見出し画像

10/25 ルクラ便は予定通り飛ぶのか問題

衝撃?のネパール国内線

おそらくシェルパのナワンくんは、このカトマンズからルクラまで飛ぶ日と、ルクラからカトマンズに帰ってくる日がいちばん緊張していたと思う。なぜなら、国内線のルクラ便は天候によってしょっちゅう欠航になり、場合によっては何日も飛ばないことがあるからだ。そうなると、すべての日程が狂ってしまう。

ナワンくんが朝イチの便を予約してくれたとのことで、ホテルのロビーに朝4時半集合。ホテルで用意してもらった朝食を持って、5時に開くという空港に車で向かった。

国内線の空港は国際線の隣にあって、私たちが着いたときにはまだ開いておらず、同じくこれからトレッキングに行くらしい人たちが並んでいた。

私はネパールの国内線にもかなり慣れてしまったので、もう驚くことはないのだが、日本の空港や飛行機のイメージを持っていると、かなり衝撃を受けると思う。まず、国内線の空港の入り口が開くと、そこは「GENTS」と「LADIES」に分かれている

一瞬「なんで?」と思うが、ここで手荷物をX線に通すと同時に、全員ボディタッチによる検査を受けるのだ。制服を着た女性警備員に、肩のあたりから胴体を通って足のほうまで、手でなでてチェックされる。その距離が近いので、正直ちょっとドキドキする。

手荷物検査とボディ検査が終わって空港内に入ると、中には航空会社ごとのカウンターがある。しかし、出発時刻やゲートを示す電光掲示板などは一切ない。ナワンくんが混み合っている「サミットエアー」のカウンターに行き、何やら話して、チケットをもらってきてくれる。そこには、3ケタの便名と思しき数字が手書きしてある

これ、ナワンくんがいなかったらどうしていいかわかんないよな、と思う。もっと旅行者にわかりやすくすればいいのにとも思うが、わかりやすくしてしまったら、地元ガイドたちの仕事が減ってしまうのかもしれない。

シビアだけどゆる〜い重量検査

そして、手荷物と預入荷物の重量検査。実は今回、持ち物を用意するうえで、この重量検査がかなりネックになった。過去にルクラ便では、重量オーバーが原因の航空機事故が相次いだらしく、手荷物と預入荷物は合計15kg以内に収めなければならない(15kg以上でもOKな場合もあるらしいが、どういう場合なのかは不明なので守るしかない)。正直、2週間分のトレッキングの荷物を15kg以内に収めるのは、至難の技だった。これ以上削れないというところまで削っても、どうしても1〜2kgオーバーしてしまう。

困ってネット検索したところ、裏技を発見した。手荷物と預入荷物を測るときに、カメラやサコッシュなど身につけている荷物は測られないので、重いものを一時的にそこに入れておく、という方法だ。シビアなんだか、ゆるいんだか・・・確実にゆるいんだけど。

もちろん、私の重量オーバーのせいで事故ったらもっと嫌なので、荷物を精一杯削ったうえで、保険的にこの方法を併用することにした。実際の重さがどれぐらいだったのかわからないが、私たちは無事に重量検査をパスすることができた(体重を測られている人たちもいたけど、私たちは測られなかった)。これでひと安心。あとからナワンくんに聞いたところによると、同じ便に乗ったフランス人グループは、重量オーバーでダッフルバッグを1〜2個乗せてもらえなかったらしい。後の便に乗せてくれるとはいえ、後の便だって重量ギリギリだろうから、いつ届くものやら・・・。

機内の席は早い者勝ち!

預入荷物を預けたら、なぜかもう一回手荷物検査があって、その後はゲートの近くでひたすら待つ。この待ち時間が1時間なのか、数日なのかは、神のみぞ知るといったところ。この日は天候もよく、順調に飛んでいるようだ。私たちはホテルでもらってきた朝食を食べ始めた。

半分ほど食べたところで、ナワンくんが「搭乗だ、行くよ!」という。早かった。ラッキー!

便名を告げて、指示されたバスに乗り込む。奥のほうの席には、すでに7〜8人のフランス人グループが乗っていた。ゲートに行くのが少し遅くなったことで、バスの入り口近くの席に座ることになったのは、逆に幸運だった。なぜなら、ネパールの国内線の飛行機はなんと自由席で、早い者勝ち。機内左側の席をゲットできれば、飛行中に窓からヒマラヤの山々を望むことができるのだ。

サミットエアーの小さな飛行機の横でバスが止まり、少し待たされた後、空港スタッフから搭乗OKのサイン。と同時に、私たちは急いでタラップに向かう。機内のシートは左1列、右2列になっており、定員は20名程度(初めて乗ったときは、まずこの飛行機の小ささに驚いた)。私たち3人は無事、左側の席をゲットすることができた(ちなみに、以前乗ったタラエアーの飛行機は、左右とも1列シートだった)。

このころ、ちょうど日の出。カトマンズの日の出は、ほこりが舞っているせいか、光がふんわりと拡散して独特の柔らかさで私たちを照らし出す。いやが上にも、わくわくと胸が高鳴る。

燃料補給するのを機内で待たされた後、ようやく離陸。カトマンズの街が小さくなり、眼下には山岳地帯の村々、遠くには雪をかぶったヒマラヤの山々が見えてくる。

いつか、飛行機じゃなくて、車や徒歩でルクラに向かってみたいな〜なんて思いながら見ていたら、ゆかちゃんが「あれってエベレストですか?」と聞いてきた。

正直、富士山と違って、エベレストがどれかを判断するのは、かなり難しい。角度が違ったら、もうわからないと思う。それぐらい、エベレストって地味だ。ただ、エベレストはルクラよりずっと奥のほうなので、機内から見えるとしたらかなりルクラに近づいてからなんじゃないかな。けっきょく、「もしかしてあれかな・・・?」というレベルで、全然わからなかった。あとからゆかちゃんがナワンくんに写真を見せて聞いたけど、ナワンくんでもはっきりわからないとのこと。

世界一危険なテンジン・ヒラリー空港

ルクラのテンジン・ヒラリー空港は、「世界一危険な空港」と言われている。山の中にあるため、世界の他の空港と比べて格段に滑走路が短いのだ。その短さを補うためか、滑走路には少し傾斜がついている。その恐ろしさは乗っていると意外とわからない。が、無事着陸すると、自然と乗客から拍手が起きた。

飛行機の欠航もなく、事故もなく、予定通りルクラに着いた! これが決して当たり前ではないことは、後々知ることになる。

ルクラでは、ポーターのニルバーナくんとティラクくんが待っていてくれた。学生だけど今はホリデイだそうで、2人とも若い。2人にあいさつをして荷物を預けた後、私たちはロッジでお茶しながらトレッキングの準備をした。

ルクラから歩き始めるトレッカーは、1日目でパクディンか、もう少し足を延ばしてモンジョまで行くことが多い。私たちは、パクディンより少し先の、ザンフチ(Zam Fute)という小さな村のロッジに泊まることになっていた。3日目の宿泊地であるクムジュンまでは行ったことがあるので、何となく懐かしく思い出しつつ、早くもっと先の景色が見たいなと思いつつ、歩くことになった。

長くなったので、実際のトレッキングの話は次回以降に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?