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「あたりまえのことを書く」ことの、とても大きな価値

 ツイッターやnoteを続けようにも、「あたりまえのことしか書けない...」と悩むことはないだろうか。自分も、最初のころはずっとそんな思いに苦しんでいた。というか、いまでも正直、そういう苦しみは完全に消えたわけではないけれども。

 ツイートするとき、noteを書くときはいつも、「こんなあたりまえのことをドヤ顔で書いて、そこに何か価値はあるんだろうか?」と逡巡してしまう心と戦っている。アイデアとしては「少し面白そうだ」と思えることが頭に浮かんでも、いざそれを文章にしてみると、なんともつまらない、「こんなこと前からよく言われているし、誰でも言えるよね...」というアウトプットにしか思えなくなってくるのだ。

 しかしそれでも、そんなアウトプットでもなにかしらの価値があると理解できるようになってからは、ある程度は割り切れるようになった。昔なら書いては消し、書いては消ししていた文章も、今なら、えいやっと書き切って世に出してしまえる。それは、「自分にとってはあたりまえすぎることでも、他の誰かにとっては読む価値があるかもしれない」と考えられるようになったからだ。


 たとえば、本を例にとってみる。ものすごく難解な哲学書とかではなく、本屋に平置きで並べられるような、ベストセラーのビジネス書を想像してほしい。一冊の本というトータルで見た場合、ものすごく勉強になるというビジネス書はある。しかし、その本の中の「1ページ」という単位に着目した場合、そこだけ見ると、たいがいは「あたりまえ」と思えることが書いてあるだけだ

 もちろん、多数あるページの中で、中に「これは!」という気づきや学びに出会えるページがある。そしてそれこそが、その本の真の価値だ。しかしその場合でも、そのページ内の9割くらいはよく知ってる内容で、本当に新しく学べた箇所の比率は1割くらい、そんなものだと思う。

 そして、この比率はとても大切だ。たとえば、5割くらいしか知らない内容で、残りの5割が「自分には全くなかった考え」の本があった場合、すぐに挫折してしまうと思う。5割しか前提を共有できないというのは、はっきりいってものすごく少ない比率だ。筆者と信頼関係を構築することもできず、そのまま読み進めていっても、「この人、いったい何を言ってるの??」と思ってしまうことだろう。そんなレベルだと思う。


 これは、「あたりまえの9割」の内容が、とても大切な役割をはたしているということを意味する。本に書かれてあるほとんどのことはすでに理解していて同意や共感できるがゆえに、自分には未知だった「1割の部分」について、心から納得して学べる。文章を読んで何かを学ぶとは、こういうことだと思ってる。

 そして、その「あたりまえの9割」の内容は、決して、未知の1割を学ぶための単なる前フリの役割を果たしているだけではない。あたりまえのことであっても、その著者によって語られるから、読者にとってのまた新たな気づきとなるのだ。「あ〜、そうそう。これ、前から思ってた。そうそう!」。そんなイメージ。

 そしてこれこそが、「あたりまえのことをわざわざ書く」ことの価値だと思う。「こんなことは他の人も知ってるし、思っているだろう」ということでも、自分の文章として新たに語ることにより、読む人には新鮮な気づきや学びを提供することができる。そしてそれは、「あたりまえと思えること」だからこそ、より深い共感を得ることができるのだ。


 そういう観点でみると、私のツイートなんて、普段から本当にあたりまえのことしか言ってないなと自分で認識している。自分が発明した斬新なアイデアとか、これまで見たことがないような革新的な意見とかは、残念ながらほとんどない。そしてそれは、どんなインフルエンサーのツイートであっても、だいたいそんな感じだと思ってる。斬新な考えではなく、「自分でも考えてたことをまとめなおしてくれる」から、共感できるし、新たな気づきや学びになるのだ。

 そしてそういう中で、たまにまったく新しい考えかたに触れることができる。それが「残りの1割」だ。その1割は、書く人と読む人でそもそもの考えかたが違っていた部分かもしれないし、どちらかしか知らなかったことかもしれない。いずれにせよ、9割の共通する考えがベースとしてあるから、その1割が新たな学びとして光るのだ。

 だから裏を返せば、ツイッターやnoteの文章なんて、9割以上は「あたりまえでみんなが知ってること」を書いていいんだと思ってる。むしろそうすることこそが、重要。それで、読む人が、その文章の中で自発的に価値を発見してくれる。とてもありがたいことだ。


 そして今日も、「こんなことあたりまえだなあ」と思えることをツイッターやnoteに書く。読んでいただける賢明なるみなさんに、少しでも共感してもらえれば幸い、と思いながら。


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