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【就活記4】就活ガチ勢、早期選考と理系就活で10社から内定をいただく

修論がやばくなりつつある限界院生のメモその4。

今回は夏インターン終了後、10 月以降の就活について取り扱う。本記事のターゲットは以下のような感じ。参考にしてほしい。

・夏インターン後の早期選考について知りたい人
・日系大手企業の本選考について知りたい人

一方で以下のコンテンツは取り扱わない。

・就活序盤での動き方について
・ES や面接・GD・ケース面接など選考の具体的な対策について

→「その1」でやった

・ジョブ選考および夏インターンの内容やその対策について
・外資コンサル等の超早期選考について

→「その2」でやった

・夏インターンについて

→「その3」でやった

・秋 / 冬のインターンについて
・1週間以上の拘束があるインターンについて
・学校推薦を前提とした就活について

→私は経験していない

この記事で伝えたいこと

毎度おなじみのエグゼクティブサマリー。結論、お伝えしたいことは以下の通り。

  • 企業によって本選考の開始時期や名称が異なる!個別に調べよう

  • 本選考では「基礎能力」だけでなく企業との「マッチ度」も重要

  • 内定獲得後のことも考えてキャリアビジョンの解像度を高めていこう

スケジュールについて

まず初めに夏以降の就活スケジュールについて簡単に確認しておきたい。夏インターン経由の早期選考はインターン終了後の 9-10 月あたりからスタートし、だいたい年内に内定が出るのが一般的だ。なお、秋・冬インターンやコンサル等のジョブ選考に参加する場合は 10-11 月あたりはかなり忙しくなると思われる。

年が明けると日系メーカーなどがのんびりと本選考を開始し始める。だいたい 2-3 月あたりに選考スタートで 4-5 月に内定を出すのが一般的かと思われる。経団連のルールでは広報活動の解禁が3月で選考活動の解禁が6月……といったスケジュールだが、守っている企業なんているのだろうか?

なお、業界や企業規模によらず比較的足並みの揃う夏インターン選考と違い、本選考は業界・企業によってかなりばらつきがある。このあたりは ONE CAREER などで個別に確認しよう。

特に日系大手を受ける際に注意したいのが、「選考」と明言しない選考ルートが存在することだ。例えば企業説明会に参加するとリクルーターがつき、そこから ES を添削する体で面接が始まる……といったケースがある。「面談」と書いてあっても油断してはいけない!

なお、個人的に面白かったケースとして「社員とのキャリア相談会」(という名の二次面接)に通過後、「別の社員とのキャリア相談会」(という名の最終面接)にお誘いされるという選考ルートがあった。経団連への忖度という大人の事情をゴリゴリに感じつつも、実質的な選考として臨んでいこう。また、日系大手企業では内定についても6月内々定出し&10月内定出しを徹底しつつ、それ以前は「マッチング成立」とか「〇〇社で一緒に働こうね♡オファー」とか巧みな言葉遣いではぐらかす企業が多い。

秋以降の就活戦略

次にざっくり私の戦略について共有しておく。私は元々夏インターンまでは就活にフルコミットし、秋は持ち駒を増やすことはできるだけ避けてインターン経由の早期選考を中心にし、浮いた時間労力を研究へ費やす予定だった。その一方で日系メーカーを受ける関係から春まで就活が続くことが確定していたため、あまり内定獲得の早さにはこだわりがなかった

で、結果的に夏インターンやジョブでは予想を上回る成果となったため、秋就活で新しくエントリーした企業はゼロ。インターン経由で早期選考に呼ばれた企業の中から特に興味のあった6社にエントリーし、その内5社から内定をいただいた。その後冬頃から日系メーカーに計4社エントリーし3社から内定、残り1社は最終面接前にこちらから辞退。夏までに内定の出ていた2社を合わせ、合計 10 社から内定をいただくという戦績になった。

