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ドイツ語の学習手帳

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僕なりのドイツ語の勉強法や文法に関する記事をまとめています。良ければ読んでいただければ嬉しいです。
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#ドイツ語文法

【ドイツ語文法】名詞の格変化(9)~不定冠詞:中性形・女性形~

【ドイツ語文法】名詞の格変化(9)~不定冠詞:中性形・女性形~

だいぶ更新が遅くなってしまい、失礼いたしました…。
今回は前回に引き続き、不定冠詞の格変化を見ていきたいと思います。

さて、前回の男性形では、「が」の部分を除き、全て定冠詞と語尾の形が一致する、ということをお話してきました。

そして、「が」の部分には語尾がつかない、ということもお話ししました。

実はこの「語尾がつかない」点が、不定冠詞と定冠詞の格変化の決定的な違いなのです。それ以外は変化の仕

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ドイツ語の「敬語」

ドイツ語の「敬語」

ドイツ語を勉強したての頃に、2人称の「あなた」にあたる表現に2つあることを習います。

これはドイツ語に限らず、ヨーロッパの他の言語にも見られる現象です。
2人称が「you」1つしか無くなってしまった英語を基準に考えると、不思議に見えるかもしれません(英語にも昔はこの違いがありました)。

ドイツ語には、親しい間柄(親称)で使う「du」(複数形は「ihr」)と、改まった表現(敬称)の「Sie」(複

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【ドイツ語文法】名詞の格変化(5)定冠詞・女性形

【ドイツ語文法】名詞の格変化(5)定冠詞・女性形

さて、今回は定冠詞の女性形の格変化です。

定冠詞の性は名詞の性に合わせるので、格変化の説明には女性名詞が必要です。

男性形の話で「犬」を引き合いに出したので、今回は「猫」にしましょう。
猫はドイツ語で「Katze」です。
どことなく、英語の「cat」に似ていませんか?

さて、格変化は、大きく分けて「男性形&中性形」と「女性形&複数形」の2つのグループに分けられます。

それぞれのグループ内で

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【ドイツ語文法】名詞の格変化(4)定冠詞・中性形

【ドイツ語文法】名詞の格変化(4)定冠詞・中性形

前回はようやく定冠詞の男性形の格変化の説明ができました。
今回は、定冠詞の「中性形」の説明をします。

女性形よりも先にこちらを説明するのは何故かと言うと、
中性形は男性形と変化がよく似ているからです。

冠詞の性は名詞の性に合わせます。
そのため、冠詞の中性形の説明には中性名詞が必要となります。

私は「馬」が好きなので、そのドイツ語「Pferd」を使いましょう。
「Pferd」は中性名詞です。

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【ドイツ語文法】名詞の格変化(3)

【ドイツ語文法】名詞の格変化(3)

今回で4つめの記事ですが、殆ど格変化表が出てきていません。
ようやく今回から登場するはずです。

それでは、今回からは「定冠詞」の格変化です。

念のために繰り返しますが、
「格」があるのは名詞のほうです。
ドイツ語の名詞は、必ず4つある格のうちのどれかの形をしています。
ですが、名詞の形からはほとんど格が区別できません。
そのため、冠詞や形容詞と言う、別の単語の力を借りて「格」を示します。

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【ドイツ語文法】名詞の格変化(2)

【ドイツ語文法】名詞の格変化(2)

さて、名詞の格変化の話の続きです。
ですが、実際には「冠詞」や「形容詞」の格変化です。

タイトル詐欺みたいな記事ですが、ドイツ語の名詞は「格」があるのに自分からはその「格の違い」を見せたがらないので、冠詞や形容詞と言った別の単語(品詞)を見ないと格が分からないということは、前回お話したとおりです。

さて、「冠詞」と「形容詞」と一言に言っても、色々種類はあります。

まず、「冠詞」の中には、「定

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【ドイツ語文法】名詞の格変化(1)

【ドイツ語文法】名詞の格変化(1)

さて、早速名詞の「格変化」を見ていきましょう。

前回「犬」という日本語の単語を出したので、せっかくなのでこれに対応するドイツ語を例に出しましょう。

なお、前回お話しした通り、ドイツ語には厳密には「犬」という日本語の単語にぴったり合う単語はありません。

ドイツ語の名詞は常に4つの格のどれかを持っているので、
「犬が」「犬を」「犬に」「犬の」
という単語はあるけれども、助詞のない「犬」という単語

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【ドイツ語文法】名詞の格変化(はじめに)

【ドイツ語文法】名詞の格変化(はじめに)

こんにちは!
ドイツ語の世界へようこそ!

