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『リゼロ』36話「死の味」感想!(閲覧注意のネタバレ)

コラムを始める前に、一つだけ言っておきたい。

長月先生の鬼!鬼畜!!変態!!!

33話「命の価値」のコラムでは、「閲覧注意のネタバレ」と称しましたが、今回は、33話とは違う意味での閲覧注意です。


また、前回の35話は、「地獄なら知っている」というタイトルでしたが、今回は言うなれば、「スバルがまだ知らない地獄の話」とでも言いましょうか・・・。
詳しくは、これから存分に触れていきたいと思います。


ベアトリスの願い

レムとペトラを連れて、村へと避難するフレデリカ達。屋敷を不安げに眺めるペトラだった。

ペトラ

レムりんのお顔が久々に見られて、これからの展開に期待!なんて甘い展開ではないのはすぐにわかることでした・・・。今回唯一の癒しか・・・

レム


ベアトリスと対話するスバル。スバルが来ることをわかっていたベアトリス。それは、『叡智の書』に書かれていたからか。

ベア子1


『叡智の書』
を大事そうに抱えるベアトリスに対し、スバルは「ここから連れ出す」と言う。「そんな勝手・・・」と言い返すベアトリスだが、お見通しのスバルは、「その本に書いてあるんじゃないのか?」と問いただす。必死に『叡智の書』を読むベアトリスから、スバルが本を取り上げると、そこには何も書かれていない。

画像4


もうベアトリスの未来を示さなくなって、もう何年も経っていた。

ベアトリスの役割は、「知識の書庫」の維持と管理をすること。知識を溜め込むのが、何より好きだったあの人との契約。恋い焦がれるような表情のベアトリス。スバルは、エキドナと契約した精霊だとわかった。

ベア子2


ベアトリスは、エキドナから、「いずれ『その人』が現れる」と言われ、ずっと待ち続けていた。しかし、『その人』は来ず、本も教えてくれない。

ベアトリスは、誰でもいいから「自分の契約を終わらせる相手、この命を奪う相手」を待っていた。それがスバルでもいいと。

長月先生曰く、『その人』を待ち続ける事に疲れてしまい、終わりを望んでいた。スバルに期待をせたこともあったんだそう。
ベアトリスにとっては、未来を記さない『叡智の書』はあてにならず、来るかもわからない『その人』を待つのも、ベアトリスにとっては苦しみでしかなかったと言うことですね。


「死に戻り」をするスバルだからこそ、「死にたい」と言うベアトリスの思いが許せない。しかし、ベアトリスにとって、それこそ勝手な思いだった。ベアトリスが待ち続けたのは400年。『その人』を待ち続け、誰かが扉に手をかける度に、裏切られてきた。それは、もちろんスバルも含まれる。寝る前に自分の都合で、気軽に禁書庫にやってきて、話をして勝手に去っていく。そんな何気ないことでも、ベアトリスにとっては苦痛でしかなかった。

さらにベアトリスは、『叡智の書』に続きが記されないのは、所有者の未来がそこで終わっているからだと思っていた。スバルは、「一言でも言ってくれ」と言う。ベアトリスも、

「どうにかしてほしい・・・助けてほしい・・・」

と、細い声で手を伸ばすと、その手を掴むスバル。

手

「だからお前に、ベティを殺してほしいかしら・・・」

すぐさま手を払うベアトリス。

「どれだけそれを願ったと思っているのよ・・・」

ベアトリスは、簡単に諦めたわけではない。「助けたい」なんて言うなら、どうして400年も待たせたのか。そんな思いはとうに枯れ果ててしまった。
それでも救いたいと言うなら、