もちろん夏インターンで早期選考に呼ばれなかった企業もあるため実際の勝率はもう少し落ちるが、少なくとも 10 月以降の選考では1度も落選していない。これは別に「グヘヘ……私は天才チャンだよ~~ん ( ・´ー・`)ドヤア」と自慢したいわけではなく、本選考を突破する力にはある程度の再現性があると考えている。詳しくは後述するが、「基礎能力」の他に「マッチ度」が重要だ

なお完全に余談だが、秋以降は研究に注力しようと思っていた私のモチベーションは研究室で不愉快なイベントが2度発生したことで完全に打ち砕かれた。そんなこんなで、空いた時間・労力はエンジニアの長期インターンと文化祭的なイベントへ費やされることに。

秋以降にやっていたこと

私が秋以降にやっていたことは主に4つあり、重要なものから「社会人と話す」「情報収集」「コーディング試験対策」「筆記試験対策」といった感じだ。順番に解説していく。

社会人と話す

秋以降は内定をいただいた企業のリクルーターや所属している有料コミュニティを活用し、社会人と 1on1 で定期的に話し合える機会を作っていた。目的としては2つあり、1つがキャリアビジョンの解像度を上げること、もう1つが就活のモチベーション維持だ。キャリアビジョン云々の方が重要なため、こちらをメインで解説していく。

本選考では基礎能力の他に個別企業とのマッチ度も重要になっており、その中でも学生の描いているキャリアビジョンがその企業で達成可能か否かは入社後の活躍にも大きく関わってくる。即戦力の中途採用と違ってポテンシャル重視の新卒採用ではなおさらだ。従って、どのような環境で、どのような職種で、どのようにキャリアを積んでいきたいのか解像度を上げておくことが重要だ。

例えば、「入社後は自己成長を実現したいです!そのために裁量権のある環境が必要です!」みたいなキャリアビジョンはけっこうありがちだが、ここから Why so? So what? で徹底的に深掘りしていく必要がある。「自己成長って具体的に何?なんで成長したいの?」「裁量権って何?それがあるとなんで成長に繋がるの?」……といった感じ。

正直なところ、こういった深掘りは社会に出たことのない学生が1人でやるのは難しすぎる。だからこそ、実際に働いている社会人の方々と会話して具体化していくのが効率的だ。もちろんお忙しい社会人の貴重な時間をいただいているわけだから、礼儀は忘れずに実り多い時間にしよう。アジェンダも用意しておくと良い。

なお、視野を広く持つという意味で社会人の属性はなるべく多様な方が良いだろう。例えば私の場合「メンバーシップ型雇用は合わなそう……」と思いながらも、そういった環境でのキャリアに対する解像度を高める目的でゴリゴリの伝統的日系企業(中途採用一切なし)の社員さんともお話していた。同じ企業でも、新卒入社の若手社員さんと中途入社のベテラン社員さんを別々に紹介してもらう……などといったこともしていた。

もちろんリクルーターや就活エージェントは企業からお金を貰っている分それぞれの立場があるわけだが、それを考慮してもかなり親切にキャリアビジョンの具体化へ寄り添ってくれたと感じる。社会人の属性・立場を理解した上で鵜呑みにしすぎず、かといって斜に構えすぎず知見を吸収していこう。

また、多様性という意味では OB/OG 訪問もかなり有効だと思われる。ビズリーチ・キャンパスとか、マッチャーあたりが利用しやすいだろう。

そんなこんなで平均週に1回1時間程度は社会人と接する生活を秋冬と続けた結果、私のキャリアビジョンは学生でありながらにしてほぼ若手社会人と同程度の解像度に達したと思う。例えば前述の「成長」と「裁量権」の質問に答える場合、私なら以下のように回答する。

Q. 成長とは?
A. 私の目指す成長はいわゆる T 字形の成長で、社会人として普遍的に必要なビジネススキル(横)と特定の職種・業務で必要な専門的スキル(縦)の両方を伸ばし、その面積を最大化していくこと。

Q. なんで成長が大事?
A. 私が実現したい世界(ここはけっこうパーソナルなので伏せる)の達成に必要なため。

Q. 入社〇〇年までのビジョンはある?
A. 入社3年目くらいまでは横軸を伸ばして視野を広げつつ専門性を発揮できそうなポイントを探す。その後5年目くらいまでは縦軸の深掘りを目指す。その後は別の専門性を模索して T 字から π 字へ移行しつつ、専門領域とビジネス的なマネジメントの両軸で価値を出せるようにする。

