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博物館動物園駅をゆく2(東京)

(前回はこちら

ようやく到着。博物館動物園駅です。封印された扉が今開かれるッ!


音量注意!

この独特の雰囲気。上野は恩賜公園(天皇陛下からの賜りもの)ということもあり、非常に豪奢な作りになっています。
階段を下りていき、ホームにまで立ち入ることができるとか、感動です。


音量注意!

なんだろう、この昔の女神転生みたいな感覚は。

このアナウサギとか初見ではまったく理解できないと思います


昔の案内板。ここはたしかに時が止まっている


このタイポグラフィも時代を感じさせます


片隅には反対側ホームへつながる地下連絡通路があった。ものすごい誘惑にかられたけど、大人なのでなんとか踏みとどまった。立入禁止だったし。でもこの先に何があるのか?(知ってるけど)


音量注意!

ホームのはずれは薄暗く、やはり立入禁止ではあるんだけど、METROシリーズのような世紀末感に惹かれてふらふらと足が勝手に動いていく。


列車が通過するとき以外は音もなく、普段ならだれもいるはずのない空間。18年前の4月、この駅は扉を閉ざして外界との接触を断った。以来、車窓から眠っている駅の姿が走馬灯のように一瞬見えるだけで、声をかけようにもすでにその姿は闇の中に消えている、そんな感じ。


階段を上がった中二階には貴重な写真が壁に飾られていました


たとえばこんなのとか


プレートとか


手書きのシュールな地図まである。博物館と動物園へのルートが載っている。(・∀・)イイ!!


音量注意!

壁や天井の装飾も素晴らしく、職人の誠実な仕事っぷりがうかがえます


ここは平成9年に休止、そして16年に廃止された


お父さんに動物園へ連れてきてもらった子どもの頃の想い出


みんなの大切な記憶がいっぱい詰まった駅だったんだろうね


もうこれで終わりだということはわかっているけど、言葉に出すとそうなっちゃうから


いまはバカやって笑い飛ばすことしかできない


でも、もしかしたら……


階段を上り、壁の意匠に見とれ


サイレントヒルっぽいテクスチャに感心しつつ入口へ向かう



おもてに出てきました。今回の見学はこれで終了。
なんだろう、ちょっと不思議な体験でした。駅っていろんな思いがたまる場所だよね。電車を降りてこれから動物園へ向かうときのわくわく感や、1日遊び疲れてへとへとになりながらも、帰りしなに感じるもうこれで終わっちゃうのかという寂しい感覚とか。
誰かと出会う場所であり、待っている場所でもあり、別れの場所でもある。
みんながこの駅にそれぞれの想いを預けていて、別れを惜しむあまり思わず吐露したのがあの壁のらくがき。

結局そのあと駅が復活することはなかった。でも、それでよかったんだと思う。駅は動かなくなったけれど、あのらくがきを書くことで自分に区切りをつけ、みんなそれぞれ先に進む決心がついたのかもね。そしてやがて大人になり、いつのまにか駅を見守る側になった。

戻ってきて久しぶりに再会した駅は、記憶の中の鮮やかな壁画がすっかり色あせていて、こんなに狭かったっけとあっけにとられるほどに余裕のないプラットフォーム。すでに停まる列車もなく、何を期待されるわけでもなく、ただ静かにそこにあるだけ。
なのに、おれたちを見つけたときの「よお、久しぶりだな、ぼうず」といって笑った顔は昔のままだった。

やっぱり、来てよかったです。