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進化心理学から考えるホモサピエンス 一万年変化しない価値観 感想

Audible版『進化心理学から考えるホモサピエンス 一万年変化しない価値観 』 | アラン・S・ミラー, サトシ・カナザワ, 伊藤和子 | Audible.co.jp

本書は物質的に人類を考察した場合、人類の行動原理は概ね繁殖=性欲に帰結するということを、進化心理学、統計学を用いて解説している。

社会心理学に興味がある方におすすめ。

個人的に本書で特に興味深いと思った点が、
イスラム教の過激派が何故自爆テロを行えるのか?
という現象を解説した場面である。

他の主要な宗教は自爆テロは行わない。

行うのはイスラム教だけである。

本書で語られた推測では、イスラム教ではジハードの達成=天国へ行けると信じられており、天国では多数の処女の妻を持つことが出来る。

つまり、自爆テロを行えば天国で多数の繁殖行動を行えると脳が錯覚した結果、”繁殖行動”の為イスラム教徒は自爆テロを良く行うのである。

勿論、死んだ後に繁殖行為は出来ない(精子の冷凍保存などを除く)

日本人にとっては全く合理的ではなく、理解しがたい考えにも思える。

だが、しかし日常的に我々も似たような性的誤認自体は頻繁に行っている。

奇妙な質問であるが、あなたは魅惑的な異性の裸体などの”画像”に性的興奮を覚えるだろうか?

本来、性的興奮を覚えるということは、繁殖行為を行うためであり、繁殖対象に対して作動しなければいけない本能の一種だ。

しかし、”画像”と子供が作れるだろうか?

不可能である。

それなのに、我々の脳は無意識的には”画像”と実際の異性を誤認し、性的興奮を感じてしまう。

脳は仮想と現実の区別をつけることが得意ではないのだ。

まとめ

人間を物質的に分析したい方におすすめ

性欲と社会性の関係性を知ることが出来る

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