Q. 成長できる環境とは?
A. 端的に言えば裁量権のある環境。具体的には、若手のうちから責任を持ってビジネス的判断を任せてもらえる環境

……といった感じ。ちなみに、上の文章を丸パクリしてもあまり意味はないので自分の言葉で語ろう。重要なのは結果ではなく、その言葉が出てくるまでの過程にある

ところで私がオバケのごとくキャリアビジョンキャリアビジョンと連呼するのは、就活の最終地点、すなわち入社先を選ぶタイミングでも重要になってくるからだ。私は最後の最後でかなり悩んでしまったが、じっくりと時間をかけてキャリアについて考えたことで現時点では最良の意思決定ができたと思っている。

もちろん、秋冬から就活を始めるとか夏インターンで成果が出なかったとかで持ち駒をゴリゴリ増やす戦略の人は目前の就活対策に注力すべきだが、余裕があれば内定獲得後のことも考えてキャリアビジョンの具体化に取り組むと良い。そもそも内定獲得というのは入社先を選ぶまでの過程に過ぎないし、言ってしまえば働くことも幸せに生きるための手段に過ぎない

なお、キャリアビジョンを深掘りする際のアプローチは2種類あると考えている。1つは「実現したい世界(What)基準」、もう1つが「やりたいこと(How)基準」だ。

What 基準の場合、自身の具体的な原体験を抽象化して長期的な目標を設定し、そのために必要な要素・キャリアを逆算で具体化していくというアプローチだ。私はこの方法で深掘りした。

一方で How 基準の場合、自己分析を通じて自身の欲求を抽象化し、その欲求を満たすために何がやりたいのかを具体化して考えるというアプローチだ。「やりたいこと」が明確にあるのならこちらの方が思考プロセスとしてはシンプルだ。

……と、ここまででキャリアビジョンの話が盛りだくさんになってしまったため、これ以上の解説は次回に執筆したい。で、次は「社会人と話す」目的としてもう1つ挙げていた「就活のモチベーション維持」について軽く説明する。

実は、夏インターンに全力投球した人が燃え尽き症候群で秋からモチベダダ下がりになるのは意外とよくあるケースだ。元から明確なキャリアビジョンと企業の判断軸を持った上で夏インターン後に戦線離脱する戦略を取っているなら話は変わるが、そうでなければここでやる気をなくすのはけっこう危険だ。……といっても、感情的にシワシワな状態をロジックで復活させるのはけっこう難しい。そこで外部圧力とシステムを活用したというわけだ。

実際、定期的に社会人と話す機会が訪れるというのが丁度良い加減の外部圧力となり、どうにか倦怠期を乗り切ることができた。私のメインテーマは散々書いたように「キャリアビジョンの具体化」だったが、これに対し短いスパンで FB を貰いながら軌道修正し、PDCA がぐるぐる回りながら進んでいくのはなかなか気分が良かった。なぜ研究も同じようにならなかったのか、不思議でならない。

情報収集

秋以降にやっていたことの2つめが情報収集だ。目的としては企業理解の解像度を高めることで、業務内容やカルチャーについて夏インターン選考の時よりも細かい粒度感で調べていた。企業理解の解像度が高まれば、前述した「マッチ度」の中で「カルチャーフィット」にあたる要素の探索・言語化がしやすくなる。

「ん?それって『社会人と話す』の項目と一部被ってないかい? MECE じゃないねえ」と思ったかもしれないが、前の項目が長くなりすぎたので苦し紛れに分離したという背景がある。察してほしい。

具体的には、オンラインの説明会研究所の見学会などといったイベントに参加していた。メーカーの R&D 職などの理系就活では、意外とこの時期にイベント開催があったりするので要チェックだ。見学会などで気になったことがあれば積極的に質問して、その内容を ES や面接で言及すれば志望度の高さも伝えやすいだろう。

