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誰かの手を借りて見えた世界の優しさ【子育てポジティブキャンペーン】

「誰か手を貸してください」
その言葉を思い切って言ったら、びっくりするくらい周りが親切にしてくれた。世界はこんなに優しいんだと驚いた。



年末のこと。私は、2人の子どもを連れて、一駅先の小児科に行くために電車に乗ろうとしていた。

いつもは大人ひとりで子ども2人を連れて電車に乗るときは、弟ちびにーくん(10か月)を抱っこ紐の中に、姉ちびちーちゃん(2歳)をベビーカーに乗せての移動。その方が電車の乗り降りが大人のタイミングで1回で済むから。

けれど、その日は、ちびちーちゃんが「あるく!」の一点張りでベビーカーに断固として乗らず、ちびにーくんが乗っていた。私は片手でベビーカーを押しながら、もう片方の手で2歳のちびちーちゃんと手をつないでいた。


改札を抜けたあたりで、どんどん不安になった。


この状況で、どうやって電車に乗ればいいだろう。



駅のホームと電車は少しスキマがある。大人は余裕でまたぐことができるけど、2歳のちびちーちゃんはたぶん怖がってひとりではまたげない。落ちたら線路だと思うと、ちびちーちゃんに自力で電車とホームのスキマをまたいで電車に乗るという選択肢は怖くて取れないと思った。



シミュレーション①
電車が到着してドアが開いたら、ベビーカーをロックして先にちびちーちゃんを乗せる。私だけ電車から降りて、ロックしたベビーカーを外して電車に乗せる。

シミュレーション②
電車が到着してドアが開いたら、ちびちーちゃんにその場で待つように伝え、先にベビーカーに乗ってるちびにーくんを電車に乗せる。その後ベビーカーをロックして、私は電車を降りて、次はちびちーちゃんと電車に乗る。

お目当ての電車が到着する前に2つの案が思いついたけど、どちらにしても、電車の乗り降りの最中に、一瞬子どもから目を離してしまうタイミングがある。

それが怖くてたまらない。



どうしよう。どうしよう。どうしよう。



悩んでいたら、電車が来てしまった。



どうやって電車に乗ろうか、頭の中はまだ答えをだしてない。私たち家族が住む東京からそう離れていない埼玉の駅は、平日の午前中でもホームに電車を待つ人はちらほらいた。


電車がやってきて、停まって、ドアが開く。頭の中は真っ白だった。


「誰か手を貸してください」


そう大きくない私の声に、大学生らしき若い女の子、私の母くらいの女性の2人も駆け寄ってきてくれた。


「ベビーカーを電車に乗せる少しの間、子どもを見ててほしいんです。」


と、伝えた私に、笑顔で「いいですよ」と言ってくれて、ちびちーちゃんのことを見ててくれた。



困った顔をしておろおろしていたときは、誰も助けてくれなかった。いくら察する文化が根付いている日本だといえど、当たり前だと思う。それで誰も助けてくれないと肩を落とすのはちょっと違う。


「誰か手伝ってください」と言葉にしたら、ちょっと離れていたのに若い女の子が駆け寄ってきてくれた。母くらいの女性もすぐに手伝ってくれた。人の優しさや親切はすぐそばにあった。なんて優しい世界だ。



これからも、私はひとりではどうもいかなくなったとき、積極的に人の親切や優しさに甘えようと思う。たくさん「ありがとうございます!助かりました!」を伝えていく。

そんな私の姿から、子育てっていいなって思う人が1人でも増えたらいいな。

私もいっぱいいっぱいな子育てが少し落ち着いたら、同じく子育てをしている家族をサポートできる人になりたい。



たくさんの親切と優しさをどうもありがとうございました。



明日もいい1日になりますように。




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