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研究室を脱出せよ!〜ポスドク転職物語〜

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若手研究者がアカデミアから民間企業に転職するまでの、すったもんだのお話し。
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研究室を脱出せよ!〜ポスドク転職物語〜【はじめに】

読者のみなさまは「ポスドク問題」というものをご存じでしょうか? 簡単に言ってしまえば、せ…

研究室を脱出せよ!【1】ポスドク、打ちのめされる。

「そんなことやって意味あるの?」 田所教授の甲高い声が会議室に響き渡る。 不満げな表情の…

研究室を脱出せよ!【2】ポスドク、振り返る。

すっかり暗くなった廊下に出ると、センサーが反応して蛍光灯が一斉に光った。窓ガラスに反射し…

研究室を脱出せよ!【3】ポスドク、疑問をもつ。

そうとはいいながらも、違和感の原因はそうした感傷的な理由だけではないことは明白だった。 …

研究室を脱出せよ!【4】ポスドク、相談する。

そんなようなことを何となく思い出しているうちに、いつのまにか居部屋に着いた。研究室には実…

研究室を脱出せよ!【5】ポスドク、人生の天秤について考える。

「ケンドーの言っていることは、間違ってるな。」 そう言うと、黒岩さんは机の上におかれたタ…

研究室を脱出せよ!【6】ポスドクの右脳と左脳。

黒岩さんと話して以来、これまで真剣に考えてこなかった「将来」というものを漠然と意識するようになった。お恥ずかしい話だが、今までは楽しいから、やりたいから、という理由だけで研究を続けてきたし、これからもやりたい研究について考えていれば、自然とおさまる所におさまっていくような気がしていた。それがいかに根拠のないことであるのか、黒岩さんの話はその現実をまざまざと見せつけてくれた。 それにしてもわからないのが黒岩さん自身のことである。自分では偉そうなことをいっているが、相変わらずミ

研究室を脱出せよ!【7】ポスドク、覚醒する。

少し早めに自宅に帰った僕は、本の続きをむさぼるように読んだ。その内容は魅力的で、一気に読…

研究室を脱出せよ!【8】ポスドク、決意する。

興奮冷めやらない僕は、考えをまとめるために取りあえずノートを取り出した。 まず、戦略コン…

研究室を脱出せよ!【9】ポスドク、登録する。

その日、僕はさっそく検索サイトで転職エージェントというものについて調べてみた。すると、い…

研究室を脱出せよ!【10】ポスドク、地獄と天国と。

こうして転職活動の火蓋が切って落とされたわけだが、その直後に意外な事が起こった。一つは悪…

研究室を脱出せよ!【11】ポスドク、潜伏する。

黒岩さんと話すようになって、僕は現状に対する不満をなるべく言わないことにした。そのかわり…

研究室を脱出せよ!【12】ポスドクの、やる気のスイッチ。

そんな年度末も押し迫ったある日、僕は田所教授のオフィスに呼び出された。 僕は多少緊張した…

研究室を脱出せよ!【13】ポスドクと、フェルミ推定。

こうして書き上げた職務経歴書と志望動機書を、さっそくエージェントの青木さんに見せた。青木さんは細かい点など丁寧にアドバイスをくれたが、概ね良いのではないかとのことだった。 「それでは、さっそくこれらの書類を各社に送らせていただきます。」 電話越しに聞く青木さんの声はハキハキとしており、非常に頼もしかった。なにより、自らの仕事に自信をもって取り組んでいることがよく伝わってきた。 「あの、」僕は遠慮がちに尋ねた。 「正直な話、書類が通る可能性というのどのくらいなものなので