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「心配性」だった自分が、そのことを「自信」に変えられた話
自分はとても心配性だと認識しています。社会に出てもう20数年ですが、それでもほぼ変わっていません。
心配性がゆえに、何に対してもつねに「予備」を持っておこうとします。だから、いつも荷物が多いです。仕事でも、プライベートでも、いつも大きめのバックパックを背負ってます。よく「カバン大きいですね。いったい何が入ってるんですか?」とか聞かれます(笑)。
バックパックの中に入っているのは、折りたたみ傘とか、防寒具とかそういうものです。夏でも、冷房効きすぎて寒い場所とかあるので何かしらの着るものはいつも持ち歩いています。安全に生きていくため、おおげさにいうとサバイバルのためですね。絆創膏なども常に持っていたりします。
また、仕事に関しても同じです。いつも何かしらのプランBをできるだけ用意するようにしてます。それがなかったら怖いのです。できれば、「修羅場」みたいなものを見たくないので(笑)。何があっても、何ごともなかったかのように過ごしたいといつも思ってます。基本チキンです。
しかしこれらは、とてもコストがかかる話です。荷物も増えるし、余計な時間もかかる。しかも、こういう荷物や準備は、大体はムダになるものです。用意したものが役に立つことは実際には滅多にありません。
だから、たとえば荷物の量に関しても、「カバンを持たない人」などがとてもうらやましかったりします。その方がクールに見えますよね。でももし何かあったらと思うと、とても心配です。クールに生きたくとも自分には真似できません。本当にコストがかかる性格だと思っています。
これは、学生時代からそうでした。僕らのときの高校時代なんかは、まさにバブルの絶頂。大学に入った後も、しばらくはバブルの残り香が強く漂っていました。
そういう時代、世間的には「どーんといけ」みたいな風潮があって、心配性でいつもビクビクしている人間よりも「度胸がある」人間がもてはやされたものです。今では「堅実さ」もかなり評価されることはあると思いますが、当時は、社会の空気ももっとイケイケ(これぞバブル期の言葉)だったように思います。
そういう学生時代を経て、最初の会社に入りました。インテリジェンスという人材系会社で、今はパーソルキャリアという大きな会社になりましたが、当時はかなりブラック寄りの新興ベンチャーでした。
新人時代、実はあまり活躍できず、いろいろと悩む時期を過ごしました。営業職でしたが、「心配性なのが災いして思い切った営業活動ができていないのでは?」などとも考えました。
そういうとき、当時の役員が言ってた言葉が心に刺さりました。
「優秀な人間というのは、目先のことには心配性で、かつ長い目では楽観的な人間のことだと思う」
この言葉は、いろいろ悩んでいた自分にはとても新鮮に映りました。
「心配性」という言葉は、普通はかなりネガティブです。でもこの言い方だと、とてもポジティブな意味に転換されます。心配性だからこそ、「準備を怠らない。気を抜かない」というプラスの側面が補完されるのです。
自分は確かに心配性ではあったけど、長期的な視点だと、なぜかムダに楽観的なところはありました。だからこの言葉を聞いて、「まさに自分のことでは?」と思ってしまったのです。仕事はうまくいってないけれど、それでも、この先はなんとかなるかもしれない、そう考えることができました。
その5年後に起業するのですが、この「心配性」という性格は存分に活かしました。意識的にです。たとえば起業前も、会社に在籍したまま1年以上、しっかり着実に事前の準備を重ねました。絶対に、失敗しないように。
起業後はもちろんいろいろなことがありましたし、想定外のことにも多く見舞われました。しかしながら、やはりこの起業前の準備がものすごく効いたと思います。絶対失敗したくないと思いつつ準備したおかげで、大きな失敗は回避できました。
自分の「心配性」に、助けられたと思っています。
言葉は、本当に大切ですよね。モヤモヤしていた「概念」も、言葉にするととてもクリアになります。それは自分の中から出てくることもあるし、他人からもたらされることもある。
だからこそ、これまでの恩返しという意味も込め、できるだけ他者にとって助けになるような言葉を意識したいと思ってます。
また、これからも、他者の言葉により新たな気づきをもらえることをとても楽しみにしています。
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