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夜が暮れて仕事が始まる

疲れた体を引きずりながら、いつものスターバックへと足を運ぶ。
家に帰ると寝てしまう。そんな失敗を何度も繰り返してきているからこそ、自分自身に空間の制約をかける。

大して美味しくも、不味くもないホットコーヒーを片手に。ラップトップを開き、キーボードに指を置く。

今夜も、聞いたことのない横文字の意味を調べながら、知らない仕事の領域に足を踏み入れる。一つのプロジェクトを終わらせたと思いきや三つほどのプロジェクトが始まる。うちの一つは、心からやりたいプロジェクト、二つは前向きに捉えて興味を引くものと言えないこともない。だいたい、それぐらいの割合で仕事が始まるものだが、こんな状況を悪くないと楽しめる冷めた自分もまた存在している。

周りの人々もまた、それぞれの世界に没頭している。中には、ただ画面のイメージを消費するだけの人もいる。これもある種の没頭。この空間を夢を育むメトロポリタン、都市人のオアシスと例えるべきだろうか、現代社会のシステムが生み出してしまった牢獄と捉えるべきだろうか。

そんなことに悩まされる暇もなく。正確に言うならば、まだこの類の違和感を語れるほど何も成し遂げられていない。

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リアリスティックな、現代社会の生活における矛盾や葛藤を巧みに操りながらも、いかに誰かを想い、届けたい想いをもって一歩踏み出せる気になれるか、そこに自己の成長と存在意義を見出せるのではないかと考える今頃だ。

こうした思考に陥ると圧倒的な孤独を感じてしまうのだ。
しかし、孤独の中にも、淡い希望の光が見える。そんなときがある。
私の作るもの、考えることが、誰かの心に届くことを想像する。それは恋人かもしれないし、遠く離れた家族かもしれない。あるいは、まだ顔も知らない未来の友人かもしれない。

一つでも多く身に着けた、現代的経験が誰かのためになれる可能性があるなら、まだ走り続けられる気がする。

さて、仕事を終えて明日も仕事を始めよう。


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