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働きやすさに自信がある会社ほど、人的資本情報を開示する効果が大きい

昨今、日本企業も中長期的な企業価値向上を意図して、人材を資本と捉える経営手法に注目している。人的資本経営に対する関心度の高まりは、まさにその象徴的な流れと言えそうだ。だが、現状においてはその重要な資本をどこまで大切にできているかというと疑問を抱かざるを得ない。ワーク・ライフ・バランスにしても、ジェンダー平等にしても他の先進国と比べて大きく遅れを取っている。何をどう着手していけば良いのか。
その分野の第一人者である同志社大学政策学部政策学科 教授の川口 章氏に、アドバイスを求めました。


前編では、人的資本の情報開示がもたらす意義やこれからの人事制度の在り方などについて語っていただきました。

【前編はこちらから】

■前編の目次

  • 人的資本の重要度が年々増している

  • 現状の情報開示は、投資家に対する色合いが強い

  • 16年を掛けて日本がようやく追いついてきた

  • 日本もヨーロッパ諸国並みに労働時間を短縮すべき


【後編はこちらから】

■後編の目次

  • 日本は労働に対する価値観を変える必要がある

  • 終身雇用は崩壊へ。新たな雇用の在り方が求められる

  • 労働時間の短縮と家事に対する意識の変革が急務

  • 男性社員もワーク・ライフバランス制度を利用しやすい職場に


川口 章 氏
同志社大学 政策学部政策学科 教授

1958年香川県生まれ。1982年京都大学経済学部卒業。1984年京都大学大学院経済学研究科修士課程修了。1991年オーストラリア国立大学Ph.D.(経済学)。メルボルン大学経済商学部講師、追手門学院大学経済学部教授などを経て、2004年より同志社大学政策学部教授。ジェンダー経済格差を生み出す社会構造の分析について研究している。主な著書に『ジェンダー経済格差』(勁草書房)、『日本のジェンダーを考える』(有斐閣)。