見出し画像

人的資本経営の成功事例が続々と開示へ。今こそ、経営者の意識を変えるチャンス。

2020年に経済産業省が「人材版伊藤レポート」を公表して以来、人的資本に関する議論がにわかに活発化している。さらに、拍車を掛けたのが2022年の「人材版伊藤レポート2.0」であり、2023年の「人的資本の情報開示義務化」だ。この期間、人的資本経営の実践に向けた取組が着実に広がって来ている。そして、今年2024年は「人的資本経営の成功事例が大きくクローズアップされる一年になる」と予測するのが、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授の岩本 隆氏だ。人的資本経営に造詣が深い同氏に、最新動向を聞いた。


インタビューの前半では、金融資本主義から人的資本主義へのシフトや人的資本報告の国際標準化、人材の活躍・成長と企業の成長などについて語ってもらった。

【前編はこちらから】

■前編の目次

  • 2023年は人的資本の開示元年。日本でも人的資本主義がようやく定着

  • 人的資本を含めてESGを開示する動きが進む

  • 先進企業では人的資本報告書を公表する動きも

  • じわりじわりと裾野が広がりつつある開示の流れ

  • 従業員が活躍し成長してこそ、企業も成長できる


インタビューの後半では、人的資本データの必要性やHRテクノロジーの活用、中小企業経営者への期待などについて語ってもらった。

【後編はこちらから】

■後編の目次

  • 人材のデータを収集し、ファクトを深掘ることが重要

  • 横並びではなく、個人にフィットした育成にシフトすべき

  • スキル関連のクラウドアプリを活用するのも有益

  • 人的資本経営に本気で取り組む経営者が増えると見込む

  • 中小・中堅企業こそ人的資本経営に取り組む価値がある


岩本 隆 氏
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授

東京大学工学部金属工学科卒業、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院工学・応用科学研究科材料学・材料工学専攻Ph.D.。日本モトローラ(株)、日本ルーセント・テクノロジー(株)、ノキア・ジャパン(株)、(株)ドリームインキュベータを経て、2012年6月より2022年3月まで慶應義塾大学大学院経営管理研究科特任教授。2018年9月より山形大学学術研究院産学連携教授。2022年12月より慶應義塾大学大学院大学院政策・メディア研究科特任教授。著書に、「人的資本経営 まるわかり」「企業価値創造を実現する 人的資本経営」(共著)などあり。