ホロウ・シカエルボク

各SNS、投稿詩サイトにて詩。YouTubeにて動画(詩+音の詩人PV、トーク動画、散…

ホロウ・シカエルボク

各SNS、投稿詩サイトにて詩。YouTubeにて動画(詩+音の詩人PV、トーク動画、散歩動画、廃墟動画等)、小説家になろうにて小説を発表しています。

最近の記事

今日は動画です

詩人PVシリーズの 新作が出来ました 感じるものありましたら 御覧頂ければと思います。

    • 今日の証拠

      秋が重い腰を上げて、ようやく日も少しずつ短くなり始めた、空には一文字に切り裂かれたような雲が浮かび、そいつらを見下ろすように鱗雲が多足生物の足跡のようにぽつぽつと揺れていた、秋に生まれたせいかこういう景色の中に居ると俺は妙に安らかな気分になった、それで、帰りそびれて公園のベンチに長いこと腰を下ろしていたんだ、何処にも行けなくなったころ、よく昼間っからこんな風に景色を眺めていたことをふと思い出してね、なんとも言えない気分になった、特別今もマシになったわけじゃないからね、少し落ち

      • それはきっと初めから出来上がっている

        それはどこかにあるのか、それともどこにもなかったのか、違うやり方をすれば手に入れられたのか、近くにあったけれど見落としていただけなのか、要因なんて探せばいくつだって見つかるものさ、でもそんなことに固執したってこの先のことはなにもわかりはしないんだ、もはやどうにもならないことについてあれこれと考えても時間の無駄さ、そんなことをしているうちに少しでも先へ進むのが得策ってことだね、なにしろ人生は有限なんだぜ、その間に出来る限りのことをやらなくちゃ、それが正しかろうが間違っていようが

        • 地の塩に乾杯しよう

          そんなもんだよ、なんて分かったような顔したって、飽きもせず生きていくことなんて出来るわけもないし、俺がやりたいのはただ、現時点での俺を更新し続けることだけなんだ、昨日よりもほんの少し違うことをしたい、スタイルなんて所詮上辺の話さ、本質なんてそんなに変わりはしないものなんだ、だからそんなものにこだわるのは間違ってる、何でもやってみればいい、自分を把握出来てさえいれば正しく更新されていくんだ、長く生き残っている連中を見てみなよ、みんな何か新しいものを探して、アップデートを繰り返し

          水が絶えなければ循環は続いていく

          本当に恐ろしいのは自身の存在とその周辺のすべてが本来あるべきはずの意味を失ってしまうことだ、豪雨に洗われた路面のように本質を剥き出しにして、けれどなにも語ることは出来ない、本当に恐ろしいのはそうした、一言も発せられない正直さや純粋さだ、人間でいえばそれは、火葬場の炉から出て来る真っ白い骨でしかありえない、俺たちはその骨に様々な、生きている間しか必要でないものをあれこれと纏って、本音とも嘘とも言い切れない曖昧な世界を生きる、全員が正直で全員が嘘つき、それは俺たちがシンプルには成

          水が絶えなければ循環は続いていく

          バキューム・パック

          テーブルに散らばったいくつかの破片と手紙の束、破片がなんだったのか思い出せないし手紙を開いてみる気も無い、わざわざやって来る知らせが重要なものだった試しはない、最終的に返信を希望するやつは必ず電話をかけて来る、それまで答える気にもならない、頼んでもいない義務とかなんとか、そんなものばかり、時刻は午後、十四時二十五分を過ぎたところ、といってそこに特別なギミックがあるわけではなく…あくまである程度限定されるイメージの補助という程度の意味しかない、インスタントコーヒーが冷めかけてい

          バキューム・パック

          スピードスター・スリーパー

          木偶の坊古びて肥溜めの中失笑、糞の臭い骨まで染みて夜通し風呂何度も入れ替えて浸かりふやけまくって朦朧、とうとう倒れ込むも目覚ましの餌食、半狂乱で壁に叩きつけて知らぬ顔決め込みたちどころに熟睡、糞食らう夢を見る糞食らえ、ノウマクサマンダバサラ、脳膜ぼろぼろに剥げて潰れたラブホのカーテンの如くに、仏頂面の仏法僧窓の外でふざけやがるから手掴みでトイレ流し水が詰まり大騒動、電撃バップお願い寝かせて、ラモーンズお頼み申す、やけくそでブラックサンダー貪り食って胸焼け上等、案の定詰まったト

          スピードスター・スリーパー

          結果や結論に付着物など無いものだ

          越えてはいけない線の先の方がずっと生き易い世界だった、厳しさが両手を広げて迎え入れてくれた、妥協なんか存在しない世界、それこそが俺の求めるものだった、たった一人でその日の最良を目指して躍起になる、そんな日々に俺は夢中になった、野垂れ死ぬかもしれない未来を受け入れた時からかもしれない、そう決めたのはきっと、成功が目的ではないと自覚したからだ、何かが足りない、幼いころからずっとそう思いながら生きて来た、なにかがもの足りない、見える筈なのに見えていないものがある、そんな感じはずっと

