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『あなたの番です』が残したもの(考察含む)

ついに、完結してしまった『あな番』。最終回の視聴率は19.4%という高視聴率で、有終の美を飾りました。

物語についてとか考察はするつもりはあまりありません。ちょっとするかもしれません(笑)考察が見たい方があ、Youtubeに山ほどあるので、そちらをご覧ください(笑)

最終回を迎えて(後半ネタバレあり)

(ネタバレなし)
謎が謎を生み、誰が犯人なのか、誰が黒幕なのかということが焦点となり、直前の出演者の話でも、「納得できるラストになる」とコメントしていたので、全ての謎を解けると意気込んで臨んだことで、期待が高まり過ぎてしまい、蓋を開けたら「ポカーン」となった方が多いようです。

まだ誰とは言いませんが、黒幕が明らかになり、動機や犯罪手口など、様々な謎が明らかにはなりましたが、謎が解けただけで、物語として納得できるものではななかったのではないかと私自身も思っています。しかし、そうではない部分で、謎が解けたからこそ評価が180度変わってしまうという面白い現象もありました。それに関しては、ネタバレ有りコーナーで述べていきます。さらに、新たな謎も生まれてしまったことが、一番「ポカーン」とさせてしまったことかもしれません。劇場版になるんじゃないかとか、続編があるとか、Hulu限定配信ドラマになるんじゃないかとかも言われていますが、散々考察をしてきたファンに向けて、「あなロス」にならない為に、敢えて考察事項を残したのかもしれません。





最終回を迎えて(ネタバレ有り)

というわけで、ネタバレ込みで感想を述べていきます!

黒幕は結局大方の予想通り「黒島ちゃん」でした。

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こんな美しい黒島ちゃんになら殺されても構わなくない?

謎の死を遂げた人たちの殺人手口や、殺人理由などが明らかになりましたが、その理由は「殺人衝動」というサイコパスな理由でした。これにはがっかりした人が多いと思います。というのも、第2部序盤で、榎本総一くんがまさに殺人衝動を持ったサイコパスで、そらくんという可愛い少年を殺そうとした所が見つかり、少年院に入ることになりましたが、まさか同じ展開にはしないだろうと思ってたからです。しかし、残念ながら同種の殺人犯だったことはがっかりでした。考察している人も、計画殺人だと思わせながら、交換殺人ゲームを利用した衝動殺人だったのは、たまたまうまくいっていただけ、と述べていました。

そうなんです。私はそんなに推理モノとか好きな方ではないですが、『古畑任三郎』とか、それなりに観たりはしてきました。もちろん、「殺人衝動」「サイコパス」による犯行もありますが、2クールも引っ張って、頭脳犯的な、完全犯罪になるような完璧な計画ではなく、「粗だらけの衝動的な連続殺人」という結末だったことが、視聴者としては、納得いかないんじゃないかと思います。一応納得はしましたが、ある意味、まんまと秋元康に踊らされたのかもしれませんね。今回は、Huluとコラボしたり、SNSも活用して、考察合戦が繰り広げられ、大いに盛り上がりました。結末は微妙でも、作品全体を通しての話題性や人気、視聴率に関しては、間違いなく成功だったと思います。

例えば、アニメは、「銀盤」と呼ばれるDVDの売り上げが良くなければ、続編は作られないことが多く、視聴率はそんなに重要ではないんですが、「あな番」のDVDがどれだけ売れるかって考えると、話題性には比例しないのではないかと思います。そうなると、アニメでは続編が作られないように、このドラマもDVDの売り上げが低ければ、続編はないかもしれません。ただ、毎回放送後にHuluと連携してスピンオフを放送していたことで、Huluでの続編というのは意外にあり得る気もします。テレビだと、3ヶ月で10話という規格になりますが、Huluであれば、10話構成にこだわる必要もないので、せっかく最後に「車椅子の謎」と「幸子さん殺害」を描いてしまったのなら、続編を作るのもありかなと思います。そうすれば、DVDの売り上げにかかわらず、Hulu登録者による月額費が入るので、規模を縮小して描けるのではないかと思います。

最終回で価値逆転(ネタバレ有り)

