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「馬鹿になろう」は校風なのか–−『未決囚十一年の青春』を読んで

法政大学出身の革命家としては、死刑判決を受けた大道寺将司、益永(片岡)利明が有名だが、荒井まり子も忘れてはいけない。
荒井まり子が獄中で書いた『未決囚十一年の青春』はベスト・ノンフィクションにも選ばれた名著である。

魯迅の寓話「賢人と馬鹿と奴隷」を読んで、「馬鹿になろう、馬鹿になろう、歴史を切り拓くのはこうした馬鹿たちなんだ」と革命運動に参加し、獄中で「私もやっと馬鹿になれました」と総括したこの先輩に、私は何よりも親しみを覚える。これが法政大学なのだ。私の学友もみんな馬鹿だった。法政は馬鹿でいいのだ。


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