新宿駅の階段

いつも利用する新宿駅の階段がなくなっていた。知らぬ間にどこかに移動してしまったようだ。びっくりした。変化は急に起こるものなんだと実感した。歩みを止めることのない人混みの中、何度も行きつ戻りつを繰り返して、ようやく目的のホームにたどり着くことができた。

東京はこんなことがよく起こる。昨日まであったものが跡形もなく消失していたり、何もなかった場所に急にどでかいものができていたりする。それを見るたびに、私の関与しないところで世界が勝手に動いていることを思う。私がいなくなったとしても世界は回り続けるんだなと思う。

鬱とか感傷みたいな気持ちではなくて、単純に外から世界を眺めているような感覚だ。この街が数十年後どんな姿になっているのか今から楽しみで仕方がない。その時はその未来の世界を構成する一部分として、内側からの景色を眺められるようになっていたいと思う。


最後まで読んでいただけて嬉しいです。 ここまでお付き合いいただきありがとうございます。 もしよろしければ、あなたの物語も私に読ませてください。