もう一つ注目したいのが、黒幕候補の一人であった、奈緒さん演じる尾野幹葉です。

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最初から猟奇的な人で、明らかに異常なタイプでした。田中圭演じる主人公手塚翔太に対し、奥さんがいるのに猛アタックして、奥さんの菜奈ちゃんが亡くなったら、今度は黒島ちゃんといい感じのどーやんに乗り換える。しかも最後には刑事の水城にまで手を出す始末・・・。結局、好きな人がいる人しか愛せないという癖の持ち主で、奪ったら終わり、というサイコパスではあったので、「波動〜〜〜」だという「波動ダンス」が話題にもなりましたが(笑)、「交換殺人ゲーム」に関しては、結局「大正義」だということが判明しました。しかも、おそらくいち早く黒島ちゃんが犯人だろいうことを突き止めていて、何度となく、翔太やどーやんにも伝えていました。さらには、マンションの階段から黒島ちゃんに向けてテレビを投げ落としたり、翔太の部屋に訪れた黒島ちゃんに「マウスウォッシュ毒霧」をぶっかけたことが話題となりましたが、全て、彼女なりの正義感で黒幕である黒島ちゃんに立ち向かっていったことでした。それが明らかになり、黒幕だと予想していたり、何かやってると怪しんでいた人も多かったと思いますが、確かに性癖や恋愛においてはサイコパスでだったことで、狼少年ならぬサイコ女性だったことで、誰にも真に受けてもらえませんでしたが、「交換殺人ゲーム」に関しては、白紙で投票したり、黒島ちゃんに立ち向かっていた大正義でもありました。最終回後、一番評価を上げたのが、間違いなく尾野ちゃんで、こんなサイコパスを演じた奈緒さんの評価まで上がっています。

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秋元康が原案なので、西野七瀬を売り出す為の作品とも揶揄されている中、奈緒こそが、一番評価を高めた役者さんかもしれませんね。


最終回でもネタをぶち込む(ネタバレ有り)

・会いたいよタイム

第2部の目玉にもなった、手塚翔太が歌う「会いたいよ」ですが、翔太が菜奈ちゃんを思い出す時、「会いたいよ」が流れ、観ている私はいつも
      「ここでキター♪───O(≧∇≦)O────♪」
と盛り上がっていました(笑)最終回はいつ来るかと思っていたら、事件解決後に来ましたが、この歌は、「愛する人に会いたい」という思いを込めたシンプルなラブソングです。今までも、翔太が菜奈ちゃんを思って。どーやんが黒島ちゃんを思ってなど、恋人や夫婦の愛を描くときに流れていました。
最終回では、菜奈ちゃんを思う翔太はもちろん、捕まった黒島ちゃんを思うどーやん。既に捕まっていた犯行をしたマンションの住人たち。その中で、また袴田吉彦が光ってました。相手のいない久住さんは、一番愛しい「エレベーターの雑誌」を読んでいたのです(笑)。そして、意味ありげで結局何にもなかった501号室の安藤政信さんは、ワニの本山幹子さんを愛しい目で眺めたり、完全に制作は遊んでいましたね(笑)

正直、今までの「会いたいよタイム」の中で、一番泣けて来ましたが、この二人に持って行かれました(笑)

・おっさんずラブ

事件が解決し、一人教会で結婚式を挙げる翔太。そこにどーやんが現れますが、私だけじゃないでしょう。「おっさんずラブ」を感じたのは。ツイッターでも、「おっさんずラブ」をイメージした合成画像を上げている人もいて、「翔太からはるたんになった」とネタにしている投稿が沢山ありました。
その後、いつものように二人で食事するシーンがあり、「いよいよおっさんずラブに突入か?」と思ったら、どーやんは速攻拒否しましたが、これも、「おっさんずラブ」を意識した演出なのは間違い無いでしょうね。


「あなたの番です」が残したもの(ネタバレなし)

最後に、「あな番」が残したものとして、いくつかの成功例です。

・SNSの活用

前半こそ、視聴率は伸び悩みましたが、SNSをうまく利用したことが、成功の一つです。話題のドラマは、ツイッターなどで感想は多く挙げられるものですが、「考察」「予想」できるように、うまく構成立てていたことが、話題を呼び、視聴率アップにもなりました。最終的なオチがイマイチだったとしても、隠し方次第で盛り上げることができ、やや勝ち逃げ感もありますが、日テレとしては万々歳だったのではないでしょうか?

・ネット配信とのコラボ

「テレビの時代は終わり」と言われていたりします。コンプライアンスによって、規制が多く、おっぱい一つ(二つ?)テレビでは観られなくなりました(笑)。しかし、映画やネットドラマであれば、自らお金を払って見ることで、地上波では観られないような表現を見ることができます。まだまだテレビの方が無料で観られるしアドバンテージはあると思いますが、いずれネット配信に喰われるのではないかと思っています。

そんな「敵」とも言えるネット配信とコラボをして、味方にしてしまったことが、「あな番」成功の二つ目だと思います。もちろん、他にもネット配信とコラボしている番組はありますが、ネット配信に流れるだけでなく、うまくテレビに結びつけたのではないでしょうか?

コンプライアンス問題は今後もあるでしょうし、もっと厳しくなるかもしれません。今までと同じような手法で制作しても、廃れる一方です。そういう意味でも、「あな番」の放送戦略は、大いに参考になるのではないかと思います。


最終回は何とも言えない終わりでしたが、最終回だけがドラマではありません。実力派俳優による演技や、弄ばれた袴田吉彦の復活、謎が謎を呼ぶ衝撃的な展開などによって、半年間楽しませてくれました。

ただ面白い、つまらないで終わらせず、この後のドラマの楽しみ方や、制作に役立てられるようなコラムとして、感謝を込めて残したいと思います(^^)

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