「ベティを、一番にして」

契約を上塗りし、一番に考え、引き寄せ、抱きしめてーー

ベア子6

悲痛な叫びを言うが、そんなことは絶対にできないと、ベアトリスはわかっていた。スバルには、エミリアとレムがいる。だから、死ぬしかない。

「それとも、お前がベティの『その人』になってくれるの?」

ベア子5

スバルは、何も言えず、何も言い返せない。
やっと出た言葉は、

「どうして俺なんだ・・・」

ベアトリスの『その人』になるのは、あまりにも重い。


エルザ現る

そこに現れたエルザ。

エルザ登場

「私があなたの『その人』になってもいいのかしら?」

エルザが「扉渡り」の魔法を破ったのは、屋敷の扉全てを開けることだった。スバルは、過去のループで扉が開いていた事を思い出す。

これは、32話の感想コラムで考察したことが的中しました。まぁ、わかっていた人も多いとは思いますけどね。


扉渡り破りをしたエルザは、気なる発言をする。

「メィリィが村から戻る前で本当に良かった」

フレデリカ達を村に逃がしたことはバレていた。だから分担したのだと。精霊のお腹を割れるのが楽しみなエルザを前に、スバルはベアトリスの前に立つ。

「仲良しなのかしら?妬ましい」

32話でも、エルザは禁書庫に現れて、同じような事を言いましたが、「仲良しであることが妬ましい」ということは、エルザの背景に何かがありそうですね。
また、長月先生曰く、エルザが扉を開けていたのは、スバルが目的ではなく、ベアトリスが標的だった、とのこと。

ククリナイフを向けるエルザに対し、スバルが「シャマク」を唱えようとすると、ベアトリスが「シャマク」を唱える。闇に乗じて、スバルはベアトリスを担いで村へと向かう。

シャマク


その途中に待ち構えていた、もう一人の刺客。

「あれぇ?お兄さんたちぃ、どうしてこんなところにいるのかしらぁ」

メィリィだった。

メィリィ1

「あの日は一緒に遊んでくれて楽しかったわぁ」

過去メィリィ


その正体は「魔獣使い」だった。「メィリィ・ポートルート」と名乗る。

二章で、ペトラ達と一緒にいて、スバルに呪術を施したウルガルムを操っていた少女。鬼化したレムを助ける騒動に乗じて、姿を消していました。
それにしても、エルザもそうですが、この世界では、フルネームで名乗る必要があるのでしょうか(笑)


メィリィによって、フレデリカ達は始末されてしまった。

「ペトラちゃんだったのは残念だったけど、お友達なんだから、痛くないようにひと噛みで済ませてあげたからぁ」

メィリィ3


残酷な事実を笑顔で答える姿に、スバルは絶望する。ベアトリスが立ち向かうと、エルザが来てしまう。襲いかかるエルザに、ベアトリスは魔法で対応する。

ミーニャ1

陰魔法はデバフ特化だとスバルは言いましたが、攻撃できる陰魔法が使えるのは、さすがはベアトリス。
また、長月先生曰く、スバルが唯一使える「シャマク」も、ベアトリスが使うと、威力は桁違い。多分ユリウスにも効く、とのこと。スバルのシャマクは簡単に蹴散らされましたね(^^;
ゲートがぶっ壊れているスバルに魔法を使わせないあたり、ベアトリスの優しさが染みます。


ベアトリスが使う「ミーニャ」は、「時の制止したマナの矢」として、当たると相手の時を止めてしまう。エルザは矢の攻撃を防ぐが、ククリナイフにも当たれば、武器ごと体が固まってしまい、バラバラに。

エルザ2


情もかけないメィリィ。ベアトリスは、今度はメィリィを攻撃しようとするが、子供相手だとスバルが止める。ベアトリスは、甘い事を言うスバルを突然突き飛ばす。顔を見上げると、ベアトリスは後ろからエルザに刺されていた。

ベア子刺され


ベアトリスは安堵したかのような顔で、「これで・・・やっと・・・」と言い、漏れるように光を放ちながらスバルの元に倒れこむ。そして、ベアトリスの体は、光って崩れ去っていく。止めることもできず、狼狽えるしかないスバル。

ベア子消失


「エルザーーーッ!」

と怒りを向けるも、頭を峰打ちで一太刀。

「今回はここまでなのか・・・」と、諦めるでも抗うでもない目に、「気に入らない目だわ」と、左目にナイフを突き刺す。痛み悶えるスバルに対し、死ぬ間際のベアトリスは、手を差し向け魔法をかける。