          結果や結論に付着物など無いものだ

          誰かの為に鳴らされる音はすべて歪んでいる

          チャコールグレーの夜、ローヒールの足音が窓の下を通り過ぎる時、インスタントコーヒーが少し喉を焼いて、イマジネーションのすべてに一瞬血が混じった、それはある意味理想ではある、ただ望む血じゃないという話で、誰かがあまり楽しくない電話をしているのが聞こえる、夜、誰も居ないからといって安心してはいけない、静まり返った街角は思っているよりもずっと遠くまで声を反響させる、時々、夜の記憶が奇妙に色づいているのはきっとそのせいさ、救急車が走り過ぎる、大きな病院が近くにあるんだ、きっと自分で思

          誰かの為に鳴らされる音はすべて歪んでいる

          革命なんか笑い飛ばすんだよ、実際の話

          現代そのものを浴びるほど飲んで酩酊し続けている、根幹の抜け落ちた人間どもが俺を不愉快にする、そこで生きざるを得ない以上仕方のないことだとはわかっちゃいるけれど釈然としないよね、ぶっちゃけた話、なんでこんなのと関わらないといけないんだって思いながら馬鹿のモノマネしてるよ、詩を書いてネットに置くこともタダじゃないからね、まったく時々ウンザリしてくるよ、同じ光景を繰り返し見せられてるような気分になる、代り映えのしない言葉、代り映えのしない行動、反吐が出るね、まったく反吐が出る、役割

          革命なんか笑い飛ばすんだよ、実際の話

          指先の足跡

          瞳孔に刻まれた光景は必ず陽の当たらない場所だった、建物に張り付くように生え広がった羊歯、身を屈めで様子を窺う野良猫、酔っ払いの小便の臭い、行場を失くして蓄積する湿気、誰かが捨てて行った悲しみの名残、ボロボロのスポーツ新聞、壊れたイヤホンが奏でている音楽は「暗い日曜日」かもしれない、俺は大豆で出来た健康食品を頬張りながらそいつらの横を歩き過ぎる、猫はほんの少し身を乗り出して、「こっち来ないのかよ」とでも言いたげな顔をする、俺は悪いね、という感じで軽く手を振る、わざわざ見慣れ過ぎ

          傘は要らない

          曇天には俺が出しそびれた悲鳴が充満していた、古いダウン・ブルースのリズムで年老いた魚のように繁華街を歩く、昨夜はレイドバックして、ピアノを奏でるように詩を書いていた、時の流れは人間を変えることはない、人が時のせいにしているだけさ、どちらかと言えば俺は変わったことが無い、もちろん表面上の些細なことはあれこれと変わったかもしれないけれど、俺という人間の本質的な部分というのは変わったこともなければ失われたこともない、そして俺は、自分の中にあるものについてずいぶん昔から知っていたよう

          なにかが寝床にやって来る

          無数の甲虫が這いずり回り鋭い牙をカスタネットのように鳴らしながら俺の皮膚を食い破り体内に侵入する、乱雑に食い荒らすせいで俺はまるで使い込まれて捨てられたズタ袋のように大小様々な無数の穴で埋め尽くされる、無数の穴からはキラウエア火山の噴火のように血液が溢れ続ける、虫に埋もれ、血に沈み、やがて死に塗り潰される、虫たちの歯音は遥か昔の改札口を連想させる、悲鳴を上げなかったことが俺は気になっていた、痛みを感じなかったのだろうか、いや、ずっと感じ続けている、いまだってうっすらと、身体が

          なにかが寝床にやって来る

          These are better days.

          振動を伴う、低い響き、脳髄の共振が、俺の体温をおかしくする、すべてを投げ出して横たわる床、甘い煙草みたいな臭いの、熱に温められた部屋の空気、まだ滲む冷汗を気にしながら、少しの時間他愛の無い夢を見る、九月になると思い出したように身体が壊れる、視界のちらつきの中にいつも同じものが見える気がする、どうせ原因が分かるものじゃない、天井は白けている、音楽は流れている、ずっと同じアルバムを繰り返している、何周目かにまるで、時が止まっているみたいな気分になる、なす術なく横たわることが増えた

          寝苦しい夜は牙を研ぐのに向いている

          狂った夜は俺を、悪夢に誘おうとする、俺は唇を嚙んで、流れた血の味で正気を取り戻す、出口はいつだって自分で作ってきた、不可能だと思えるような夜にもやってみるとなんとかなった、だからもういいんだ、闇の程度や、実際にはない囁きの頻度など、もう俺にとっては何の意味も無いのさ、俺は咆哮を文章に変えてサバイブしてきた、俺は生き延びるためにそうして生きてきたのさ、生存の条件はどんな環境下にあったって確固たる自分がそこに在るかどうかだ、それ以上の条件は付加価値というものだ、知識や方法や技術は

          寝苦しい夜は牙を研ぐのに向いている

          印に縛られて動けなくなっちゃったりしても駄目

          強奪者の化石を壁に張り付けたあとはエアガンで気の済むまで撃った、もっともそこそこ値の張るやつでも化石をぶち壊すことなんか出来やしない、せいぜい弱っているところが欠けるくらいさ、だけど、それがいったい何だって言うんだい、壊すことが目的じゃない、いつでもそこに狙うべき的がぶら下がっているっていうのが重要なのさ、そうじゃないのかい?コーヒーメーカーで四杯分まとめて作ったコーヒーが入っている水筒をラッパ飲みする、一杯じゃ足りない、いつだって一杯じゃ足りないと気付いたときからそうやって

          印に縛られて動けなくなっちゃったりしても駄目