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#10 留学4日目で緊急引っ越し


今日は月曜日。ついに語学学校に初めて行く日だ!

少し緊張しているけどドキドキ、ワクワクしながらバスに乗り込む

放課後はエージェントさんの事務所にいく予定だ

※※※

学校に着いたら、生徒たちがたくさんおしゃべりしている

そんな中で先生がクラス分けテストをすると言って、部屋に案内された

テストは穴埋め単語や助動詞を入力する問題だったけど

正直よくわからなかった

テストを終わってしばらくすると先生がクラス分けを発表した

先生:「あなたは初心者クラスだよd(^_^)」

(そりゃそう!)

授業では先生の話意味もわからずなんとなく聞いていた

休憩時間も緊張していて、誰とも話せなかったけど、その日は終わった


放課後になり、エージェントさんに会いに事務所に行く

※※※

エージェントさんは語学学校から15分程度歩いたビルにオフィスを持っており

なんとか迷うことなくたどりついた

恐る恐るエレベーターに乗り込み、指定の部屋に行く

ドアにエージェントさんの看板が貼ってあった

ドアをノックをし部屋に入ると

エージェントさんは満面の笑みで出迎えてくれた

よかった。本当に実在した〜


半年前からメールのやり取りをしていたので、実際に会えて安心した

エージェントさんはバランスボールを椅子がわりにしていたが

全然ぐらつかないので体幹が強いんだなと思った


話は学校の様子から始まり、その後はホストファミリーの話になった

エージェント:「ちょうど子どもたちが帰省してるから家静かでしょう?」

私:「そうですね、でも男の子の学生がもう一人いますので
   その子と話すこともあります」

エージェント:「え?あそこ今学生はあなただけだと思いますけど…」

私:「え、そうなんですか?初日に迎えてくれた人も、その男の子でしたよ」

エージェント:「え? へー……」

私:「うーんこれ言っていいのか…..」

エージェント:「え、何ですか?」


彼女の不倫疑惑があった出来事を話すか迷った

迷ったがこの話を誰かに聞いてほしいとも、思った

ここで頼れる人はこの人しかない

わたしは意を決して話すことにした

私:「うーん、おそらく彼女..浮気していると思います」


エージェント「えぇーーーーーー!!!(@_@)」


それから私は「#8 夜な夜な聞こえる甘い声」に書いた日のことを説明した

彼女が男の子を見せないように夫とテレビ電話していたことや

何時に寝るのかとしつこく質問されたこと

その後の深夜に聞こえた甘い声のことなどだ

エージェントさんは聞けばきくほど口がふさががらない様子で、あわあわしていた

話していく内に、なんだか自分がみじめに思えてつい泣いてしまった


おそらく異国の地で誰にも相談できなく、頼れず、不安も相まっていたのだと思う


一通り話し終えるとエージェントさんは

「本当にごめんなさい」と頭を下げてくれた

それだけで気持ちが軽くなったのだが、エージェントさんは続けて

「今すぐ引っ越しましょう!」と提案してくれた

今すぐ?!

と思ったが、このままあの家に住み続けるのは確かに嫌だ

エージェントさんは

「猫がいる1人暮らしのおばあちゃんのホームステイ先でも大丈夫ですか?

今そこはホームステイしている学生が2人います」と話した

何を隠そう私は生粋の猫好きだったので2つ返事でOKした

すぐにその新しいホストマザーに連絡をとり

色々手配をし終え、じゃあ行きましょうと

事務所を閉め、タクシーに乗り込み現ホームステイ先へ荷物を取りに向かった

※※※

私が部屋で荷物をまとめるあいだにエージェントさんは

ホストマザーに適当な理由をつけ引っ越ししなければいけないことを説明していた

さすがに「あんたが浮気しているからだよ」とは言わなかった

見送るホストマザーは訳がわからないという表情であったが

簡単に挨拶をすませて逃げるように家を後にした


再度タクシーに乗り込み30分ほど車を走らせ、新しいホームステイ先に到着した

結構距離があったが、エージェントさんはタクシー代を全額払ってくれた


ドアをノックすると優しい笑顔でおばあちゃんと猫が迎えてくれた

なんとも心穏やかな空間があった

夕飯も急きょ用意してくれた

部屋の説明は先に住んでいた日本人の留学生が説明してくれた

夕食のときもおばあちゃんに何があったかは詳しく話さなかった(英語で話すスキルがなかった)

それでもおばあちゃんは何も聞かず温かく受け入れてくれた

エージェントさんはおばあちゃんにお礼をいうと

私に「明日また事務所に来てくださいね」と言って帰って行った


おばあちゃんが飼っていた猫


※※※

今日も忙しい1日だった

でもやっと安心して眠りにつける

急に引越しになって元ホストマザーはびっくりしただろうなと

ちょっと申し訳ない気持ちになった

でも嫌なものは嫌や!


その日は少しの罪悪感と安心感を抱いて眠りについた











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