ルフィ名言Vol.102「おれは 海賊だからな!!!!」
物語と名言
戦うことを自らの意思で決めたチョッパー。取り出した「ランブールボール」は、長年の研究によって、悪魔の実の波長を乱すというもの。効力は3分。その3分間でケリをつけると宣言する。
チョッパーはゾオン系"ヒトヒトの実"の能力者。ゾオン系は、「人型」「人獣型」「獣型」の三段階に変形することができる。しかし、ランブルボールによって、チョッパーは七段変形を可能にしていた。チェスマーリモは、変形を予期して攻撃するも、予期せぬ変形に対応しきれない。チョッパーは変形して攻撃に対応し、躱していく。
そんな変形していく姿に、ルフィは目を輝かせる。
次々と攻撃を繰り出すチェスマーリモだが、チョッパーは冷静に相手を分析し、『診断(スコープ)』によって、相手の弱点を見抜き、必殺技"黒蹄"『桜(ロゼオ)』によって、見事3分で倒してしまった。
しかし、肝心のワポルがいない。ルフィがチョッパーの変形に見惚れている間に、城の中へと入ってしまった。慌ててワポルを追いかけるが、ナミがワポルに見つかってしまう。慌てて逃げるナミだったが、ワポルは"バクバクの実"の能力で自らを食べ、スリムアップした状態で吐き出す。身軽になったワポルがナミを捕まえると、ルフィが助け出す。
ワポルの目的は、武器庫の武器を食べることだったが、ナミが鍵をスリ、ワポルはまた逃げる。向かった先は、ドラム王国の最終兵器"ロイヤルドラムクラウン7連散弾ブリキング大砲"。
駆けつけたルフィに向けて放つと、出てきたのはスノウバード。兵器は鳥の巣になっていた。偉ぶるワポルは、「王様なんだぞォ!!」と言うが、ルフィはワポルの顔を掴み言う。
「関係ねェんだぞ・・・!
王様だろうと 神様だろうと
誰がえらくたって 偉くなくたって関係ねェんだ!!!」
続けてワポルに言った、今回の名セリフ。
「おれは 海賊だからな!!!!」
出典:ONE PIECE/尾田栄一郎 集英社
戦いが終わったチョッパーは、Dr.くれはに
「あいつ おれのこと 仲間だって・・・」
と呟くのだった。
名言の意味
今回の名言は、言葉そのものではなく、込められた思いや背景に意味があります。
ルフィにとって海賊とは、「自分の信念に従って、自由に生きる奴」という意味だと思っています。自らの信念(海賊旗)を掲げ、荒波の上を自由に生きる存在ということです。
ルフィは、常識や権力に従って支配されていたり、自分の意思ではなく誰かにやらされていたり、過去に捉われていたりする人を嫌います。例えば、以前のアルビダに従うしかなかったコビー。アーロンに弱みを握られ、本心を偽り続けたナミ。そして、過去の恩に縛られたチョッパーです。
コビーに対しては、「海賊王になる」というルフィの言葉を「ムリムリムリムリ!無理に決まってます!」と否定されて、なんとなくで殴っています(笑)
ナミに対しては、「助けて」と本音を言うまで、一切ナミいうことを聞きませんでした。
チョッパーに対しては、自分の意思で戦いを選んだ時に、「仲間」として戦うと言いました。
ルフィは、人に言われて行動する人を嫌うし、弱くても、間違っていても、自分の意思で決めたことを尊重します。その決断が、自分と合致するものであれば、「仲間」になるわけです。そして、「仲間」に対しては、命をかけて守るし、背中を預けます。
今回のセリフは、ルフィにとって「海賊」とはどういうものなのか。そして、チョッパーに「仲間だ」と言ったセリフに繋がるものでもあります。Dr.ヒルルクが言っていた「海賊」とはどういう存在なのか。チョッパーのコマを、ルフィの名言の前に差し込む尾田っちはさすがですね。
自分の主は自分自身
そして、もう一つ象徴的なのは、「王様だろうと神様だろうと、誰が偉くたって関係ない」という、直前のセリフです。
「海賊」の前に、王も神も通じない。偉いも偉くないもないということ。なぜなら、自分が主で、自分に従って自由に生きるからです。そこに、立場も権力も関係ありません。
ルフィは、誰に対しても敬語を一切使いません。ちなみに、『ドラゴンボール』の孫悟空も敬語を使いません。相手が神様だろうが、界王様だろうが全王だろうがタメ口です(笑)
決して、敬語を使わないことがいいとは言いませんが、相手が誰であろうが、自分を変えないというのがルフィや悟空なのです。そこに、偉い偉くないということは関係なく、自分自身が自分の主であり、だからと言って、偉ぶることもありません。
なので、ルフィは、偉ぶる奴も嫌いです。権力を振りかざしたり、人を支配しようとする人も嫌いなのです。だから、国を投げ出し、逃げ出した、「それが大事」に反する行動を取ったくせに、「国王だ」と偉ぶるワポルが気に入らないのは当然のことなのです。
だからこそ、ルフィは胸を張って「海賊だから」と言えるわけです。
誇れる己になる
そんな風に、自信を持って自分のことを「○○だから!」と誇れるかどうかが大事なんだと思います。それは、仕事でもいいし、どんな人か、でもいいと思います。
私であれば、「保育カメラマンだ!」だったり、「道楽家だ!」みたいな(笑)
自分の仕事にも、道楽家であることにも、誇りを感じているので、胸を張って言えます。社会的に見たら、取るに足らない存在かもしれませんが、自分の主は自分自身なので、仕事に対しても、生き方に対しても、自信と誇りを持って生きていきたいですね。
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