今回から、名詞の格変化について記事を書いていこうと思います。

初回はまず、「格」についての入門的な話をしようと思います。

そもそも「格」とは何なのか?
これは、ドイツ語の名詞が文の中で持つ「役割」のことを意味します。

日本語でも「格助詞」という言葉を聞いたことはないでしょうか。
「が」「を」「に」「で」と言った助詞のことです。

日本語では、助詞を

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【ドイツ語】「als ob」の後ろは接続法Ⅱ式?Ⅰ式?

【ドイツ語】「als ob」の後ろは接続法Ⅱ式?Ⅰ式?

こんにちは!

初級ドイツ語文法を学んだ際に、「als ob」(まるで~かのように)の後には接続法Ⅱ式が来ると習った方が多いのではないかと思います。

なお、いきなり本題からずれますが、この「als ob」の代わりに「als」1つだけを使うこともできます。
ただし、この際には語順が変わり、「als」の直後に動詞が来るようになるので、ご注意を。

個人的にはこの2番目の構文をよく使っています。
1番

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【ドイツ語の文法】格変化とは

【ドイツ語の文法】格変化とは

ドイツ語の文法、今回のテーマは「格変化」です。

難しそうに聞こえる用語ですが、実は皆さんが英語を学んだときにも「格」という言葉は聞いたことがあるはずです。

そう、人称代名詞の「I」「my」「me」「mine」を勉強する際です。

人称代名詞を学ぶときに、「主格」「所有格」「目的格」という言葉を習ったと思います。

英語の場合、格は3つあるわけです。

しかし、英語の場合は、格ごとに語の形はあま

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【ドイツ語】vorbereitenとsich vorbereiten(再帰動詞)

【ドイツ語】vorbereitenとsich vorbereiten(再帰動詞)

こんにちは!
今回は「準備する」を意味する「vorbereiten」と「sich vorbereiten」の違いについて書こうと思います。

例えば、「来週のテストの準備をする」という時、
他動詞の「vor/bereiten」と、再帰動詞の「sich vor/bereiten」のどちらを選べば良いでしょうか?

答えは、「立場で変わる」です。

「テストの準備をする」という日本語、
視点によって2

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【ドイツ語】3格は面白い

【ドイツ語】3格は面白い

今回の記事は、以前書いたこちらの記事の内容の続きと修正です。

ドイツ語の3格は面白い格です。
何気ない動作に「真の意図」があることを、教えてくれるからです。

Ich klopfte auf seine Schulter.
Ich klopfte ihm auf die Schulter.

どちらも日本語では「私は彼の肩を叩いた」です。
どちらも文法的に正しい文です。
さて、この2つの文、違

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【ドイツ語】接続法II式《現在》(その3)

【ドイツ語】接続法II式《現在》(その3)

こんにちは!
今回も接続法II式の話をします。
ちょっと間が空いてしまってすみません。

作り方の話はしたので、次に用法の話を…と思ったのですが、ちょっと今回は「雑談回」にします。

「接続法」をこれから学ぶ方、学んだけれど苦手な方に、知っておいていただきたいことを書こうと思います。

そもそも「『接続』法」って?そもそもの話をします。
「接続法」というネーミングの意味から。

「接続法」はドイツ

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【ドイツ語】接続法II式《現在》

【ドイツ語】接続法II式《現在》

以前から何度も取り上げていますが、
今回も接続法II式「現在」を取り上げたいと思います。
(もう少し「作り方」に重点を置いてみようと思います)

苦手意識を持つ方が少なくない接続法II式。
ですが、遠慮がちで思いやりのある我々日本人には、
切っても切れない関係にある、接続法II式。

実は、全ての動詞でこの形を覚えておく必要はありません。
では、どの動詞を覚えたら良いのでしょうか?
それを早速見て

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