ベア子7


聖域での異変

青い光がスバルを包み込み、気付いたら、『聖域』でスバルが監禁された場所に転移されていた。ベアトリスも、誰も救うことができず、ボロボロの状態で『聖域』に戻ってきてしまった。
しかも、目の前の光景は、大兎が現れた、忌まわしく降り積もる雪。前回は、5日目のはずだったのに、今回は2日目。「冗談じゃねぇ」と呟くしかないスバルは、墓所へと向かう。頼りにできるのは、エキドナだけだった。どこまで状況が見えていたのか。問いただす為に。

中に入ると、そこにいたのはエミリアだった。

「すばるぅ・・・?」

サテリア

喜んだ声で駆け寄るエミリア。

「そうよ!スバル。私よ」

安心したのか、気が抜けたスバルは、エミリアにもたれこむ。

サテリアスバル


見るからにボロボロなのに、心配するどころか、身を寄せたことに喜び、抱きしめるエミリア。スバルも違和感を覚えていた。

サテリア2

「寂しかったよ、スバル。私を置いて行っちゃうんだもん」

「手紙を置いていったはずなのに」と言うが、「何のことぉ?」とあっけらかんに答える。スバルが戻ってきた事を喜び、スバルを信じていた、試練を頑張っていれば、スバルが助けに来てくれると。

エミリアの予想外の反応に、戸惑うスバル。なおもエミリアは、スバルの髪を触り、「スバルって、たまに私の髪を触りたがるでしょ?だからお返し」と。

その目にスバルは映っているものの、スバルの姿は見えていないようだった。

サテリア3

「ずーっと一緒にいて?あなたがいてくれたら、他に何もいらないから。
 スバル、だぁい好き!」

サテリア4

スバルの違和感は確実なものになる。

もはやホラーでしかない((((;゚Д゚)))))))
こんなおぞましい「だぁい好き」が他にあるでしょうか?


一人で墓所を出ると、待ち構えるガーフィール。

「エミリアが俺を好きだって言うんだよ」

惚気話に怒りがこみ上げるガーフィール。なぜなら、雪を振らせているのがエミリアで、雪を止ませる為に、連れ出させるはずなのに、惚気始めたからだ。

ガーフ2


しかし「エミリアが俺のこと好きだなんて言うはずねぇだろうがぁ!!」という悲しみの言葉が、ガーフィールの怒りを飲み込む。

「パックが、あいつがそばにいてやれば、そんな風に俺に甘えることなんてない。誰かがあの子を追い詰めたんだ」

それは、スバルの悲しみだった。
ガーフィールにとっては、そんなことは関係ない。「半魔を出せぇ!」と掴みかかるが、スバルは、雪を降らせているのはエミリアではないことを知っていた。パックがいないからだ。こんな大雪を降らすことができる人物は、一人しか心当たりがなかった。

「あいつに答えを聞くのが、この世界で果たす俺の最後の目的だ」

スバル2


ロズワールとの対話

ガーフィールと共に、ロズワールの元へ。
スバルは早速本題に。

四人

「雪を降らせているのはお前だな、ロズワール」

その言葉に、ロズワールは真顔になり、

「スバルくん、それは私から聞いたのかね?」

ロズ1

スバルが答えられないでいると、

「そうか。そぉか残念だ」

と言い、雪を降らせているのは自分だと白状する。

怒り出すガーフィールとロズワールの前に、ラムが立ちはだかる。

ラムガーフ

二人がいがみ合っていると、二人を衝撃が襲う。

「ラム、君は本当によくできた従者だよ」

突き刺し


そう言うロズワールの右腕は、ラムとガーフィールを貫いていた。血を流しながら倒れるガーフィール。そして、血を流すラムに、

「約束は違えない。私は、君にこの魂を捧ごう」

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腕を引き抜くと、ガーフィールの上に倒れこむラム。
スバルは、想像もできない出来事に、呆然と立ち尽くすしかない。
ラムに想いを寄せるガーフィールは、苦しみながらも、治癒の魔法をラムにかける。怒りで魔獣化しそうになりながらも、治癒を優先させるガーフィールだったが、ロズワールはガーフィールの頭を蹴り飛ばし、絶命する。

