即決に至った瞬間を思い出して熱く語ってくれます。
その出会いの瞬間からずっと、常に自分の状態と照らし合わせて愛犬を見守って来たのです。

普通に可愛い!癒される!モフモフ!とは少し次元が違うのです。

涙の深さが別世界だと、私は感じました。

やはり、難病によって20年間車椅子に頼ってきた家内にとっては、その痛みや苦しみ、不便さ、悔しさ、自責、焦り、諦めなどを一刻も早く忘れ去りたいという感覚が一気に襲いかかったのです。途轍もなく長く重過ぎだ記憶の再燃でした。


愛犬メイ。突然歩けなくなった。椎間板ヘルニアの診断。痛い!って言えばいいのに!  #ミニチュアダックスフンド #椎間板ヘルニア #動けない #小さな命
https://youtu.be/6ZnZB2HG16o


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「病院!」「病院!」

こちらへの引っ越し後に2度目のお世話となる動物病院に電話しました。

直ぐに診てくれるというお返事。有難き幸せ。

しかし、情けなくも休職中の身ということもあり、診療代が気になり心細い。

(か弱いとはいえ、元気過ぎる愛犬の状態に甘えて保険へは加入していない。6種混合ワクチンは摂取済み。)

前回の診察時にはワクチン摂取を含め1.7万円と決して安くはなかった。

今回は一大事さが違うので心配で仕方なく、「万が一の場合は月賦でもいいですか?」

と打診する始末だった。

それでも快く、「大丈夫です!直ぐに連れて来てください。」

と優しい言葉が返って来た。


このお世話になっている動物病院は、診察内容も優しく丁寧で、専門辞書を開いて状態を説明したり、治療方針と診療代の選択肢を複数挙げて提案をしてくれたりと、人の診察場面よりも愛情に溢れているように感じています。
余談ですが、GoogleMapの口コミ投稿にて、当然五つ星評価と最高の称賛言葉を駆使して感謝の気持ちをお伝えさせて頂きました。


診察は、外観検査、触診、痛み止めの注射だけで済んだのですが、

症状からは「ミニチュアダックスフンドにありがちな椎間板ヘルニアの可能性が大きい」とのこと。

一先ず、それ以外の症状や弊害がないか、「3日間の安静と服薬により様子を診てみましょう!」と言うことになったのです。

病状としては楽観できず、将来の完治と照らし合わせると致命的らしい。

「がっ~ん!」

衝撃が走った。

もう、普通に元気に歩く姿は見れないのかと。

何よりも、愛犬自身が自由に気ままに動けないのかと。

その動けない状態、将来も悲観的な状況が待っていることも理解できず、ただただ疑問を抱くことなく、一生懸命に両脚を引きずる無垢な愛犬の気持ちを想像すると(あまり涙を浮かべたりはしない方だが)、目頭が熱くなりました。


3日目の朝は、血尿から始まった。

丸々3日目、排尿がなかった事もあり、ペットシート(ワイド型)で断続的に6枚ほどを使い捨てた。

安静を言い渡されていた愛犬をケイジに閉じ込め、本人も分かっているのかお気に入りの毛布に頭を突っ込んでひたすら眠っていた。

ほとんど身動きができなかったせいか、膀胱が限界まで膨れ上がり内面が剥がれ落ちたために血尿に至ったようだった(この後の診断の結果)。

丁度、診察の日だったので、ペットシートでお尻を包み込むように抱えて病院へ向かった。

診察台に大きなペットシートを広げて、獣医師と助手の方が丁寧に優しく下腹部の押さえ方を私たちに指導しながら、たくさんの排尿を促してくれた。

赤茶けた尿が大きなペットシートにどんどん拡がった。

エコーと血液検査の結果からは、細菌も見られず命の別状はないようで、「排尿だけを1日に3回無理なく促してください。」とのことだった。

喉の渇きを誘発する薬も控え、細心の注意を払ってくれた。

排尿が芳しくなく血尿が続くようなら入院の覚悟も、もしくはカテーテルを利用しての寝たきりを覚悟する必要もあるという安心できない状態ではあった。

下半身に麻痺が至るようならば、最悪、垂れ流し状態も覚悟という結末の一つも聞かされた。


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そして、本題の今後の診療(治療)方針の説明を受けた。

結論的に選択肢は2つ。

①入院覚悟の手術により椎間板ヘルニアを治療する(60km離れた設備の整った関連施設が前提)。
ただし、完治の保証はなく、痺れや痛みが残る可能性もある。
また、7歳で決して若い部類ではないため、他の治療も付随して発生してくる。

