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これからの世界でこそ、「弱い(そして広い)つながり」が大切になる

 「親友」がいてこその豊かな人生。あたり前のように言われるが、はたして本当だろうか?  それは一部は合っているかもしれないが、決してそれだけではないはずだ。

 特に仕事やキャリアという観点では、少数の「強いつながり」の友人よりも、弱く広いつながりの知人が多いことが人生のチャンスを増やす可能性が高い、という研究は有名だ。今回はこの「弱く広いつながり」について、特にSNSでの交流関係を例にして考えていきたい。


コロナ後で変わる世界

 ポスト・コロナに向かって少しずつ世の中が動き始めてはいるが、当面は一進一退が続く気配だ。多くの人が予想しているとおり、やはり、しばらくは「完全に前の社会に戻る」ことはなかなか望めそうにもない。長ければ年単位というスパンで、リアルな人との接触は控えつつ生活するという「新しい規範」の中で、我々は生きていくことになりそうだ。

 そういう社会風潮の中では、べったりとした濃い付き合いやコミュニケーションは控えめになり、オンラインでのやり取りも含めた「節度ある距離感」の中で交流を続けていくことになる。そうなると必然的に、少人数の深く強いつながりの友人たちとの、リアルな接触頻度は減る


 その代わりにオンラインでのつながり、特にSNSなどでのつながりが、これまでよりも重要な交流手段となる。これは、外出制限が厳しかったときに多くの人が肌で感じたことだと思う。当時は、ネット上のやりとりが、社会ときちんとつながることのできる唯一の窓口になっていた、という人もいるだろう。

 今後はそれほど極端ではないにせよ、やはり全体としてネットでの交流の比重が高まった状況が続くはずだ。飲み会やイベントも少しづつ増えてはいくものの、以前ほどの頻度に回復するのは相当先になると見込まれる。

 仕事も、リモートワークを何らかの形で延長したり、これを期に正式に導入・拡大する会社もかなり増えた。そうなると、普段リアルで濃くつながっている人々だけでなく、弱く広くつながっている人たちの存在感が自然と増すことになる。

 そしてそのことが、これからの自分のキャリアを作ったり、新しいチャンスに出会ったりするための、とても大事なキーとなるのだ。


「弱く広いつながり」がなぜ重要なのか

 仕事のチャンスを広げたり、転職で新しい会社を探したりするときに、友人や知人から紹介してもらえるのはとてもありがたいものだ。採用という観点から見た場合には「リファラル採用」などと呼ばれたりするが、そういう新しい言葉でわざわざ定義するまでもない。ずいぶん昔から、知人からの紹介は、雇用する側・される側に双方にとって最も信頼のおける定番ルートでありつづけている。

 仕事や会社を紹介する、してもらうことに関しては、もちろん濃く付き合ってる親友からの機会もあるだろう。しかし機会の全体を考えれば、圧倒的に「弱く広いつながりの知人から」のケースが多いはずだ。それはいったい、なぜなのか?


 まず当然ながら、ベースとなる人数がまったく違う。ふつう、親友と呼べる人間は、どんなに多くても1桁以内の数に収まるだろう。それに比べ、「薄く広いつながり」は、一人の人生の中で圧倒的に数が多い。

 自分の場合で考えても、SNSでつながっていて、仕事や何かの機会を紹介しあえる関係の人は1000人以上はいると思ってる( Facebookでは、友達としてリンクしてる人は2000人以上。その内、半数くらいにはいつでも声をかけられるという感覚がある。さらに最近では、Twitterを介しての知り合いも急激に増えている)。

 学生時代からの友人知人もいるし、さらに仕事を20年以上やってきて、とても多くの人と関わることができた。大切なのは、一度でも何かしらの関わりがあった人とは、10年、さらにはそれ以上の空白の期間があったとしても、何かあればいつでも声をかけられる関係が続くということだ。この事実はとても重要なこと。

 これには、SNSの果たす役割が大きい。ある人と、一旦関わりが薄くなったあとに頻繁に連絡を交わす関係でなくなったとしても、両者がSNSを普段から使ってさえいれば、お互いの存在は十分に認識できている。また、お互いの「共通の知り合い」も可視化できているので、リファレンスという意味でも安心感がある。何かを依頼したりされたりという相手として、SNSでのつながりに担保される信頼関係はとても大きいのだ。

 

 そしてもう一つ大切なのは、「弱く広くつながっている人」たちが、自分とは遠い領域も含めていろいろな分野に存在している、ということ。

 この「遠さ」がチャンスを生む。相手との距離や置かれた状況が近すぎると新しい情報や視点はなかなか入ってこなくなるものだ(外部との交流が少ない組織やコミュニティがだんだんと澱んでいくのもこのため)。一方、相手との距離が遠いほど、自分にとっては未知で新鮮な情報やチャンスが得られることが多い。


 「弱く広いつながり」を、意識的に維持していくこと

 自分のチャンスを広げるためには、「取ろうと思えば連絡が取れる」人がどれくらいいるのかがとても重要になる。だから、「リアルで普段から会ってる人以外は信頼できない」、などとは言ってられない

 遠い昔に一度会っただけの人から、大きなチャンスが来ることもある(これは実体験としても結構ある)。さらにいうと、弱いつながりというのは、「リアルで一度も会ったことのない人」でも構わない。

  Facebookだとフレンド申請は実際に面識がある人に限定する人も多いが、Twitterだと文化も違い、会ったとか会わないとかそんなことは関係ない。むしろネット側を主軸として、新しい出会いや価値がどんどん生まれる状況にある。


 弱く広いつながりを大切にするということは、「ムラ社会への埋没」から自分を救うことでもある。狭すぎるコミュニティに長くいると、おのずと価値観も狭くなる。新しい知識や考え方にも触れることなく、チャンスの数も減っていく。

 より広いつながりを持つということは、社会全体と積極的につながっていくということでもあるのだ。そのために、「弱いつながり」を大切にすること。そしてそのための絶好のツールがSNSだ。これをきちんと使っていくことが、自分の人生を、たくさんのチャンスに恵まれた、可能性に満ちたものにできるのだ。


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