「空気を絞って水を滴らすほどのエネルギー」で書かれた司馬遼太郎の短編
文藝春秋から『司馬遼太郎短編全集』というシリーズが全12冊で出ている。その第一巻、二巻、四巻、六巻という4冊がなぜか部屋の本棚にあった。第一巻(2005年4月第一刷)、二巻はともかく、なぜ四巻、六巻なのか、よくわからないが、この約1カ月ですべて読破してみた。
『竜馬がゆく』『坂の上の雲』『花神』『菜の花の沖』ほか、彼の長編作品はあらかた読んでいる。この年初には、最後の長編小説『韃靼疾風録』にも目を通し、楽しませてもらったところだ(ああ忘れていた。長尺の歴史ルポ『街道をゆく』