見出し画像

C003_『魅力』は作れる!!

・私には「魅力」がない
・あの人は「魅力」的だ。
・あの新商品の持つ「魅力」の前に私には為す術なかった。
(買わないという選択肢はなかった。)
・古き文化と近代建築とが融合した建築に私は「魅力」を感じる。
・甘味と辛みの絶妙なハーモニーに「魅了」された。
・彼のピアノには神々しさすら感じてしまう。「魅力」なんて言葉では表現できない。
・あの会社で働く人たちが「魅力」的に見えてしまうのはなぜだろう。


『魅力』

人を引き付けて、夢中にさせる力。


そんなもの、私にはあるのだろうか。

そもそも、「私には○○という魅力があります。」と自己紹介することを歓迎する文化は世界にどのぐらいあるのだろうか。

少なくとも、日本においては「何にでもチャレンジするところが私の魅力だと思います。」と自己紹介する者と対峙したら、多くの方はきっとこう思うに違いない。

「なんて、自信過剰なひとだ。」
「臆面もせず、よくそんなことを語れるものだ。」
「ちょっと、この人は変わっている。」
「だいぶナルシストだな。」
「自分のこと好きすぎだろ。」

そう。魅力は、自分が自分自身に対して感じるものというよりはむしろ、自分が自分以外に対して感じるものであるべき、という考え方が定着している。

このことが、自分の魅力に自分自身が気づかない、という結果を招いた。

気づかないのか、気づこうとしないのか、気づいてはいけないとさえ考えているのか、それとも、もはや自分と「魅力」との関係は水と油のように決して相いれないものとでも考えているのか、

いずれにせよ、自分自身の魅力を語れる人は少ない。
そしてそれは、組織も同じだ。


日本は江戸時代から右肩上がりを記録してきたが、今、大きな転換期を迎えた。人口減少が始まった。今後、これは収まるどころか加速していく。

集団就職列車はどこからも来ない。
代わりに外国から就労を望む飛行機がひっきりなしに飛んでは来るが、
それは労働力の下支えにはつながっても、人口を押し上げることにはならない。ほとんどの産業で人手不足が深刻化しつづけている。


一方、凄まじい数の外国人観光客が日本を訪れている。

時間を少し遡ると、かつて、2010年(平成22年)までに訪日外国人観光客を1,000万人にするという目標を達成するため、ビジット・ジャパン・キャンペーンなるものがあった。

当時、日本に1,000万人も外国人が訪れるなんて夢のまた夢だった。
それがどうだ。2023年(令和5年)の訪日外国人観光客数は、日本政府観光局によれば、2,506万6,100人というから驚きだ。

大学生のころ、私は観光学を学んでいた。当時の私がこの数字を見たら、間違いなく目を丸くする。

実際は、バックトゥーザフューチャーで未来ではスケボーが空を飛ぶことを知ったマーティー。彼と同じ顔をする程度で衝撃は抑えられるかもしれないが、ともかく、とんでもない数字だ。

一体何が起きているのか。
この事態を説明するキーワードこそ「魅力」だ。

ことは極めて単純なのだ。訪日外国人観光客は、それぞれ思い思いの魅力的な日本を直に見たくて、聴きたくて、触れたくて、触りたくて、嗅ぎたくて、日本を訪れる。

・ラーメンが好き。すき焼きが好き。お好み焼きが好き。リンゴが好き。柚子が好き。寿司が好き。日本食が大好き。

・京都に行きたい。大阪に行きたい。東京を見て回りたい。ディズニーランドに行きたい。ジブリパークに行きたい。USJに行きたい。

・着物が着たい。人力車に乗りたい。新幹線に乗りたい。アニメグッズが欲しい。食品サンプルが欲しい。日本語が書かれたTシャツが欲しい。


「好き」「したい」「欲しい」


「魅力」があれば、人はそれに魅かれてやってくる。

「魅力」があれば、長蛇の列の最後尾に並んで、自分の順番が来るまで待つことだってできる。


どうすれば、人が来てくれるか。
その答えは「魅力があれば、来てくれる」だ。


人手不足なら、採用に尽力するのと同時に、自社の「魅力」を発信し続けるしかない。

お客さんが来ないなら、宣伝するのと同時に、サービスに「魅力」を付加するしかない。



ここまで話が進むと、いよいよ「魅力」とはそもそも何かを知らなければならない。

ひとそれぞれ、その人なりの「魅力」の定義を持っている。


かくいう私は、

「魅力は引力」だと考えている。

そして、「引力は質量に比例する」という既存の法則を当てはめる。

質量とは「物質の量」のことだが、魅力と関連づけるために、これを「中身がどれだけあるか」と置き換えてみたい。

すなわち、

「人を引き付けるには、私(私たち)にどれだけ中身があるか」を分析することが魅力づくりの第一歩といえる。


今の日本には観光資源としての魅力にあふれている。
それはすなわち「中身がある」ということだ。

今の私(私たち)には魅力があふれているか?
それはすなわち「私(私たち)には中身があるのか」ということになる。


私は「中身」を「経験や実績、知識、技能、人徳など」といった過去から積み上げられてきたものに限定されるとは捉えていない。

むしろ「どのような未来を描いているか」の方がより重要だと考えている。つまり「目標」「夢」「希望」「理想」「未来」、これらのキーワードに対する明確なことばを持っているかどうかこそが「中身」なのだ。

なので、このように言える。

過去だけでなく未来の話もできる現在のあなたにこそ、最も魅力を感じる。
それが人を引き付ける。


惑星の核の質量はとても大きい。質量が大きいから引力も強い。
だから、地球には重力があり、月も地球の周りをまわっている。
そして、引力は互いに引き合うという法則があることも大変面白い。

人や組織にこれらを置き換えると、こうなる。

私(私たち)に中身(魅力)があれば、また、中身(魅力)がある人たちが引き寄せられてくる。質量があるものどうしが引き合う。

そして、質量が大きければその引力(魅力)からなかなか抜け出せない。
離れられない。仕事であれば、辞められない。辞めたくない。


魅力は作れる。

魅力を作るのに、魅せようとする努力はあまり意味がない。
本質ではないからだ。それはまるで「バブル」のように弾けて飛んで、壊れて消える。


魅力は引力であり、引力は質量の大きさに比例し、質量は中身がどれだけあるかを尋ねてくる。

あなたの中身、どんなですか。

過去の実績と経験、未来の願望と目標、夢。

それらを楽しく笑顔で語れる今のあなたなら、きっと、

多くの人が集まってくる。



(余談ですが・・・

かくいう私の魅力って一体なんだろうか。
考えてみました。

私の魅力は、相手のニーズを満たすため、常に自分を変容させること。

それが、今日まで自分を成長させてくれたと思っています。

成長とは変化です。変化しなければ、成長しません。

成長しつづければ、中身はそれなりに詰まってきます。)



歴史的遺産を大切にし、最新技術も開発し続ける。

過去も未来も感じさせてくる現在の日本。

わたしたち一人一人が今、すべきことは

この魅力的な日本そのものから、「魅力とは何か」を学びとり、それを一人一人が活かすことだと私は思います。



未来につなぐヒントは足元にころがっています。





自己陶酔した感のある文章にお付き合いいただき、ありがとうございました。恐れ入ります・・・。

忙しいのに・・・書くのに2時間かけてしまいました・・・💦








この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?