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『レンタルなんもしない人』 第5話② 既定路線と新人生の対比

第5話は、深いテーマが描かれていたので、前後編に分けてお送りいたします。
あらすじを含めた前回のコラムはこちら

前編のコラムを踏まえて、後編をお送りしていきます。「土壇場JCT」の先にあるものと、物語を面白くする必須項目について述べて参ります。


もはや準主役のユーサクの背景

ユーサクとは、サブストーリーで進むエリートサラリーマンです。第4話のコラムで取り上げたので、こちらを参照ください。

第4話で彼女に振られたユーサクですが、今回は、彼の背景を知ることとなりました。

野心家で、成功を求める営業トップのサラリーマンのユーサク。自信に溢れていて、鼻にかかる言動が多いが、彼女は彼の言葉からは他人の言葉や引用しか聞こえず、本人の意思を感じませんでした。それで振られましたが、彼は若くして営業トップで、優秀な社員です。

そんな彼に、弟から連絡がきます。ユーサクの親は医者で、弟も医大を卒業してこれから医者になるお祝いをすることになりました。父は、弟が自分の跡を継いでくれることに喜び、兄のユーサクにはそっけない態度。ユーサクの話になってもすぐに弟の話にする父。

まだ仕事があるからと、中座するときに「これでも結構稼いでるから」と嫌味ったらしく言い放ち、支払いを済ませるユーサクだった。


ユーサクというキャラの存在意義

ユーサクは、父親から愛されていなかったことで、きっと見返すために、成功したいと思っているんでしょう。それは、子供が親の気を引く為に、「テスト頑張ったよー!」と言っているようにも感じます。

そもそも、なぜわざわざユーサクがサブストーリーとして描かれているか。それは、レンタルさんと対比させる為でしょう。ユーサクが実在するかはわかりません。今度調べておきます(笑)。言うなれば、既定路線で望まれる生き方をしているのがユーサク自分らしく生きて、自分にしかできないことをして幸せに生きるレンタルさん

ユーサクは、彼女がレンタルさんをフォローしていることも、「ダメ人間をフォローしてたら自分もダメになる」と言い放ち、レンタルさんを毛嫌いしています。彼女に振られたことで、完全にアンチ化しました。
花見客がレンタルさんに向けた動画でも、「むしゃくしゃして飲みたい気分なんですよぉ!」とユーサクが登場するが、「みんなレンタルさんのフォロワーなんですよぉ!!」と聞くと、怒って去って生きました。


対比させて描くことで、主役を引き立てる

今後、レンタルさんとユーサクがどう絡んでいくかはわかりませんが、この二人を対比させて、「生き方」について描いていくことは間違いないでしょう。

レンタルさんのドラマなので、レンタルさんが良いように描かれますが、誰でもレンタルさんみたいにすればいいとは思いません。逆に、ユーサクのように、成功を求めて頑張ることもいいとは思いません。人それぞれ、自分らし生き方は違います。

最初は、なぜサブストーリーとしてユーサクが描かれているのかわからず、その必要性も感じていませんでした。しかし、第3話辺りから、レンタルさんと少しずつ繋がり始めました。既定路線を進むユーサクと、新人生を進むレンタルさんが、今後どのように絡んでつながっていくのか。この2人が邂逅した時、2人にどんな変化が起こるのか。レンタルさんの生き方も含めて、この今後の見所になると思います。

ユーサクの役割を見出した時、私は彼のことが好きになりました。自信家な所も、鼻につく態度も、生意気な所も、それが彼に与えられた役割で、ただただ全うしているだけなんだと。裏主人公として、今後も注目です!!

この二人の姿から、自分らしい生き方を考えてみるのもいいかもしれませんね!


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