見出し画像

トラブルの多いトラベラー、福岡で5種の交通手段を使いこなす

トラブルの多い九州旅行記その4。前回の熊本では Google マップの案内に騙されたり、割引になるはずの入園料が通常分取られたり、宿の入口が開かなかったり……と、いろいろトラブルに巻き込まれた

今回はその続きで、熊本観光を済ませ時間ギリギリに熊本駅へ戻ってきたところからスタート。

鹿児島本線を北上

熊本からは鹿児島本線に乗って福岡を目指す。大分方面から乗ってきた豊肥本線の近郊区間と同じく、短編成にロングシートというやや旅情に欠ける車両だ。急いでいたので写真はなし。

熊本を出た時点でロングシートに1人以上間隔を空けて座れる状態だったが、さらに各駅でちょこちょこ人を降ろしていき、福岡の県境が近づく頃にはすっかりガラガラになってしまった。福岡県に入って1つ目の駅である大牟田(おおむた)駅で下車。

乗っていた列車は1駅先の銀水行きだが、銀水から博多方面へ接続する始発列車はなく、この大牟田か1駅戻った熊本県の荒尾から発車する。というわけでさっそく後続の列車に乗車……といきたいところだが、今回はこれをスルー。実は今回の旅、乗車券を大牟田までで発券していたのだ

というのも、「鹿児島本線はどうせそのうち 18 きっぷなどで乗ることになるだろうから、せっかくだし西鉄を利用したい」という思いがあり、ここから先は西鉄で北上する旅程にした。ちなみに JR に乗り続ける旅程だと接続先が鳥栖行きだったため、西鉄なら乗り換え回数が1回減るというメリットもあった。

すぐに接続する急行列車があったものの、少し駅周辺をぶらぶらして1本後の特急列車を待つ。福岡最南端の大牟田はそれなりの規模の都市っぽいが、やはり地方ということで駅周辺の人通りは少ない。

西鉄に乗車

時間が近づいてきたため乗り場へ向かう。せっかくなので乗車券を購入してみた。

ちょうど折り返しの特急列車が入場。狙ったわけではないのだが、「水都」という沿線の柳川にちなんだ特別仕様の車両を引いた。これはラッキー。もちろん追加課金などは必要ない。

車内は転換クロスシートで快適。全線にわたって JR とゴリゴリ競合しているということもあり、特急はけっこうなスピードで駅を次々とすっ飛ばしていくため車窓はなかなか気持ち良い。標準軌だし関西私鉄っぽい雰囲気あるかも。

大牟田からずっと JR の西側を走るが、久留米付近で鹿児島本線・久大本線と交差して東側へ出る。ちょうど特急ゆふが走っているタイミングだった。ちなみに JR は久留米から先の鳥栖あたりで佐賀県に突入するが、西鉄は東へ迂回するため福岡県オンリーの私鉄である。

久留米まではわりと余裕のある車内だったが、久留米から先はけっこうな乗車がありやや混雑。便数も多いためか先行列車が詰まって速度を落とすタイミングも何回かあった。

で、福岡市に入ったあたりで再び鹿児島本線を越えて西側へ。満員電車となって終点の西鉄福岡駅へ滑り込む。

(写真映えするスポットが見つからなかったのでバス停周辺の写真を貼る)

バスに乗車

駅を出てまず驚いたのがバスの多さ。駅に並行する大通りにある無数のバス停から次々とバスが発着していく様子は、東京含め他の都市では見られない光景だろう。

うおおおお連節バス走ってる!!日本で目撃するのは初めてだ。

残念ながら連節バスに乗る機会はなく、そのまま普通のバスで宿へ行きチェックイン。

街なかぶらぶら

熊本での怒涛のトラブルで疲弊していたこともあり、チェックイン後はあまりわちゃわちゃ動かずに街なかをぶらぶらして過ごした。

空港が近いこともあり、飛行機がよく見える。

福岡城跡。残念ながら天守閣などは復元されていない。大分の時と同じく復元して観光地化しても良いのでは……と思った。

広大な跡地は運動場や広場などに転用されている。建物で埋め尽くされた都市部で広々とした設備を作るのは難しいだろうから、ある意味土地の有効活用と言えるかも。

前日・前々日は天荒に恵まれなかったが今日は晴れてよかった。

日が完全に沈んだところで天神へ。人で溢れ返っており、九州で一番の大都市であることを肌で感じられた。

天神名物の屋台。まさか日本でこのような光景を見られるとは……。ぎゅう詰めになりながらの食事は感染症的な不安もあったため今回はスルー。

その後は中洲の方をぶらぶらしてから地下鉄空港線に乗って天神へ。とほとほ徒歩で天神南へ行き、七隈線に乗車。博多延伸前に一度乗っておきたいという思いがあったのだ。

当時は天神南駅を起点としている関係から天神~天神南は改札外乗り換えが認められており、通算での運賃で乗車可能となっていた。現在はこの乗り継ぎだと別切り運賃で初乗りも重なるため素直に博多で乗り換えよう。

宿の方へ戻ってきて、夜の散歩。福岡城跡の西側にある大濠公園を歩く。

でかい池の中央に道が連なっており、なかなか良い雰囲気。

さすがにこの時間だとあまり人はいない。

中華っぽい雰囲気が出てるなあ。この建物や途中の橋、池のスケールなども中華感を醸し出していた。

翌日

というわけで翌日。この日も晴れてくれて観光日和となった。

近くの神社に参拝したところ、なんと 30 円のおみくじ自販機を発見。さっそくチャレンジしてみたが結果は微妙だった。

神社の裏山を登って行くと展望広場にたどり着く。博多湾は大都市の港湾ということもあって見渡す限りの工業地帯だ。

広場にあった謎のオブジェ。船か……?

