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夏はすごいけど僕には眩しすぎた

夏はすごいよな

そう言葉を漏らしてしまうほど、
夏の幕引きはしぶとかった。

9月に入り、秋の始まりを知らせる涼しい風が吹いたかと思えば、次の日は何事もなかったかのように、大きな入道雲を空に浮かべてる。

「まだ夏は終わってない」

という気持ちを誇示するかのように、太陽を高々と昇らせる。

夏はまだこの暑さを終わらせる気はないらしい。


夏は明るい時間が長い。
照らして欲しくない部分もぴかぴかと、
まるで「答えを示せ」と言わんばかりに照らされてる気分になる。

だから、ちょっと疲れる。
眩しい。隠れたい。隠したい。隠せない。

そんな気持ちで夏は窮屈になったりする。
僕は自信がないからな。

秋の涼しい風を浴びると、心の奥で隠れていた切ない気持ちが
「夏の終わり」と勘違いして、少しずつ表に顔を見せはじめる。

でも、昼になると太陽は高く昇る。
見られたくない部分も露わになる。

心が表に出たり隠れたりを繰り返す。
気分の浮き沈みが激しいのは、夏の終わりのせいかもしれない。

もうすこし。
もうすこし。

でもそうだったとしても、こんなに夏を悪く言うと可哀想に思えてきたな。冷たい気持ちをいつもあたためてくれたのだって、夏なんだから。

ごめんよ、夏。
愛してやれなくて。
今年はちょっとだけ好きになれた、ありがとう。

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