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【アジャイル】シン・アジャイルイベント〜ハンガーフライト(後編)

昨日の続きになります。

2周目は「コンセプチュアル・スキル」

1周目のシェアの後、各ルームの参加者を変えて2周目を行いました。
引き続き私がファシリテーターとして入ったルームで扱うテーマについて投票を取ったところ「コンセプチュアル・スキル」に決まりました。

正直言うと運営メンバーの中でも、この「コンセプチュアル・スキル」をテーマの一つに扱うかどうか最後まで迷いがありました。そして他のものより分かりにくいのもあるため、4つのテーマ(目標設定/KPI、分断解消の場作り、組織構造、コンセプチュアル・スキル)の中で恐らく選ばれないだろうと思っていたら、選ばれてしまったのです(笑)。

そもそもコンセプチュアル・スキルとは何かというと、以下のようなものです。

コンセプチュアルスキルとは、あらゆる事象の本質を理解して判断するための能力のこと。例えばロジカルシンキングやクリティカルシンキングなど

https://shin-agile.doorkeeper.jp/events/150034

ロジカルシンキングやクリティカルシンキング以外にも、ラテラルシンキング、受容性、多面的視野、探究心、応用力、柔軟性など、現場から経営まで、あらゆるレベルのマネジメントに必要なスキルになります。

まずは参加者が思い描く、分断解消に効きそうなコンセプチュアル・スキルとは何かを取っ掛かりに話を展開していきました。
その流れで、ある方が最近思ったこととして、「エンジニアは抽象化が上手いはずなのに、開発現場から離れると急に出来なくなる。スキルはあるはずなのに」という発言をされて、そこから色々と議論が深まっていきました。

  • そもそもコンセプチュアルスキルを学ぼうとされてない

  • 現場を見て五感で感じないと、そのスキルは落ちていく

    • マネジャーになると現場を見ないので落ちていく

    • デザイン思考。現場を観察することで人ごとを自分ごとに

    • 現場を見ると気づく

    • 現場感覚を忘れないようペルソナを常につくる

    • リアル感。他人ごとにならないように

  • 抽象化と具体化。これの繰り返しが大事

  • 階層が上がると引いて見られるから抽象化できる

    • 引いて見られるなら分断は起きないはず

    • 抽象化できると共通項を見いだし自分ごとにできるはず

      • そもそもそういうアプローチをしてないのでは

      • 学ぼうとする人は気づける

      • 楽したい、面倒くさい、ラベル付けしてしまう

一つの着地点としては、以下のようになりました。

「抽象化と具体化を繰り返すことで、現場理解が深まり、分断がおきない」

確かに共感できるところは多いですが、実際これを実行に移すにはいくらか壁が多そうです。

2周目も他ルームとのシェア

他のルームについては、「組織構造」と「目標設定/KPI&組織構造(投票が同数だったため両方扱った)」でディスカッションされました。

  • 心理的安全性がない

  • 相対評価だとチームで頑張ろうとならない

  • 大企業病

    • 割り振られたことだけやってれば給料がでる

    • 悪いことは言わないようにしよう

    • 会議の雰囲気が悪い

  • サーバントリーダーが必要

  • とにかく仲間を増やす。1on1をみんなにしていく

  • スクラムマスター的に動く人が大事

    • そういう人が評価されるようになってほしい

  • 部門の中でアジャイル推進タスクフォース、はじめてみた

    • 社内の賞をもらった。が、現場は変わらない

    • 事業部の評価指標になっていない

  • 現場は余裕がない、余白がない

    • 現状を維持した上で新しく取り組めるようにする必要がある


  • 組織によってKPIが異なる

  • 営業 vs 開発

    • 売上(営業)とバグを出さない(開発)というKPI

  • SIerだと売上と利益がKPI

    • 案件によっては他部門と連携が必要

    • 異なるミッションでどう折り合いをつけるか

  • 隣の部署のKPIは見られるものか?

    • 見えるけど見に行こうとしないと見えない

    • 見えていれば落とし所を探せるかも

  • 共通のKPIを部門を跨いで持つことが出来るのか?

アフタートークが大盛り上がり

一通り色んなディスカッションができて、参加者の方も新たな気づきがあったようです。終わった後、有志で残ってふりかえりをしました。

そしてこのふりかえりが盛り上がる盛り上がる(笑)。
終わってから運営含め10人以上残ってくださり、さらに30分以上もディスカッションをしました。

イベント中にDiscordにコメントを書き込んでくれた方がいて、

「アジャイル推進には心理的安全性が必須。どのように確保しているのか?」

という問いかけがあり、ここを発端に大盛り上がりになりました。

  • そもそもなぜアジャイルには心理的安全性が必要なのか?

    • 心理的安全性がどれくらいアジャイル推進に効いてくるのか?

    • 魔法の言葉になってないか?

    • 雰囲気の良さ=心理的安全性という勘違い。優しい・ぬるま湯ではない

  • アサーティブネス

    • 厳しい現実にお互いに目を向けられるか、認識できるか

    • 問題の言語化

    • 無関心、無反応が怖い

  • 共通認識づくり、対話が大事

    • 話し合う場作り

    • 解釈を揃える

      • いや揃えなくてもよいのでは?揃わなくてもよい

      • 問題が分かっていれば解釈が違う価値観があってもよい

        • それをお互い認識しあうことが大事

  • 組織運営で話されたことがバックログで残っていく必要がある

    • フォローされることでまた話そうと思える

    • 何言っても取り組んでくれないとなるとみんな口をつぐむ

    • 一歩踏み出すことを褒めたたえる文化

      • 個人評価指標に直結

        • 相対評価だと他人を蹴落とす傾向になる

  • 思いや解釈を自分の口で語ることも難しい場合がある

    • 自分の解釈を発信することへの恐れ

      • 無知とは言われたくない

      • 否定的だと言われたくない

    • 嫌われる勇気

      • 無敵状態の人

      • 同調圧力につぶされる人はそこにしか居場所がない人

        • 自分に自信がある人

        • 外から人を引っ張ってくる組織設計

…などなどと、話は尽きませんでした。

次にイベントをやるとする場合の新たなネタは、イベント中もイベント後のアフタートークでもたくさんキーワードとなりそうなものが出てきたので、次回がまた楽しみな感じです。


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