JMVAイベントレポート🖊️「グローバル展開!医療ベンチャーの海外事業展開に関する勉強会」
12月10日(火)に、医療・ヘルスケア業界団体、一般社団法人日本医療ベンチャー協会(JMVA)は、「グローバル展開!医療ベンチャーの海外事業展開に関する勉強会」を日本デジタルヘルス・アライアンス様との共催で開催いたしました。
経済産業省 吉川課長【グローバルサウス等の支援プログラムについて】
吉川様より、グローバルサウス未来志向型共創等事業についてご紹介いただきました。
その中で我が国にとってのグローバルサウス諸国の重要性は、①成長力の高い市場、②経済安保上重要な相手、③国際秩序形成の鍵の3つが挙げられました。
事業の要件としては「我が国のイノベーション創出につながる共創型」「日本の高度技術海外展開型」「サプライチェーン強靭化型」の3つについてお話がありました。詳しくは全編動画でご視聴いただけます。
最後に、来年度もグローバルサウス未来志向型共創等事業を継続するため、令和6年度補正予算要求額等:総額約1,500億円(国庫債務負担行為等を含む)についてご説明され、「ぜひ申請を!」と皆様へのメッセーで締めくくられました。
富士フイルム 山崎氏【国際展開の事業の経験・課題について】
山崎様からは富士フイルムが考える、産官学が連携した国際展開の重要性についてお話いただきました。
富士フイルムグループではヘルスケア事業が全体の約3分の1を占めている状況です。その中でもAI技術と医療ワークフローへの取り込みについて、「STEP 0:高画質化」、「STEP 1:臓器セグメンテーション」、「STEP 2:コンピューター診断支援」、「STEP 3:ワークフローの効率化」の4つの技術ステップについてご紹介いただきました。非常に興味深い実体験としてのお話でした。
また、産官学連携事業が生み出す効果として、個々の企業では得難い、現地政府機関・医療機関等との連携や、国際調達への展開が期待できるということもあります。
具体的事例としてブラジルでのがん検診、タイでの肝がんマーカーを用いたサーベイランス、インド・AIと医師の協働による健診センター、ケニア・トレーナー医師の育成を通じた持続的なトレーニング体制の構築などをご紹介いただきました。
JaDHA/ 田辺三菱製薬 岩﨑氏による海外展開に係るプレゼンテーション
岩崎様より米国におけるDTxの変遷と最新動向についてお話いただきました。
まず最初にデジタルヘルス・DTxの定義についてご紹介いただきました。
日本のSaMD承認状況は治療用アプリとして日本で初めて、 禁煙アプリ「CureApp SC」を承認・保険適用となりましたが、米国より10年遅れているという状況を共有いただきました。
米国DTxに係る変遷と現況については、Pre-Cert Pilot Program、FDA Digital Health Center of Excellence、DTxの保険償還としてDigital Health Formulary、DTx産業の現況をご紹介いただきました。米国におけるデジタルヘルスの活路について、保険システムに希求する技術、スイッチOTC、PDURS(Prescription Drug Use-Related Software)についてもご紹介いただき、最後のまとめをして締めくくりとなりました。
Cross Sync 植村氏による説明による海外展開に係るプレゼンテーション
植村様からは前半は事業の紹介、後半は海外展開についてお話いただきました。Cross Syncでは「防ぎ得た死をゼロにする」ことをミッションに、予期せぬ急変に繋がるICU運営における課題点として、専門医の不足と情報共有の不足を挙げ、その解決をするべく、生体看視アプリケーション「iBSENDX」を提供しています。
遠隔ICUとして横浜市大附属病院を核にした遠隔遠隔ICU連携病院群(横浜モデル)の紹介や、2024年6月から遠隔支援加算980点/ 床/日が算定できるようになったことから事業の後押しとなっていることをご紹介いただきました。そのほか、AIを活用した研究開発では、睡眠状態の検知、危険行動・全区行動の検知、退室スコアについても共有いただきました。
海外展開に関しては実証から事業化フェーズへという状況で、「グローバルサウス未来志向型共創等事業 令和5年度補正予算」の活用をして小規模実証を開始しています。その実例として、ベトナムでは日本の急性期医療機関からの遠隔支援・体制の構築、フィリピンではフィリピン総合病院を支援センターにした離島支援の遠隔医療体制の構築についてお話いただきました。
経済産業省 橋本課長【ヘルスケア全体の海外事業・課題・可能性について】
橋本様からはヘルスケア産業の国際展開についてお話いただきました。ヘルスケア産業の国際展開に係る取組について、日本企業の海外展開を支援する「アウトバウンド」施策と、日本の高度な医療を海外からの渡航患者に提供する「インバウンド」施策の両輪で取り組む必要があり、前者について本日はお話いただきました。
アジアやアフリカの医療機器市場は拡大傾向で、日本が強みを持つ機器についても中長期的な成長が見込まれるため、海外市場獲得に向けた戦略として、グローバル市場獲得を見据えた製品開発だけでなく、アジア・アフリカ地域での展開も並行して行う必要があることを共有いただきました。
経済産業省が支援したプロジェクトの一例として、ベトナムにおける消化器疾病に対する内視鏡医療水準向上事業、タイにおけるIoT・クラウドを活用した周産期遠隔医療システム実証調査事業をご紹介いただきました。
その他アジアにおけるMExx構想や、Medical Excellence JAPAN(MEJ)のご紹介がありました。
MedicalExcellenceJapan櫻井氏による説明【医療系支援プログラムについて】
櫻井様からはMEJが進める医療の国際展開についてお話いただきました。
MEJが行っている国際展開に関するまとめを以下に共有いただき、①アウトバウンド事業、②インバウンド事業、③二国間連携で第三国を支援するといった事業を行っていることをご紹介いただきました。
具体的な事例として、ベトナムのハノイ医科大学病院がん検診センター設立プロジェクト、バクマイ病院先進医療機器の臨床評価拠点プロジェクト、タイとの取り組みでは 「高齢化」「健康経営」「ウェルネス」「先進医療」をテーマにタイ現地の関係機関とネットワークを構築していること、その他インドや台湾の取り組みもご紹介いただきました。
海外展開を模索する事業者の共通の課題を挙げ、その課題解決として、補助金のみならず 一流のビジネスコンサルタントや有識者から本気のアドバイスが得られるなど、MEJにお問い合わせくださいとお話いただきました。
JMVA / アルム 坂野氏【医療ITで33か国展開して紆余曲折について。国と事業者間とで連携して攻める意義】
坂野様より、日本医療ベンチャーの悪戦苦闘と題して本音を語っていただきました。
アルムでは医療関係者間 コミュニケーションアプリ「Join」を開発提供し、海外展開していることをご紹介いただき、Government to Governmentのメリットを6つご紹介いただきました。
A.薬事認可までプロセス B.汚職対策 C.相手国制度へのアプローチ D.医療者の協力姿勢 E.国際協力銀行、アジア開発銀行、世銀等のファンディングへの広がり F.行政機関の協力、ノウハウ、調査になります。詳しいお話は会員登録後、全編動画でご視聴いただけます。
ぜひご入会をご検討ください。イベント終了後の交流会でも活発な意見交換が行われていました。様々な方と交流できるもまたJMVAの魅力の一つです。イベントは、オンラインとオフラインのハイブリッドで開催されました。
イベント終了後も参加者、登壇者との交流で活発な意見交換が行われていました。様々な方と交流できるもまたJMVAの魅力の一つです。
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