見出し画像

保護者に初めてときめいた話【保育士の本音】

「先生、手遊び教えてください!!!!」

毎朝、かっちりしたスーツを着こなして背筋をピンと伸ばしているママ。髪はいつもぴたっとしたまとめ髪。いつも急いでいて、忙しそうだという印象があった。ある日のお迎えのときに、当時まだ独身保育士だった私に食い気味で手遊びのレクチャーをお願いされたときは本当に驚いた。


送り迎えの子どもとの対応もクールで、服装のこともあって、手遊びと縁遠そうなママだと思っていたから。(これは私が勝手に抱いていたイメージだったけど)


お話を聞くと、子どもがおうちで手遊びを披露してくれるんだけど、舌足らずで何言っているかわからなくて、曲もわからなかったそう。
検索してみようと思っても、原曲もわからなければ、なんのキーワードを検索窓に打ち込めばいいかわからず、お手上げだった。

ええい、もう聞いちゃおう!と思って保育士に質問してくれたみたいだった。



ちなみに、質問の答えの手遊びは「いわしのひらき」でした。

たしかに、独特だし、原曲があるわけじゃない。
お子さんは「ずんずんちゃっちゃ」ははっきり歌うらしいけど、その他はさっぱり何言っているかわからなかったみたいだし、これは質問しないと答えにたどり着けなかったと思う。




保育園で送りは早くて、お迎えは遅くて。ママの保育園での様子もいつも忙しそうで笑った顔はほとんど見たことがなかった。連絡帳のコメントはいつも「今日もよろしくお願いします。」の一文だったし、保育園での様子を伝えても「そうですか。ありがとうございました。」くらいで、とにかくクールな印象だった。

そんなママが、おうちでは子どもが見せてくれる手遊びをもっと知ろうと思ってくれて、検索までして、保育士に質問もしてくれた。

見えているもの、態度に出ているものは、その人の内のほんの少しなんだとこの時思った。



私は、この一件をきっかけに、そのママのファンになった。お子さんがハマった手遊び歌があると連絡帳でお伝えしたり、YouTube検索でヒットするワードを教えた。

独身時代の特に新人の頃は正直、保護者全体に苦手意識があった。みんな忙しそうで、今日園であった出来事をお伝えすることが怖かった。

でも、この一件から保護者対応が好きになった。
保護者に対して「この子どもの関わり方いいな」「声かけが素敵だな」「ときめく~!」という感情が生まれるようになった。子どもたちに「かわいい!」「好き!」と思うのと同じレベルで、保護者に「神対応…!」「すてき…!」とときめいている(笑)



普段保育園に送り迎えしているママやパパ。
もしかしたら、保育士というファンがついているかもしれませんよ。

なんてね。



明日もいい1日になりますように。


この記事が参加している募集

いただいたサポートは、1000円をこえたら家族でおやつパーティーを開かせていただきます。その様子をまたnoteにupしますね^^いつも読んでくださり、どうもありがとうございます!