治癒ガーフ

長月先生曰く、ラムを使えばガーフィールを殺すのに最適、と言うロズワールの悪魔的な着想、とのこと。


二人を殺した理由は、「君と話すのに邪魔だったから」というもの。

「は?」と、理解ができないでいるスバルに、

「意外な反応だね。私の知る君は、こんな場面では向こう見ずで激昂する子だったが・・・」

図星のように言い当てられ、やっと怒りがこみ上げるスバル。

「お前はなんなんだよ!二人を殺して!魔女教のことだって!お前はなんども俺をはぐらかして!」

「何度も?そう、『何度も』だよスバルくん」

ついに、ロズワールの口から語られる。

「君はね、二人の死を悲しんでいないんだよ。怒りはある。義憤もある。だけど悲しみはない。取り返しがつくものと、君は思ってるんじゃぁないかい?」

その言い振りから、自分が「死に戻り」をしていることに気付いている事を悟るスバル。

ロズワールは、枕の下から一冊の本を取り出す。この世に2冊しかない本物の『叡智の書』。この本に書かれている、と。

叡智の書

ロズワールは、ベアトリスの願いを知っていた。スバルの様子から、その悲願を果たした気付いている。その発言を許せないスバルだが、

「あの子が羨ましいよ。私の悲願は、どうやら私には叶えられないらしい」

ロズ3

また新たな謎が生まれました。ロズワールの悲願とは?なぜ自分では叶えられないのか?それは、『叡智の書』に書かれていることなのか?


ロズワールの行動の目的は、「誓約があるから言えない」と言う。一つ言えることは、

「私の悲願を叶える為の最善を常に尽くしている。あらゆる画策も、非道も助力も支援さえもその為だ」

スバルには、ロズワールもベアトリスも、『叡智の書』に縛られるように見えていた。
大兎がやってくる、雪を降らすことも、その本に書いてあるのかと問う。ロズワールの答えは、

「エミリア様が孤立する」

まだ理解ができないスバル。
魔女と縁のある地で、エミリアがいる場所に季節外れの大雪が降れば、とても不安定な精神状態に陥る。依存するエミリアを、スバルは遠ざけられまい。

長月先生曰く、このループでは雪を降らせる用としていたロズワールにとって、「Memory Snow」ですら布石、とのこと。詳しくは、『Re:ゼロから始める異世界生活 Memory Snow』をご覧ください(笑)


「その為に俺の手紙を」と、ロズワールを疑うが、「手紙?」と知らない様子。

「何であれ、今の君では、書の示す未来に足りない。記述を違える以上、修正が必要だ」

ロズワールの真意については、後ほど述べたいと思いますが、『叡智の書』には、このループでの求められる答えが書かれているのでしょう。


「俺を殺す気か?」と聞くと、

「殺すとは本末転倒じゃあないかね?君には次の機会に挑んでもらわなければならないんだからね」

そう言うと、スバルを死なない程度にボコボコにする。

「これだけやっても、まだ『やり直し』をしないのかい?」

長月先生曰く、「殺したらやり直してもらえない」その考え違いが、ロズワールに対するスバルの唯一のアドバンテージ、とのこと。
つまり、ロズワールは、スバルがタイムリープしていることを知っていが、その方法を知らないと言うことですね。死にそうになれば「やり直し」をすると思っていた。だから、殺すのではなく、痛めつけた、ということですね。いつからスバルリープを知っていたのかはわかりませんが、きっとロズワールにとっても、「やり直し」を発動する瞬間を見たかったのでしょう。


「他人のやり直しを前提に、行動を計画してるなんて、どうかしてる」

そう嘆くと、あの可愛らしい魔獣がやってくる。

大兎


ロズワールの魔法で簡単に消し炭にしてしまうが、外には大量の大兎が。

「なるほどなるほど。そういう終わり方か」

ロズワールは、サテラの影に呑まれる時も、何の抵抗も足掻きもしませんでしたが、スバルによって、この世界は消えて無くなるものだと悟っていることで、自分が死ぬことも、ラムを殺すことも、ただの出来事でしかないのでしょう。


外に出た二人に、「キチュキチュ」と鳴きながら、大兎が迫っていた。スバルにとって、まだ2日目なのに、大兎が現れることは予定外だった。

大兎2

大兎は、強いマナに引かれて現れる。魔法による雪が、大兎を引き寄せるのだと、ロズワールは言う。
スバルは、ロズワールとは一時休戦して対抗しようとするが、ロズワールは首を横に振る。

