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【アジャイル・マネジメント】「助け合う」という関心

助け合うことで関心が持ち合える、関心があるから助けられる…

お助けボードがなんか良さそう

つい先日、パナソニックさんのアジャイルセンターの記事を読みました。

開発手法だけではなく、組織改革・組織運営にアジャイルを取り入れている点など、共感できる部分が多かったです。

特に面白いやり方だなと思ったのが「お助けボード」の話でした。
これは仕事の「見える化」の一貫なのですが、誰が誰をどんな内容で助けたかを見える化するボードとのこと。

アジャイルを始めるにはまず全ての仕事をオープンにする「見える化」をするのですが、全部の仕事を出し、その状況をちゃんと追っていくとなると組織やチームのメンバー全員がその動き方にコミットしなければなりませんし、まだアジャイルをやり始めのころは難易度も高いです。

この「お助けボード」は、仕事を全部見える化する前に、助け合いの量を見える化し、その量を増やしていくためのもので、これにより若手がどんなことに躓いているのかを把握し、ベテランが助けることで技術や仕事の継承をしていくというものです。

助け合いから関心が生まれる

この「お助けボード」は私的にもすごく良いなと感じました。
このお助けボードは、身近な範囲での「関心の可視化」だなと思ったのです。

市谷さんの著書「組織を芯からアジャイルにする」においても、最近は既存の事業や仕事が最適化しすぎて、個人や組織間での関心が薄くなったり無くなったりすることで、これまで日本の中の働き方として良い面だった「自分の領域をはみ出て助け合う」というところが無くなりつつあり、会社の意図・方針・実行が分断されてしまっていると指摘しています。

似たようなことで、会社の中での「ありがとうポイント」というものがあります。
助けてもらったら相手に「ありがとうポイント」を送ることができ、そのポイントを溜めるとコーヒーが飲めるなど何か物と交換できたりするようなシステムです。

これもある意味、助け合いの可視化かもしれません。
しかし個人的にはこれが継続的に助け合いによる関心構築や、アジャイルの言っている本質的な「見える化」の価値にはつながりにくいと感じています。

助け合うことのインセンティブがポイントや交換する物となっているのがどうしても引っかかります。方法はどうあれ、もちろんそれが動機付けになって助け合う文化が醸成されれば良いかもしれません。が、良くなるのは多くは職場の雰囲気であり(もちろんそれを否定するつもりはありませんが)、組織やチームが改善されていく、成長していくアジャイルな動きには大きくは効いてこない気がします。

助け合いは仕事で返すことで組織やチームが成長する

助け合った結果が、コーヒー一杯や何かの物になることより、私は仕事で助けてもらったことは仕事で返す姿の方が、会社の中での動きとしては健全だと思います。

ただ、生活するためだけに仕事をしていて、組織やチームの出す成果や結果に興味がない人はどうでもよいかもしれませんが、そうでなければ、組織やチームの中でお互いの仕事をオープンにして、うまくいったこと・いかなかったことを学びにして前に進んでいく。そして社会やお客様に貢献できるような成果を出して、その対価として会社に貢献するのが「働くこと」の意味でも義務でもあると考えます。

前出のパナソニックさんの記事にも、「昨日よりもちょっとよくなっているという進捗を感じられることが、仕事の楽しさ」とあるように、組織やチームが将来の視点も直近の視点でも、やるべきことを共有していて何かあったらカバーしあえる、フォローしあえる。それにより仕事にやりがいも感じ、楽しさも感じられる。

それをうまく機能させて、動かしていき、常に前向きに改善していける。
それがアジャイルの価値であり、醍醐味だなと、パナソニックさんの記事で改めて認識することができました。

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