また、説明会などあまり開かない日系大手がひょっこり合同説明会に参加していたりもする。志望企業をかなり絞った段階で合説に参加するのは無駄も多い気がするが、オンライン開催なら負担もあまりないのでおすすめだ。私の場合、アカリクという理系向けスカウト型就活サービスが開催している合説に何度か参加した。アマギフも貰えるので興味のある企業があれば積極的に参加してみると良い。

なお余談だが、アカリクはログインボーナスで毎日 10 円分のポイントが貰える。ポイ活としてはけっこう美味しいので、ルーティンとして毎日ログインしておくと地味な小遣い稼ぎになる。ただし、交換先が 2000 ポイント→アマギフ 2000 円と 5000 ポイント→アマギフ 5500 円しかないうえに、年度末で一度失効するという使いづらさはあるので注意。

コーディング試験対策

秋以降にやっていたことその3として、エンジニアでキャリアをスタートする可能性を考えちまちまとコーディング試験の対策をしていた「エンジニア?そんなのシラネ(゚⊿゚)」という方は読み飛ばしてもらって構わない。

まず前提として私は情報系を専攻しているためアルゴリズムやデータ構造に関する基礎知識はあるものの、競プロの経験は全くないという状態だった。その一方でエンジニア就職は選択肢の1つでしかなかったため、対策にあまり時間をかけすぎるわけにもいかなかった。そんなわけで対策の目的としては「コーディング試験そのものに慣れる」というレベル感だった。

使用言語は python で、演習に使っていたサイトは LeetCode と HackerRank だ。どちらも採用におけるコーディング試験に特化した内容となっている。paiza もよく聞くが、私は利用しなかった。

時間のあるときにちびちびと演習した結果、いわゆる基礎問題ならラクラク解けるようになったが、計算量をシビアに考えてパフォーマンスを向上させるような問題まではやらなかった。演習の量と質をどこまで確保するかは、エンジニア就活の到達点をどこに置くかで変わってくるだろう。前述の通り私はガチ勢ではなかったのでこれで十分だったと思う。コーディング試験は計3回受けたがいずれも通過した

コーディング試験の中には問題を解き終わった後に(制限時間外で)コードの説明を書いておけるテストもある。高難易度の試験では「とりあえずめっちゃ greedy な方法で実装したから、テストケースは通過するけどパフォーマンス死んでるわ!時間がないから実装できなかったけどもっと良いアルゴリズムが頭の中にあるから書いとくね。(以下略)」といった感じで言い訳を書いておくのも有効だと思われる。

なお、コーディング試験対策としてやっていたわけではないがエンジニアの長期インターンは大変勉強になった。学生の立場だとどのように書けば他人から見てわかりやすいコードになるかという観点に乏しいため、現役エンジニアが書かれた生のコードを眺める機会があればぜひ活用してみると良い。

筆記試験対策

秋以降にやっていたことの最後が SPI や玉手箱などといった筆記試験の対策だ。夏インターン選考の時点で戦コン以外はほぼほぼ通過するレベルまで到達していたものの、筆記試験はしばらく触れてないとみるみる腕が悪化していくものである。そんなわけで本選考で筆記試験が課された場合はなるべく事前に演習の時間を取って慣らしておいた。また、特に苦手な玉手箱の空欄推測英語は書籍の演習問題をひととおり解いて対策した。

おわりに

そんなこんなで、就活対策として秋以降にやっていたことをざっくり振り返った。流れがある程度決まっている夏インターンの選考と比較して人によって動き方が随分変わってくるため、今回の内容をうまく取捨選択して参考にしてほしい。

多くの企業に当てはまることとして最後に再掲するが、本選考においては「基礎能力」だけでなく企業との「マッチ度」も重要である。このことを意識しておくと、本選考の対策における自身の現状(As is)とあるべき姿(To be)を理解しやすくなると思う。常に状況を把握して短いスパンで軌道修正し、なるべく最適な就活戦略を取れるようにしよう

次回は内定が出揃ってから入社先を確定するまでにやっていたこと・思ったことについて執筆予定だ。

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