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雨のブリュッセルで駆け込み乗車に失敗した話
東京では毎日駆け込み乗車という名のエクストリームスポーツが開催されているが、私は参加したことがほとんどない。
今回は前回に続き、留学から帰る途中でベネルクス3国に立ち寄った際のお話。
なぜベネルクスへ?
このパターンに飽きてきた感はあるが、またしても特に理由はなく、予約した最安の飛行機の便がアムステルダム発のため、ナンシーからアムステルダムまで移動する必要があったのである。
そしてついでにルクセンブルクとブリュッセルに寄り道していこうという思惑だ。
ルクセンブルクへ
ナンシーを出発した列車は途中いくつかの駅に止まりながら北上。
車内放送を聞いていてふと気付いたのだが、”Luxembourg”はフランス語ではリュクサンブール、英語ではラクセンバーグと発音する。
では日本語読みのルクセンブルクはどこからきたのかというとドイツ語由来なのだ。化学などを学んでいるとよくあるのだが、現地語(例えばドイツ語)読み、英語読み、日本語読みが全部異なっていたりして大変紛らわしい。
途中でメッスという駅に到着。
便によってはここが終点で乗り継ぎが必要になる場合があるが、今回は直通するため乗り換えの手間が一回減った。
そしていよいよ国境を超えルクセンブルクに入国。陸路での国境越えは初めてである。
といってもシェンゲン協定により国境の行き来は自由なため、あまり国境を越えたという感覚はなく、GPSを確認したらいつの間にか入国していた感じだ。接続する通信会社もひっそりと変わっていたのだがあまり感動がない。
そして列車はルクセンブルク駅に到着。
ルクセンブルク駅はフランス、ベルギー、ドイツと様々な方面から路線が集まるジャンクションとなっている。
ブリュッセルまでの乗車券を購入。国際線になるため窓口で発券してもらう必要がある。
ルクセンブルク観光
乗り換えに3時間ほど時間があるため駅周辺を観光。駅は新市街に位置し、観光スポットの多い旧市街は渓谷を挟んだ向かい側にある。
といっても旧市街へは歩いて10分かからないため、サクッと見て回るだけならベルギーやフランス、ドイツからの日帰りでも全く問題ないと思われる。
これが渓谷。渓谷の下にも街があり、要塞と自然が一体となった面白い景色が広がっている。
ちなみに渓谷の下に行く場合、かなり高低差があるため無料で使えるエレベーターを利用するのが良い。
ただしめちゃくちゃひっそりと存在しているので事前に知っていないと見つけるのは難しいと思われる。
この坂上り下りするのは大変そう。
下から眺めるといかに渓谷が深いか実感できる。
建物と崖が一体化している!
歴史的には交通の要所であったゆえに要塞化されており、今でもその面影を見ることができる。
上に戻り旧市街を探索。
ルクセンブルクではフランス語が使われているが、前回のアルザス地方と同様、現地語はドイツ語に近いらしい。
建物もどちらかというとドイツ文化の影響が強いように感じられた。
ブリュッセルへ
駅に戻りブリュッセル行きの列車に乗車。在来線特急はインターシティという名称で、年季のある客車列車が使われている。
車掌さんの車内放送がかなりドイツ語訛りが激しく、ブリュッセルの発音がとても力強くンドゥリュッッシュエルみたいな感じだった。
国境を超えベルギーに入ってすぐのアルロンという駅で乗り継ぎ。
そしてブリュッセルに到着。
雨の中宿へ向かう。今回は珍しく中心部に宿をとった。
市内散策
夜のブリュッセルを散策してみる。ありがたいことにいつの間にか雨は止んでいた。
少し人の集まっているところを発見。小便小僧である。
なんかむかつく顔してるなあ。
世界3大がっかりスポットとして有名だが、実際のところその辺の公園にあるような彫刻とそんなに変わらないため、わざわざこれを見に来る価値はないと思われる。
というか小便してる小僧が見たいだけなら日本を出る必要すらない。
知ってる人も多いかもしれないが、実は小便小僧の近くには小便少女も存在する。ひっそりした袋小路の奥に人が集まっていた。
こちらが小便少女。なんか檻に入れられてる。
う~ん……。
たしかに小便小僧に比べると少し下品というか、わっはっはと笑えるようなものではない気がする。
とはいえ、広場で多くの観光客に囲まれている小便小僧と、狭い路地の奥で檻に囚われている小便少女の差を考えると悲しくなってくる。
ちなみに檻に入っている原因を調べたところWikipediaに答えが載っていた。
道路から手が届く位置にあったために、像に触る人が後を絶たず、像の局部周辺がはげあがってきたために、柵が設置され、触れることができなくなっている。また、盗難防止も兼ねている。
( Wikipedia より引用)
なにしとんねん(;・∀・)
気を取り直して散策再開。雨に濡れた地面に光が反射して良い雰囲気。
ライトアップも良い感じ。
ベルギーもドイツの影響が強いのか、夜はビールを飲んで盛り上がっている人たちが多かった。
とはいえ夜になっても賑わっているエリアは極わずかで、少し離れるとすぐに人気のない場所が広がっていた。
そんな人通りのない暗い路地を歩いていると、いきなりコンコンと窓ガラスをノックする音が!