「試練を終えていない限り、聖域の住人は結界を越えられない」

そう言うと、大兎に向けて歩いていく。「お前は次でいいと思ってるかもしれないけど」と言うスバルの言葉に、

「私は、君がやり直したとしてもやり直せない。今の私はここで終わる。君がやり直した私ではない私が、いつか目的を達する為なら、構わない」

自分の生にも死にも、執着しないその答えに、

「人間の考え方じゃない」と言うスバル。

「いずれ君が、本当の意味で、私に追いつく時がくるよ。
 本当の本当に、君にとって大事なたったひとつのもの。それ以外の一切を手放し、ただただ大事な一つを守り抜くことだけを考えるんだ。そうすれば・・・君も、私みたいになれるさ」

そう言い残し、ロズワールを大兎の群れが喰らいつく。

ロズ兎


命からがら逃げ延びたスバルは、再び墓所のエミリアの元へ。

「どこ行ってたのぉ?心配しちゃったじゃない」

サテリア5


またもエミリアは血まみれの手を握っても、スバルに心配の目を向けない。「もしかして、疲れてる?」と聞いたエミリアは、「じゃあねじゃあね!スバルスバル!スバル私の膝枕、好きでしょ?」

エミリアに膝枕をされるスバルの体には、大兎に噛まれた跡が無数にある。

膝枕

「無茶しないでね。だって、スバルっていつも誰かの為に無茶して。ちょっと複雑なの。スバルの無理は、私の為だけにしてほしい。なのに、誰かを見ないふりをするスバルも嫌で。ごめんね?私、わがままだよね」

スバルの目から、光が消える。その姿を見て微笑むエミリアは、スバルに口づけをするのだった。

死のキス


衝撃の鬱ホラー回

いやもうね、初見で見たときは、久々に精神がヤバかったですよ・・・。最初から最後まで、絶望しかないし、最後はもはやホラーです。演出も完全にホラー調で、BGMといい、よくもこんな風に描けるというものですよ。

今回は、明らかに今までとは違う、「鬱回」であり「ホラー回」ということで、「鬱ホラー回」ですね。

ちょっと、コラムを作るにも、相当なエネルギーが必要になったので、配信が遅くなってしまいました(^^;
楽しみに待っている方、ごめんなさい。でも、相当な情報を詰め込んでいるので、まだまだ楽しんでいただけるのではないかと思います!


ロズワールの非人間性

ミイラ状態になっても、普通に強いロズワール。原作によると、魔法を練っていたんだとか。そして、何よりも恐ろしいのは、スバルが「人間の考え方じゃない」と言ったように、どうせまたやり直すんだから、何をしても構わない、という思考です。スバルは、ロズワールのその思考に、憎悪と恐怖を感じました。しかし、ロズワールは、「いずれ君も、私のようになる」と答えます。ロズワールの話ぶりでは、ロズワールは「死に戻り」はできませんが、幾度となく死線を越えてきたんだろうし、感情を失うような経験をしてきたのでしょう。

死への恐怖を超越しているように感じます。まるで、自分へも、他者に対しても「生への執着」がないかのように。確かに、スバルは自分が死んで「死に戻り」をすれば、失った命も取り戻せる。しかし、それによって、自分が死ぬことも、誰かを死なすことにも、何も思わなくなる。何も感じなくなることになってしまうのではないか。
前回、「何度でも『死に戻り』することを覚悟した」と描かれましたが、そこに対する違和感があるということが、繋がってきています。


原作によると、ロズワールは、「死に戻り」はできないし、やり直された世界の記憶を引き継げる訳でもないそうです。

ただ、「スバルとロズワールの目が似ている」「君は私に似ている」と言われていたり、今回も、「君も私みたいになれる」という発言から、スバルとロズワールには共通の何かがあるのかもしれませんね。


ロズワールは、答えを知っている

私が思うに、ロズワールは『叡智の書』に予言された、正解のルートを知っている。やり直される世界のことまでは書かれていないと思いますが、スバルの言葉や反応によって、今どの辺りをやり直している、と目星をつけているのでしょう。そして、正解のルートに導くよう、雪を降らせて大兎を引き寄せたり、エミリアを孤立させている。そして、勝手な予想ですが、エルザに屋敷のことやベアトリスの情報を伝えた上で、屋敷を襲うよう依頼したのではないか。