②手術は行わず、ミニチュアダックスフンドの運命と理解し、車椅子を装着することで自由度を与えてあげる。


気になる費用は、

①については、ざっくりとした治療代の見積額は、何と「30万円」
前後の事前準備やリハビリのことを含めるとこれでも不足するかも知れない。

②は車椅子だけの器具代と考えれば、ネットで「2万円前後」で手に入れることができる。


愛犬の状態を想えば、一刻も早く楽にしてあげたいのは山々だが、即答(方針)を決めきれず、「症状の経過も見守りながら検討しましょう。」と言うことになった。


食欲はそこそこ、水もしっかり口にし、とにかく、べら棒に眠りまくる。

流石に無防備にお腹を天井に向けて、大の字で眠る光景を見ることはできないが、寝顔は優しく痛みなどによる苦しさはないようだ。ここでの表現は不吉だが安らかにも見える。

これまでのように茶化して、甘噛みする野生美を引き出す気にはなれなかった。


4日目にして、ようやく大便の自然排便もできた。

もちろん両脚で踏ん張ることはできないため、床に擦りつけるようにムニムニと生み出す感覚で排便する。

臭いも始末も大変ですが、臭さの塊を目視し確認できることと、排便できた喜びが勝ってしまって、むしろ感謝と尊さを感じる瞬間でした。

愛犬には気の毒ですが、落ち着いた後には浴室でしっかりとシャンプーとシャワーをさせて頂きました(ごめんね。突然シャワーは嫌だよね)。


下腹部の膨満感もすっきりしたせいか、今日の夕ご飯時には積極的にしっかりと食べ、しっかりと水を飲んでいました。

そして今、しっかりとお気に入りのプーさんの黄色い毛布に潜り込んで眠っています。


完治という希望が薄いことを感じながらも、とにかく元気で生きていて欲しい。

毎日24時間の表情交換をさせて欲しいと、心から願っています。


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家内は医療機関で処方できる限界の痛み止めと睡眠導入剤、睡眠薬に完全依存で毎晩の眠りに就いています。

ちなみに、家内は第一段階の睡眠導入剤を16時頃に、最終の睡眠薬を19時頃に飲むのが習慣になっていて、今はぐっすりと、火事が起きても気が付かない程に深く就寝中です。


テーブルに座ってパソコンを触っていると、愛犬がプーさんの毛布からズリズリと抜け出して来て、私の顔を見上げ、ふら付きながらも恒例の狛犬座りで姿勢を正そうとする。

これには二つのサインがあった。

見落としていたが、もう一つ広げておいたペットシートの上に排尿の跡が残っていた。
(パソコンに夢中になっている内に、静かに済ませたようだった。)


「偉いね~。一人でちゃんとできたのね。」
(薬が効いているようで、褐色ではない尿だ。)


頭から背中を撫で撫ですると、今度は水だった。

自力で50cm程離れたトレイにまで体を引きずり、体の確度を整えて「ペチャペチャペチャ」とたくさん水を飲んだ。


そして、今夜はもう一つお願いがあるようだった。

もう眠るようにとプーさんの毛布を頭から掛けてあげると、嫌や!嫌や!モコモコと顔を出して私を見つめ返してきた。


「はい。了解。OKよ!」
「ずっ~と一人でケイジで安静だったもんね。」
「ウンチもオシッコもちゃんと出来たし、お利口さんね。」
「今日はベッド(特設で床にベッドマットを敷いた)で寝ようね。」


と抱えて家内の足元に降ろしてあげると、「ここ!ここ!」と言わんばかりに嬉しそうに家内に寄り添うように毛布に潜り込んで行った。


普段からお行儀はいいので、自力で排尿と排便の感覚を取り戻しさえすれば、一先ずは半歩でも快方に好転と期待できる。

同じミニチュアダックスフンドで、首から下の麻痺によって一生寝たきりの選択をしたというワンちゃんと飼い主もいると聞かされた。

比較することは心苦しいが、我が家の愛犬の状態は未だ救われている方なのかも知れない。


ようやく大騒動による緊張感も解け始め、冷静に物事を思考できるようになって来た。

愛犬のことをnoteに書き出せるようになったことが、その証のようでもある。


治療方針と治療代については、大きな課題として残っているが、今日は「楽観の部屋」の特別金庫にしまっておこうと思う。



追伸

11/11(木)にtwitterで「譲渡犬。命の期限が11/12(金)」とされたツイートに遭遇し、諸々の無理を押し切って行動に移したことが、心の暗雲となっている。
結果的には、他の愛ある里親によって無事に引き取られることになったが、病状発症寸前だった愛犬を引き連れて一泊二日の車中滞在となったことが、心身への負担となったのではないだろうか?
または、愛犬から私たちへの心の叫び(メッセージ)として、

