#24 「恋バナ」1

恋愛話をしていると、ふと自分の人生を振り返ることができる。
成長、感覚。
何よりその時の行動について、【こうすればよかったんじゃないか】と思いながら、
話すことができる。

赤裸々…

こういう時本当に不器用って損だなって思う。
語彙がないというか、なんというか。
そして、よくないのが【共感・賛同】を得ようとする。
だけど、俺は別にそんな気はないから、静かに聞いてくれる彼女に敬意さえ感じた。

「それで、それで?」
彼女はなぜかキラキラしていた。
やはり、女性は【恋バナ】が好きなのかなと。
「1月のある日曜日河川敷でさ、ラグビースクールでお世話になった先生たちのチームがあってさ、それに行ったんだよ」
「クラブチーム?かな?」
「そうだね。ラグビーを生きがいにしている【おかしな】大人の集まりだなー今思えば(笑)」
というと、
「たしかに、あんな痛いことを【生きがい】にしてたら…確かに(笑)」
「それで、その帰りの電車でさ、綺麗な人がさ目の前にいるわけさ。」
「で、で、でー!」
「まーまー(笑)
見たことあるんだよ。大人っぽいんだけど…」
「だれだーーーー!」
「ってなるじゃん。そしたら向こうから、『ゆーたくんでしょ?あいちゃんの弟の?』って言うから…なおそら『?』になるわけ。」
「あ、お姉ちゃんいるんだねー!
で、?続けて続けて」
相槌が雑なところが笑えた。

「「選挙管理委員長のエミ。中林エミだよ」
あーーー生徒会副会長に立候補したときに、受付してくれてた人だ!って思い出したんだよ(笑)
ローカル鉄道だからさあたりは俺とエミさんの2人だけだから、横に座ってきたのさ。」
「ちょっとそれは『ドキッ』とするね」
「そーそれでさ、何を話したかは覚えてないんだけど、「デートですか?」って聞いたら、「そんな相手はいないよー塾がこっちでね」って言うわけ。高校受験前だからさ追い込みが午前中あったみたいでさ。」
「そんな前置きはいいから!いいから!」
喰いつくなー(笑)
「それで、何を思ったのか、しれっと「エミさんモテるでしょ?俺なら惚れてしまうのになー」って言っててさ…ちょっと恥ずかしそうにしてたのを覚えてるし、向こうは社交辞令としか思ってないと思ったんだけど、
言わば軽い告白してんじゃん!って思った次の瞬間に、
俺が恥ずかしくなってしまった…のは覚えてるよ(苦笑)」
「で、で、で、でーーー!?」
「でって、先輩として惚れてしまったのか、1人の女性として惚れてしまったのか、わからなかったんだよねー
次の日に、部活終了後に、先輩と顧問が仲良くてさ、昨日の出来事をそのまま報告したらしく…「ゆーた、お前中林と一緒だったんだてなー中林が言ってたぞーお前見る目あるなー」ってさ…どこまで話したんだろ…って思ったらさ、顧問は親父の教え子でさ、たまにうちの学校に書類とか出しにくるんだけどさ…それがその日に来てさ、顧問が親父に言うわけさ…」
「ウケるね(笑)筒抜けー」
「そうなんだよ。だから、家に帰って親父にさ「中林さんだっけ?むーちゃん(顧問ね)がさ、「ゆーたは見る目ありますよ」って言ってたぞ」ってさー
もう恥ずかしくて…で、先輩を目で追いかけるようになってたんだよ」
「???で、同級生の子は?」
やはり、そこが気になるよね。
「で、同級生の子はカズミって言うんだけど、その子の親友がさっき話した通り「どー思ってるの?」って言われたから、「良いなって想う人はいるけど、叶わないのわかってるからただ、惚れてるだけだねー」って答えたらさ、「ふーん」だって…『なんだそりゃ?』ってなるじゃん!
察せれるわけないじゃん!カズミが好いているかもって…」
「タイミングだよなーで?で?で?」

彼女がキラキラから【ギラギラ】した表情になったのは言うまでもなく…

「結局先輩はなんともなく、告白すらせず終わったよーなんか、可愛い弟みたいな感じでさー」
「まーそーよねー」
「2年に上がってさ、カズミのことが本当に好きになってさ。夏前の部活終わりに呼び出して告白したんだけど…
ダメだったんだー」
「やっぱりタイミング?」
「そうだね。その子の親友がさ「なんで1年の三学期にしとかないんかねー」ってさ。
その時、やっぱりカズミに言われて聞いてきたみたいでさ。
それでさ、好きな奴がさ、野球部のエースなんだよ!
そいつは、俺の親友でさ、キムタク似のイケメンでさ、すでに一年から付き合ってる人いるのに、好きなんだよ。
つけ入れなかったって話よ…」
「淡い初恋だったんだねー」
「それから、高校卒業するまで好きではいたんだけどねー今では良い彼女の相談相手(笑)」
「へー一途ねー」
「何回か告白したんだけどねー「知ってるー」って言われてあしらわれた〜」
「そういうの素敵よね」
「って感じかなー。まー淡い初恋よ」

10分近く話してしまった…

そしたら、彼女が中高時代の話をし始めた。

to be next story…

(あとがき)
今回はゆーたの中学時代の淡い初恋話でしたが、振り返ると一つ一つ言動にはいみごあるんだなーって感じました。
親友がゆーたに聞いてきた時点で感じれなかったゆーたがチャンスを逃すっていう玉砕パターン。
ゆーたの親父もまだまだこれから重要なワードを発する予定!
そして、彼女の「恋バナ」!乞うご期待!ってハードルはあげませんよー

引き続き宜しくお願いします!

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