全ては、スバルに世界をやり直させて、正解のルートに導くために。

ロズ1

スバルは、「人間の考え方じゃない」と言いましたが、それはある意味、手段を選ばず倫理も人の命も厭わない。まさに、ロズワールにとって、スバルは最大の味方と言えますが、スバルにとっては自分の「死に戻り」を利用し、幾つもの死や恐怖、悲しみを踏みにじる、憎い相手、と映っているでしょう。スバルにとっては決して、味方とは言えません。

ただ、おそらく「結果的にはロズワールの行動は正しい」のでしょう。いずれスバルも、そう思う時がくるかもしれません。もう少し違うやり方であれば、スバルと協力してできることもあるのかもしれませんが、まだまだロズワールは謎が多いし、「誓約」が何かもわからないので、それができない理由があるのかもしれません。


手紙の謎

スバルは、出立の前に、手紙を置いて行きました。しかし、その手紙は、エミリアにもロズワールにも伝わっていなかった。だから、エミリアは精神不安定な状態になってしまいました。

スバルの置き手紙は、誰が隠したのか

三章で、未来に関わることが書かれると、白紙になってしまうということがありましたが、今回は、手紙そのものがなくなっていました。

容疑者は二人だとみています。一人は、ラムです。ロズワールから何かを知らされていたラムは、手紙が読まれる前に、処分してしまった、と考えられます。
もう一人は、リューズさんです。スバルに好意的なリューズ・ビルマではなく、解放反対派のリューズ・シーマの方です。
スバルが出立するのを、「聖域の目」である複製体が見ていましたが、怪しい行動の為に、手紙を処分した、と考えられます。

ただ、この世界はもう終わるので、手紙を処分した犯人探しは、無駄かもしれませんね・・・。物語に関わることなら、描かれるかもしれませんね。


エミリア?サテラ?

今回のエミリアは、明らかに普通の状態ではありませんでした。前回のループでは、エキドナに「死に戻り」の告白をしたことで、エミリアの体を依り代として、サテラが降臨してしまいました。死に戻った先でのエミリアは、いつも通りで、スバルがガクブルしたおかげで、エミリアは今までで一番安定した状態になりました。しかし翌朝、スバルが屋敷へ戻り、手紙を残したものの、エミリアにもロズワールにも伝わっていなかった。しかも、雪が降ったことで、エミリアに対して、疑惑の念が向けられた。パックもスバルもいない状態で、エミリアは精神不安定になってしまったと。

サテリア4

しかし、ただ精神不安定になったからといって、死にそうになっているスバルに、治療しようとも、心配もしていない。それはどう見ても異常です。命の火が消えたスバルを見て、微笑みキスをするんですから。それが、タイトルでもある「死の味」ということですが、タイトルの色は、スバル色で、赤は「血」を意味しているのでしょうか。

死の味


エミリアを見て、前回とは違えど、サテラ化したように感じます。つまりは「サテリア」です。今後、サテラ化したエミリアを、「サテリア」と呼ぶことにします(笑)。今回のエミリアは、「病ミリア」と呼ばれているそうですね(^^;

もしかしたら、精神崩壊しただけなのかもしれないし、あの姿がエミリアの本性、正体なのかもしれません。一応、原作によるとサテラではない、とのことですが、どうも納得できない・・・(笑)。『リゼロ』は基本、スバル視点で動いているので、エミリアがどのような時間を過ごしたのかわからないということもありますが。もしくは、やはり「半魔」と呼ばれるだけの素質があったということでしょうか・・・。

スバルが「死に戻り」の度に「魔女の瘴気」が濃くなるように、前回のループでサテラが降臨したことで、サテラの力が強くなり、その影響があるのではないかと思っています。というか、そうあってほしい(笑)


原作補完情報

エルザが死ななかった理由

エルザは、ベアトリスの魔法「ミーニャ」によって、間違いなくバラバラになりました。それでも、死んでおらず、ベアトリスを刺し殺しました。

エルザは、一度だけ魔を払う術式で編まれた外套を着ていて、一章でも、エミリアの攻撃を防ぎました。今回もその術式によって守られたのかもしれませんが、原作によると、「意地悪な誰かの福音」と述べています。エルザも魔女教の関係者なのか、それとも依頼主による術式なのか。明かされるのを待ちましょう・・・。