「他のワンちゃんの命も大事だけど、最初に私のことを忘れないで!」

との訴えだったのだろうか?と考えさせられる。


確かに、偽善で他のワンちゃんの命を追い掛けることなどはできない。
運命を感じ、ご縁を感じ、何かに取り憑かれたかのように盲目になって命を追い掛けてしまう。
夫婦二人が犬好きなのと、過去の犬とのたくさんの思い出や想いが深いためだと感じる。

生活に余裕がなくても、後先を構わず行動に出てしまうことが正解か否か。

「先ずはとにかく、その瞬間から救い出してあげたい!」

その気持ちが、一番大切な身近な存在の愛犬にマイナスの効果を与えたのなら、何とも表現しようのない寂しさに襲われてしまう。

また、人の身勝手な生活スタイルや嗜好によって掛け合わされた犬種(ミニチュアダックスフンド)は、自身の命と引き替えに、身体構造的な脆弱さを受け入れている。
胴長で小さくてガツガツ走り回らない(走り回れない)ソーセージ型(こんな表現もあるらしい)の愛嬌さが優先される限り、この悲劇が世界中の何処ででもいつでも起こり得、実際に多くのワンちゃんが苦しんでいるのだと考えると胸が絞まる思いだ。

全ては、人間中心の身勝手わがままに起因している。
掛け合わせる人。買う(飼う)人。捨てる人。手放す人。拾う人。譲る人。救う人。
私たちも蚊帳の外ではなく、実際にその姿形と愛嬌さを含めて容認している張本人だ。

「ミニチュアダックスフンドの掛け合わせを止めましょう!」などと大逸れた訴えはできないが(やってみたいが)、せめて目の前の尊い命を、そしてお役所的発想と制限となる2頭飼いまでとなるもう一つの命を、ささやかではあるが、私たちの手で救い、そして最後まで全うさせてあげたいと思う。
それが私たちができる限界であり、宿命だと感じる。


精神論、感情面だけでは立ち向かえはしない。
経済的余裕と受け入れ環境(住施設)も、しっかりと確保しなければならない。

この一週間は、これまで触れることがなかった、愛犬との重要な向き合い方の機会となった。

愛情という言葉も軽率と感じる程、愛犬の小さな命が尊くて貴重で仕方がない。


心を患っての長期休職(退職は視野内)という状態は、社会的立場で見ればドン底状態だが、拘束されない時間の恵みによって、これまで考えたこともなく気付く余地もなかったことに、たくさん出会え、触れることができた。
このことは、私にとっても夫婦二人にとっても、残り僅かな人生かも知れないが、掛け替えのない共感し称え合える「心の宝物」になるだろうと確信している。


心の整理整頓と準備は整って来た。
後は生活を支える新たな仕組み作りだ。


自分を生かし、そして家族としての2.5人(近未来には2.5人+0.5人)を守るためには、「もうサラリーマンでは無理だ!」と強く感じる。


最後までお読みくださり、ありがとうございました。

心から感謝し、お礼を申し上げます。




* * * * *
※この記事の悩みどころ(表現として判断に迷った事などをメモし始めました)
・昨日まで元気だった愛犬が突然に動けなくなる衝撃。白髪も皺も2~3倍増えました(苦笑)。



※参考・引用

<イメージ写真>
・スマホで撮影した画像を利用しています。



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①#才の祭『2人の愛の物語(小説)』の応募は、
🌈11/14(日)~11/23(火)まで🌈
メインテーマ:『2人の愛』
サブテーマ:『クリスマス・贈り物』

みんなで作る、クリスマスの創作【企画紹介】
https://note.com/l3l3xu/n/na4e0a2888a77


②サンタにもなれます!  は、ご好評のうちに終了となりました。

可愛くて素敵なアイコンを作って頂けます。【11/17(水)まででした】

●才の祭サンタさん集まれ●【クリスマス企画】
https://note.com/rira_ikeda/n/n3516ffe8c2c6


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