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教育版2025年の崖:情報教育をめぐる動向

今日は当会が提唱している「教育版2025年の崖」についてお話ししようと思います。

経済産業省の「DXレポート」では、2025年に日本の経済界においてさまざまな課題が顕在化し大きく競争力を削ぐと予想し、これを「2025年の崖」と呼んでいます。

日本の企業が古い体質、業務、システムを変えることができずに進んでしまった結果、取り返しがつかない状況になってしまうとしています。

実は2025年は大学入試においてもターニングポイントとなる年です。

現在大学入試においては様々な制度改革が行われています。

2022年度の高校1年生以降の年代、そして浪人生が影響を受けます。

教育改革の流れを意識せずに高校1〜2年生を過ごしてしまうと高校3年生になってから取り返しのつかないビハインドを負ってしまいます。

特に最も大きな変化は「情報(情報I)」が大学入学共通テストに出題されることです。

共通テスト全体としては5教科7科目から6教科8科目へ再編され、受験生にとっては受験科目増に繋がっています。

しかしながら、情報教科の指導力のある教員不足、教育関係者の認知不足で「情報I」の内容が学校でしっかり教えられていなかったり、入試に課されない“副教科”のような指導のされ方をしています。

しかし、2025年度入試以降、国立大学を志望する生徒は「情報(情報I)」の受験が原則必須となり、公立大学もこれに追従しています。

さらに、私立大学においても早稲田大学など主要大学で「情報」が出題されることが発表されています。

学校の授業で習っているうちからしっかりと「情報I」に取り組んでいた生徒と、共通テスト直前になって勉強を始めた生徒で大きな差がつくことが予想され、当会ではこれを「教育版2025年の崖」と呼んでいます。

また、大学1年の教養科目で取り入れられている「情報」の授業は、「情報I」導入に伴いレベルアップした内容になります。

高校で「情報I」をしっかり学んだ生徒とそうでない生徒では、大学受験だけでなく、入学後のIT活用・データ活用力で差が出てきます。

最終的にその差は社会人になって仕事をしていく中でも活躍度合いの差として現れてくるでしょう。

いくつかの国立大学が2025年共通テストで「情報」に配点しない方針を発表したことで、「やっぱり情報はやらなくて良いんだ」「情報は結局導入されないんだ」と誤った噂が流れています。

2025年は浪人生との差を意識した措置であり、今後将来的に情報について学ぶ必要があることに変わりはありません。

世界を見れば、もっと早い年代からしっかりと情報について学んでいます。

これからの学校教育で情報についての学びが増えることはあっても、減ることはないでしょう。

その転換点が2025年であり、しっかりとこの流れを理解して勉強できた生徒と、そうでない生徒で残念ながら大きな差がついてしまう。

当会ではできるだけそうならないように、今後も客観的な情報発信を続けていきます。


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