スバルが墓所に戻る、カットになったシーン

死ぬ間際のベアトリスによって、『聖域』に飛ばされたスバル。その後、すぐに墓所に向かい、エミリアと再開しますが、アニメでは違和感がありました。墓所を出たら、ガーフィールと複製体リューズが待っていましたが、墓所に入る前に会っているはず。

そのやりとりは、全カットされていました。

原作では、左目を失って戻ってきたスバルとのやりとりがあります。『聖域』には雪が降り積もっていましたが、雪を降らせているのはエミリアだと思われていた。雪を止ませるよう、スバルに頼んでいたのです。

そして、大兎に襲われたのに、どうやって墓所に辿り着いたのか。それは、「強欲の使徒」の権利を利用して、リューズ複製体を呼び出し、大兎に突撃爆破させた隙を突いたそうです。また、大聖堂に避難していたオットーを始め村人たちは、大兎に食われる前に、火をつけて集団自決したそうです。酷たらしい。


ロズワールとの対話でカットになったシーン

それと、ロズワールとの対話も、カットされている部分があります。

それは、エミリアについてのこと。雪を降らせたのは、「エミリアを孤立させる為」とロズワールは言いましたが、その理由がしっかりと述べられませんでした。

エミリアは、一人でいる時間が長く、褒められたり、認められることに弱いチョロインです。逆に、人に嫌われることを、とても怖がっている。まだ「王選」に出る理由は語られていませんが、おそらくこの辺りに起因すると見ています。

そういうエミリアを孤立させる、疑いの目が向くのは、エミリアとって、とても苦しいこと。しかも、頼みのパックはいないし、追い討ちをかけるようにスバルもいなくなってしまった。そんな精神不安定な状態にすることが、ロズワールの目的だったのです。おそらく、そうなることで、サテラ化すると分かっていたのではないでしょうか。

ロズワールについては先に述べてきましたが、サテラ化させることが真の目的ではなく、「スバルを次のステージに進ませる為に必要な行程」なのではないかと思います。

エミリアを孤立させてはヤバいことになる。それをわからせる必要があった、と。


死ぬこと以上の地獄

スバルは、何度でも「死に戻り」する覚悟を決めました。それにより、失ったものも、死ねば取り戻せると考えるようになっています。だから、目の前でラムが殺されても、「死に戻り」さえすればなんとかなると思っている。そして何より、「何度も死ぬ」という異常な経験を繰り返せば、まともな神経ではしられません。

死ぬ恐怖はもちろん、痛みもあります。大兎に殺された時も、大きなトラウマになりました。何より、今回のように、目の前で大切な人が殺されるということが、一番の恐怖でしょう。自分が死ぬなら、死に戻れます。でも、自分が生き残ってセーブポイントが更新されてしまったら、もう取り戻すことはできません。

今のスバルは、「どうせ死ぬんだから、今回のループのお土産を持ち帰らないと、意味がない」と思って行動しています。ただ、セーブポイント更新の条件もわかっていないのに、あまりお土産にこだわりすぎると、取り返せないものが出てくるかもしれません。

もはや、スバルが死ぬこと自体は、地獄でもなんでもない

今回のループでは、ベアトリスを救うことは出来ないどころか、死なせてしまう結果になってしまいました。更には、ロズワールによってラムもガーフィールも殺されてしまい、そのロズワールも大兎に食い殺されました。

つまり、「まだ準備が足りていなかった」ということです。ロズワールに託された、ベアトリスへの2つの質問もきちんとできていなかったし、わからないことが多すぎて、スバルも対応できていません。

スバルにとっては手探り状態なので、蓋を開けてみなければわからないという無理ゲーなわけですが、攻略のヒントを見つけるものの、まだイベントクリアの条件を満たしていないので、さらに酷い仕打ちが待っています。今回も、最速で帰ったにもかかわらず、エルザは襲撃に来て、メィリィも正体を表しました。さらには、大兎も登場して、絶望のオンパレード。