シェアサイクルで街めぐり

福岡の観光でめちゃくちゃお世話になったのがこのチャリチャリというシェアサイクル。ポートがかなり充実しており値段も良心的なため、公共交通機関を使わずにぷらっと移動するのに大変重宝した。やはり MaaS 最強はチャリ。ラストワンマイル問題もこれで解決だ。

当時に比べると現在では日本でもシェアサイクルは少しずつ普及してきた感はある……が、同時に値上げも進行しており普通にバスを利用する方が良いケースも多い印象を受ける。ビジネスモデル的に仕方ないところなのだろうが、個人的にはもっと気軽に利用したいものである。

PayPay ドームを脇目に見ながら……

福岡タワーに到着。高い!

入場料もそれなりの高さだが、景色が素晴らしいので割高感はない。

展望はこんな感じ。やや郊外ということで住宅街が広がっている。

天神・博多方面はこんな感じ。やはり空港が近いことで建物の高さの制約が厳しい印象を受けた。

博多湾を見下ろす。手前に見えるのはシーサイドももち海浜公園の施設。

で、タワーを降りて海浜公園に行ってみる。なんかアメリカ西海岸の雰囲気を感じる。

この光景とかもう完全にサンタモニカ

博多南線を乗り潰す

その後はチャリでだいぶ移動し、西鉄の大橋駅へ。ここからバスに乗って一気に南下する。

だいぶ郊外の方へ来たところでたどり着いたのが博多南駅。ここから博多に向かう博多南線は山陽新幹線の車両基地への送り込みを利用したもので、この駅も JR 九州ではなく山陽新幹線の JR 西日本になる。

「新幹線の車庫送り込みならそれなりの本数あるだろう」と思って何も考えずに行ったのだが、なんと1時間に1本ペースだった。ちょうど良いタイミングで駅に着いたが、下手したら1時間待ちコースだった……危ない。

IC カードは使えないので乗車券を購入。この区間は在来線の特急という扱いなので、特急券も必要だ。まあ 100 円という激安価格だけど。(現在は 130 円に値上げしたらしい)

構内に入るとずらっと新幹線が並んでいる。車両基地の端っこにちまっと駅が設置されているわけだ。

で、ほとんど待つことなく列車が滑り込んできた。

ただし折り返し時間を利用して車内清掃があるため、乗車できるのは発車時刻が迫ったタイミングになる。博多南線内は全席自由席となるため、普段は指定席となる 2+2 列シートも利用可能だ

発車から 10 分も経たず博多に到着。快適な旅だった。

九州新幹線。残念ながら今回の旅では利用しない。

在来線の切符で新幹線ホームに立てるのは不思議な感覚だ。

ちなみに新幹線の車両に在来線特急として乗れるのは、この博多南線のほかに上越線の越後湯沢~ガーラ湯沢がある。こちらは冬季しか運行しないため到達難易度は高い。

船にも乗ってみる

再びシェアサイクルを使い、博多港へ。

船に乗って博多湾対岸の西戸崎(さいとざき)へ。わりと良心的な価格設定だったが、船内はガラ空きだった。あまり需要はないのだろうか。

西戸崎は JR の香椎線が伸びており、ここが終着駅となっている。最果て感があって個人的には好きな雰囲気。

ぐるっと周る鉄道に対して船は最短距離で結ぶため所要時間は有利だが、運行頻度が低いため待ち時間を考慮すると鉄道の方が速いケースもある。

西鉄貝塚線乗り潰し

さっそく香椎線に乗車。残念ながらロングシートだが、広々とした窓から海を眺められるのはなかなか良い。

終点の香椎駅で鹿児島本線に乗り換え。ただし乗り換え先は博多方面ではなく小倉方面

福工大前駅で下車。

ここからコミュニティバスに乗る!

というわけでちまっとしたバスがやってきた。なんとこのバス、PayPay の支払いに対応している

夕方ラッシュの時間帯だったため道路がやや渋滞していたが、無事に終点の西鉄新宮駅に到着。

まあ普通に乗り潰しするだけならこんな面倒なルートを使わず単純に往復すれば良いのだが、来た道を戻りたくない原理主義者としてはバスや徒歩を駆使してうまく盲腸線を乗り潰せると脳汁が無限に湧き出てくるわけだ。

「地方私鉄の終着駅」という佇まいの駅から西鉄貝塚線に乗車。

前日に乗った西鉄の本線である天神大牟田線とは完全に独立しており、線路幅も狭軌となっている。全区間で JR と競合しているのは同じだが、こちらは遠距離輸送の JR に対してちょこちょこ停まって人を集めるローカル輸送に特化している感じだ。

そんなわけでのんびりと揺られて終点の貝塚駅に到着。貝塚は地下鉄箱崎線の終着駅でもあり、両路線は段差を介さずスムーズに乗り継げる。

ちなみにこれで西鉄は全線完乗達成……かと思いきや、支線の太宰府線・甘木線が残っている。これらの乗り潰しはまたの機会に。……といったところでキリが良いため、今回はここで終わりとしたい。

余談

ちなみにタイトルに5種の交通手段と書いたが、これは鉄道・自転車・自動車・船舶・飛行機の5種である。せっかく博多南線に乗ったので在来線と新幹線を別物として6種にしたかったが、「MECE じゃないねえ……粒度感合わせろよ!」とかツッコミ入りそうなので大人しく5種にした。

あと、「飛行機乗ってなくね?」というツッコミもあるかもしれない。まあタイトル詐欺なのは認めざるを得ないが、次回すぐに乗るので許してほしい……。

というわけで次回は福岡観光の続きと東京へ戻る話を扱う。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?