何事かと建物に視線を向けると、そこには百貨店で見かけるようなどでかいショーウィンドウ!
……と、その中に下着姿のお姉さん。
。
。。
なんと、そこは風俗街だったのである。
正直かなりビックリしたというか、恐怖で腰が抜けそうになったため足早に退散した。
(Googleストリートビューより引用)
ちなみに後から調べたところ、ブリュッセル北駅周辺は治安がかなり悪いらしい。私が散策していたときも妙に人が少なかったり道端にゴミが散乱していたりした。
ただ、治安の悪さは特に感じず、夜中にも関わらず人通りのない道をバリバリ歩いていたのだから驚き。
危機管理センサーがぶっ壊れているのだろう。きっとそうだ。
翌日
宿をチェックアウトし、駅へ向かう。またしても雨が降っていたため地下鉄を利用。
しかしながら、路線図を一切把握していなかったため、ブリュッセル中央駅に行くはずがブリュッセル南駅に着いてしまう。
乗る予定の列車は南→中央→北の順に停車するのだが、中央での発車時刻に間に合うよう出発したため南駅へ行くとなると乗り継ぎの時間はわずか3分となる。
駅についた瞬間から猛ダッシュ!ものすごい勢いで乗車券を購入しエスカレーターを駆け上りプラットフォームへ。
どうにか間に合いドアの開閉ボタンをプッシュ!
……が、ドアが開かない。
一瞬間をおいて列車が動き出す。
。
。。
。。。
置いてかれたorz
仕方がないので駅構内のスーパーで買い物をしたり、撮り鉄をして時間をつぶす。
ぴったり一時間後のアムステルダム行きに乗車。
スーパーで買ったベルギーワッフルを車内で食す。
ちなみに日本でよく見る丸いタイプ(手前)はリネージュワッフルで、四角いの(奥)はブリュッセルワッフルと呼ばれているらしい。
パーティーでも始めるのかというレベルの量を買ってしまったが、当然食べ切れないためほとんどお土産行きとなった。
アムステルダム散策
アムステルダム中央駅に到着。ナンシーから考えると実に550kmも移動した。乗車時間は合計7時間ほどだ。
余談だが1958年に登場した電車特急こだまは、だいたい同じ距離の東京大阪間を6時間50分で結んでいたため感覚的には同じ感じだ。
というか欧州の標準軌特急と同じスピードを半世紀以上前に狭軌で実現している国鉄は本当にすごいと思う。
アムステルダムは路面電車がかなり充実しており、一日乗車券を使えばかなり効率的に観光できる。
駅の外観。目の前に水路がある。
オランダは国土の多くが海面下にあり、干拓と治水によって長年水と戦ってきた歴史がある。
そんなわけで街の中のいたるところに水路があるのだ。
そしてオランダといえば自転車。自転車レーンが整備されており、かなりバリバリ走っているため渡るときは注意したい。
路面電車もかなり運行頻度が高く、いたるところで詰まっていた。
レトロな路面電車も一回だけ見かけた。後ろはゴッホ美術館。
チューリップの球根。そもそも検疫通るのだろうか。
風車。このようなレトロな風車はあまり残っていないらしい。
オランダの建築物は赤色が多いようだ。
ベルギーやフランスはどちらかというと白系統の建築物が多かったので、この辺りも文化の違いが見られる。
また、オランダはプロテスタントということでその辺りも違いがあるはずなのだが、残念ながら協会に立ち寄ることはなかった。
やっぱり水路いいなあ。
鉄分補給も捗った。
そして安定の裏路地。
空港へ行く
夕方頃、地下鉄でアムステルダム南駅へ。
空港へのチケットを購入。
またしても2階建て車両。
スキポール空港はターミナルが一つに集約されているという特徴がある。
ちょうど夕日が見れた。
乗る便はエティハド航空のアブダビ行き。
おわりに
そんなこんなで、割と普通の優雅な鉄道旅になってしまったがいろいろと楽しむことができた。
……といったところで今回はここまで。
次回はアブダビ編!
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