スバルにとっては、かなり酷ですね。あな恐ろしや・・・


唯一の希望

1期で、レムがペテルギウスに殺された回が、「鬱回」と言われています。今回は、勝るとも劣らない「鬱回」だと言えるでしょう。いや、「鬱ホラー回」か。

長月先生も、大兎に食い殺されたのは、スバルにとって最も残酷な死でしたが、一番酷い目にあったのは、今回と言える、と述べています。1期では、レムが目の前で殺され、魔女教徒にラムやペトラたちも殺されていましたが、やはり、目の前で殺される衝撃は計り知れないでしょう。

レムが殺された回は、見るには勇気がいる回で、今回も、また勇気がいる鬱回です。ベアトリスの儚さ、エミリアのサテラ化、ロズワールの非情さ、包み込む絶望。どうすれば、ベアトリスを救えるのか。どうすれば、ロズワールが目指す正解ルートに辿り着けるのか。それはわかりません。現状、全く正解は見えてきませんが、それでも唯一と言っていい希望があります。

それは、「神回」の存在です!!

1期で、鬱回を乗り越えたことで、18話の「ゼロから」に辿り着き、世界中を涙させ、私の人生まで変えてしまいました。

ゼロから


2期でも既に、29話の「親子」という神回があり、32話の「ユージン」33話の「命の価値」という、神シーンがありました。ただ、既に絶望が何度も来ているので、過去の神回を超える神回がないと、釣り合わないのではないでしょうか。

どんな「神回」が待ち受けているかはわかりませんが、間違いなくその時は必ず訪れる!それだけは確信しています。

光が強くなれば闇も濃くなるように、絶望が大きいほど、希望も大きくなる

そう思って、「大神回」までの数々の絶望を乗り越えて、そこに辿り着きたいですね。


37話の予想展開

今回は、スバルにとっては、相当な絶望でした。そして、ロズワールの考えや目的は、まだスバルには計り知れないでしょう。それこそが、今回の1番の収穫ではないかと思っています。

スバルが『聖域』に飛ばされて、墓所へと向かいましたが、それはエキドナに会うためです。「なんでボルテージ」もそこそこ溜まったと思っていたのでしょうけど、その前にサテリアがいて、それどころではなくなりました。
おそらく、「なんで」が足りなかったのではないかと思われます。

そこに、ロズワールとの対話がありましたが、まだ追いつかないロズワールの条件との間には、大きな相違があります。それこそが、「なんでボルテージ」を貯めることとなり、茶会招待に近付いたのではないか。

ちょっと早いですが、もしかしたら、次回あたり、またドナさんが登場するかもしれませんね。ベアトリスとの契約のこと。ロズワールのこと。『叡智の書』のこと。エミリアのサテラ化のこと。『聖域』での実験のこと。リューズさんのこと。そして、エキドナの目的、などなど。最初、茶会に招かれても、聞くことあるか?と思ったら、これだけありました(笑)

まぁ、茶会に招かれれば招かれるほど、次への招待のハードルが上がってしまうので、むやみに「なんで」発動をすべきではないかもしれません。

エミリアが精神不安定になると、サテラ化してしまうのだとしたら、スバルはエミリアから離れることはできません。「エキドナに会うには試練」というキーワードもあったので、茶会に招かれるよりは、スバルが試練に挑んでエキドナに会う方が自然なように感じます。

ロズワールも言っていましたが、やはりまず突破すべきは「墓所の試練」ということになりそうです。スバルがまずすべきことは、屋敷に行くことでも、ベアトリスを解放することでもなく、試練を突破することなのでしょう。


今回は、かなり精神をやられた方が多いのではないかと思いますが、唯一の希望を胸に、乗り越えていきたいですね(笑)


『Re:ゼロから始める休憩時間』2nd SEASON #11


こちらも公開しておりますが、今回は、「裏稼業姉妹暗躍日報」というテーマです。事を終えた二人がの会話。何気に、重要な情報が明らかになりました!

エルザが報告をする依頼主は、「スバルと同じ目をしたあの人」とのこと。
これで、あの人の依頼であることが明らかになりましたね!

なぜ「あの人」がそんなことをするのか。それは、今回存分に記せたのではないかと思います。


画像出典:『Re:ゼロから始める異世界生活』/長月達平 WHITE FOX


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