白石定規

ライトノベル作家です。 「魔女の旅々」シリーズなど書いています。 noteには基本的に…

白石定規

ライトノベル作家です。 「魔女の旅々」シリーズなど書いています。 noteには基本的に日々の話を書くつもりです。

最近の記事

309号室

これは私が大学生の頃、とあるマンションの309号室に住んでいた頃の話です。  当時大学生だった私は、学業のほかにアルバイトと小説の執筆を同時並行で行っており、忙しない日々を送っていました。毎日深夜3時くらいまで作業し、ベッドに入れば死んだように眠る日々。今となっては考えられないことですが、当時の私はそんな風に睡眠時間を削ってまで頑張ることにやりがいを感じていました。  奇妙な出来事に見舞われるようになったのは、その頃のことでした。  ある日、いつものように深夜帯にベッドに

    • 3時間前にチェックインしたホテルの場所がわからなくなり迷子になるラノベ作家2019

      白石定規という自称ライトノベル作家の間抜けなエピソードは枚挙に暇がない。  2019年末のことである。  その日、僕は東京で用事をこなしていたのだが、陽が暮れるよりも前にお仕事がすべてすっかり終わってしまい、夕方にある飲み会まで数時間の暇ができた。  それだけの時間があれば一度ホテルに寄って荷物を置くことなど造作もない。  僕は翌日の早朝には飛行機に乗るスケジュールになっていたので、荷物を前もってホテルに置く時間的余裕があるならぜひ置きたかった。ので、その旨を話して、僕は

      • Siri(誤変換)が大変なことになった話

         魔女の旅々19巻のあとがきに書こうとしたけれど内容が内容だったために(あと普通に長すぎるので)結局お蔵入りになったあとがきのようなものをここに供養いたします。 ちなみに白石は現在健康です。 ↓↓↓本編はここから!!  尻から血が出た。  朝、いつものように用を足した時のことである。  何の痛みもなく、違和感もなく、トイレットペーパーは赤く染まっている。 「あ、やっべぇ……」 僕はトイレで一人呟いた。  排泄物が血に塗れている経験など今まで生きていて一度もなか

        • 魔女の旅々17巻の裏話(ネタバレ注意)

          この話は魔女の旅々17巻のネタバレになるので、17巻を読み終わった方のみ読んでもらえたら嬉しいです。それではどうぞ!! ↓ ↓ ↓ 6 ↓ ↓ ↓ 5 ↓ ↓ ↓ 4 ↓ ↓ ↓ 3 ↓ ↓ ↓ 2 ↓ ↓ ↓ 1 魔女の旅々17巻に出てくるアンネロッテの設定を思いついたときのことを書こうと思う。(※特定を防ぐためフェイクも交えて書きます。) 事の発端は数年前のある日、僕が警察署にて警察から取り調べを受けていたときのことだ。 はい。 こんな不穏な出だしに恐

        309号室

          ホテルのトイレでキレた話

          これは僕がまだ愛知県に住んでいた時の話である。 地方在住のライトノベル作家にとって出版社からのお呼び出しはちょっとした小旅行のきっかけでもある。 愛知県在住だった頃、仕事のために東京に出向いたことは数知れず。泊まったことも数知れず。ひょっとしたら貴重な休日を頻繁に仕事で消費することになってさぞ忙しいのだろうと思われるかもしれないけれど、ここで白状したいのが当時の僕はビジネスホテルに泊まるという行為を趣味の一つとしていた。 そもそも愛知県在住なので帰ろうと思えば帰れるのだ

          ホテルのトイレでキレた話

          大雨の下で見知らぬ人と雨宿りした話

          急な大雨。 雨宿りのために駆け込んだ軒下。 そこで偶然出会う同世代の男女。 なんとラブロマンスにおあつらえ向きの舞台だろう。物語の導入としてこれほど分かりやすいものがあるだろうか。創作物ではこのようなシチュエーションで出会った二人はしばしば恋に落ちるものだ。 もう時効だろうと思い今回はnoteに綴るが、実は数年前にこのような場面に偶然遭遇したことがある。 今日はそんなラブロマンスにありあがちなシチュエーションの下で徹底的に片っ端からフラグをへし折っていった悲しきライ

          大雨の下で見知らぬ人と雨宿りした話

          そうだ、京都に行こう

          数年前の夏ごろのことである。 出会いと別れの物語を書いているライトノベル作家こと白石定規こと僕こと馬鹿は、ある日唐突に思った。 「なんか旅館に泊まりこんで原稿書くって作家っぽくて……良いな……」 当時の僕は「作家っぽい」という単語に妙な魅力を感じている時期(馬鹿)で、そのせいで日々喫茶店に行ってはドヤ顔でノートPCを開き、隣の席で繰り広げられるマンションの勧誘と陰謀論に耳を傾けながら小説を執筆するというのが日課だった。 そしてこの日も僕はなんとなくの雰囲気で作家っぽい

          そうだ、京都に行こう

          サイン会の裏話

          4月某日、都内某所にて魔女の旅々のサイン会が執り行われた。 GAノベル創刊とともに商業出版がスタートした魔女の旅々もついにここまで来たのかと僕は目頭が熱くなった。サイン会なんてデビュー当初から抱いていた夢である。まるで遠足を待ちわびる小学生のようにカレンダーを日々眺めながらサイン会当日を待ったことは言うまでもない。そしてカレンダーを見る度に「やだ……私の予定……空きすぎ……?」と思ったことも言うまでもない。 しかしサイン会当日が近づいたある日、僕はとある問題に直面する。

          サイン会の裏話